2009年8月アーカイブ

   〜砂漠化する海岸線と温暖化の海〜
   (漁業と農業を救う天然のフルボ酸)

〜長雨で病気発生、高くなった農産物〜
(エコロジーの有機資材が農業と畜産を救う)

    〜脚の冷えと痛み、歩行までに影響〜
   (動脈硬化から来る血管の閉塞を防ぐには)

    〜タイのエビはブラックタイガーから白エビに〜
     (始めてみた、種エビから稚エビが生まれるまで)

室内温度40度、額から頭皮の中から出た汗が、顔を伝わってメガネを曇らせます。
肌から噴き出す汗はたちまちに下着から、着ているワイシャツをびしょびしょに濡らしていきます。

卵から稚エビを孵化させる、コンクリートづくりの水槽がいくつも連なっている孵化室内の温度は、人間の体温をはるかに上回る、まさにサウナ風呂状態。

「これがいま孵化したてのエビの子どもです」

タイ語で説明する担当者の言葉を、私の友人タイグローベスト飼料会社(THAI GROBEST)社長PICHAI(ピチャイ)さんの英語による通訳で説明を受けます。

透明なフラスコ入れられた海水の中、目を凝らしてじっと見ますと、たしかにいくつもの小さな黒い点が上下左右にうごめいているのが見えます。

「孵化したての稚エビは、ミジンコのようなプランクトンと同じです」

「孵化させる水温は何度ですか」

「30度です。明かりを与えない暗い水の中で受精から2−3日で孵化します」

「ただ室温が高いのはどうしてですか」

「室温を高くすることで、孵化する海水の温度が下がらない様にするからです」

タイのリゾート観光地として有名なプーケット島の隣、パンゴナガにある
タクシンマリン(TAKSIN MARINE)のプーケットエビ孵化場視察、2009年7月26日先週のことです。

ご存知のように、タイのエビ養殖は盛んで、世界に知れた主産地、また養殖の先進地でもあります。産業規模としても100億バーツ(280億円)に達する主要産業で、日本にもかなりの冷凍エビを輸出してもいます。

そのエビの餌を作っているのが私の古い友人ピチャイさん、彼の勧めもあって初めてエビ産業の要にもなる、稚エビ養殖の本髄を見せてもらう幸運を得ました。

齢がいくつになっても好奇心が強く、初めてのものの視察や体験は気持ちがわくわくします。

訪問後すぐに事務所で紹介された社長のTAKSIN(タクシン)さんはまだ40代、このエビ孵化事業を始めたのは3年前と言います。

「このエビはブラックタイガーですか」

「いや違います。ホワイトシュリンプです」

「白いエビですか。ブラックタイガーではない。白と黒では大きな相違ですね(笑い)」

ブラックタイガーは、養殖エビの代表的品種で、誰でもが知っているブランドです。
でもタクシンさんは、はじめからホワイトシュリンプ(白エビ)だけの孵化を手がけたようです。

友人のピチャイさんに聞きますと。

「いまタイはブラックタイガーから、殆どホワイトシュリンプに変わっています」との答えでした。

その理由の第一は矢張り経済性でした。

発育速度はブラックタイガーとそれほど変わらないようですが、育成率にかなりの相違があるようです。

ちなみに私が知る、ブラックタイガーは70%前後の育成率でしたが、このホワイトは85%と丈夫です。

育成率の良し悪しが、飼料の効率の差になりますから、少ない餌で沢山のエビが生産されることになりますので、ホワイトの方が儲かります。

このホワイトで100日飼育して、50から60匹で1キロになる発育体重のようです。
換算すると1匹18gから20gぐらいの大きさで、飼料の要求率で1.5と言います。

すなわち1.5キロの餌で1キロのエビが生産されることになります。20gのエビで30gの餌を食べたことになります。

エビの餌はタンパク質が高く40%を越えます。

以前10年前ごろ友人のピチャイさんに、肥育用の餌の価格を聞いたことがありました。
その時は確か1トン日本円換算で10万円ぐらいと記憶していますが、そのご主原料の魚粉が大幅に値上がりしてますので、現在は13万円ぐらいになりましょうか。

13万としますと、1キロ130円、エビ1匹が食べる量が30g、1匹の餌代は3.9円となります。

それに稚エビの価格、栄養剤、薬品代、人件費、光熱費、償却費、運搬費、加工費、冷凍費もろもろの経費がかかって、今のエビの原価が出来上がります。

ちなみに先週のタイのホワイトエビの相場価格は、20gもので1キロ日本円換算約300円、1匹6円と言うことです。

円高かもしれませんが、日本人から見ますと実に安いです。

それでは実際稚エビはいくらか、ピチャイさんに聞きますと0.2バーツとの答えでした。0.6円です。

「安いですね、実際1匹の雌の親エビが1回何個の卵を産むのですか」興味ある質問です。

「ホワイトシュリンプで約20万個、そのうち孵化して商品になるのが50%。
ブラックタイガーはもっと多く200万個の抱卵もありますが、孵化率は悪い」

さらに聞きますと、孵化場での親の管理と孵化技術、病気対策や親の選別、孵化した稚エビの品質など、エビ養殖が成功するか否かは、この孵化場の良し悪しにかかっているようです。

孵化場社長のタクシンさんは、その点を強調します。

現在の種エビ(親エビ)は全てアメリカのハワイのブリーダーから輸入してるようです。
ブラックタイガーの育種はタイ国内で出来るが、ホワイトは原産がハワイの近海、ハワイで増殖したものを仕入れます。

その遺伝的要素、病気の有無、発育上での管理、特別の生き餌生産などの技術が、タクシンマリンの真骨頂のようです。

ちなみに飼料はグローベストの高い品質の餌を食べさせていますが、なおかつ稚エビの飼料や、種エビの餌に、生きたゴカイ、牡蠣、捕獲したての白魚など新鮮な生き餌を食べさせることにより、より丈夫で健康的な稚エビの生産が出来ることを強調していました。

ゴカイは自らが養殖し、そのためだけに専用のハウスを設け、細かな管理をしています。

エビは必ずしも強い生き物ではなく、ストレスに弱く、水温に敏感、酸欠があるとダメージが大きいです。ことにアンモンニアには最悪のようです。

30度の水温は、孵化時の温度で、一般の種エビは約25度の水温、溶存酸素を保つため、エアレーション(酸素供給)設備も完備稼動しています。

種エビの雄と雌は普段は別飼育で、雌が抱卵して卵を産む準備が出来たら、その水槽に雄を入れ自然交配を行い、それが終わりますと、また雄は雄水槽に移動と言う、つかの間の会う瀬だけしか許されません。可哀想な話です。

もっと可哀想な残酷物語は雌です。

雌は卵を産みますと、片目を切り落とされます。目を一つ失うのです。雌エビは自分の身体の変調を自覚し、モット子孫を残さないといけない、その本能的な生理現象で、すぐの抱卵をします。

そうして無事卵を産みますと、人間はもう一つ残った目を切り落とします。雌エビはさらに本能的に子孫を残そうと、健気にも卵を作ります。

1匹の雌はたちまちの間に3回も卵を産み、短い一生を終わります。

人間が考えた経済的効果から生まれた、エビ飼育のテクニックです。動物愛護の観念からは許されないとも思いますが、最も原生動物に近いエビの生産システムとしては許されているのでしょうか。

タクシン孵化場の稚エビは、タイ国内はもとより、近隣諸国にも輸出されています。
2−3センチになった稚エビは特殊なプラスチック袋に入れられ、酸素を充分くわえ25度の水温に調節され、送られます。

海外など遠方には20度と活動しない低い温度をキープするようです。

もし30度を超える温度となれば、稚エビは活発に活動し、仲間同士が狭い袋の中で争い、傷つき死亡するものができ、それが発するアンモニアガスで全滅してしまうようです。

如何に温度管理が重要で、かつまた酸素が大事で、アンモニアが大敵だと分かります。

エビに限らず、養殖産業は病気との闘いです。養鶏も養豚も牛肉産業も養殖魚も、絶えず新しい病気との闘いです。

その背景には、自然環境とかけ離れた、人間本位の経済効果優先の人工環境を作り上げ、その中に無理やり押し込んだ結果の、動物や魚がダメージを起こすのです。

エビ産業もあらゆる病気との闘いで、一時は白い斑点が出る、ホワイトスポットウイルス病で、地域によっては全滅状態になったところもあります。

今日現在もこの病気の脅威はいつもあります。それらの病気に打ち勝つには、まずもって健全な稚エビが大切。ウイルスのキャリア(感染源)には絶対ならない、抗病勢がある体質をもっている、こんな稚エビを生産することが、産業として最も望んでいるところです。

その要求を満たす努力が、設立して3年目のタクシンエビ孵化場にあるので、こんなに大きな農場にもなれたのでしょう。

全ての施設を見学、40度の孵化室はともかく、プーケットの昼間の温度そのものも33度ぐらい。この温度があるので、エビ養殖産業も盛んなのでしょう。

しかし私の身体はこの暑さにはいささかバテます。温度管理も大切、暑い気温は酸素不足にもなりそうでした。

とにかく施設から施設への移動は、ジリジリと照りつける南国の太陽をもろに受ける野外の歩行です、広大な面積を歩き続けることは、高齢者には体にこたえました。

ところが次から次へと新たな発見のある見学、私の好奇心を満足させるには短い時間、事務所に戻ってクーラーの冷風にあたり、さらに質問する私にピチャイさんは

「おくむらさん、いくつになっても新しいことに興味があるだ、こんな知識を得れば、すぐにエビ養殖の大先生になれますからね」

大きな声で笑いました。

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