スポーツ選手と栄養

〜三大栄養素とビタミン、ミネラルの効用〜
(怖い活性酸素の除去と運動選手の対応)

スポーツの季節になりました。

2014年9月〜10月にかけてアジアスポーツの祭典(アジアオリンピック)
が韓国仁川(インチョン)で開催され、各国のから派遣された選手たちによる、
各競技での活躍で盛り上がっています。

鍛え上げられた肉体の活動は、一流スポーツ選手だけがもつ感動を私たちに与えます。

このすぐれた肉体と活動力は一朝一夕には成し遂げられるものではなく、
長期間にわたる厳しい鍛錬と訓練のたまものと考えられます。

さらにこの素晴らしい肉体を作るために欠かせないのが、アスリートたちの栄養補給です。

栄養とは食事のことです。

ただし一般人と異なるところは、骨格と弾力性ある敏捷な筋肉を作る為、
また活動するエネルギー供給に適した、栄養素のバランスを考えた食事のようです。

ただし、人により育った環境によりまた嗜好により、食べ物(食材)は
いろいろですが、大切なのはそのトータルバランスで、タンパク質、炭水化物、
脂肪の三大栄養素の比率と、体調を調える潤滑油のビタミンミネラルの摂取要領です。
1、タンパク質

どれもこれも大切ですが、アスリートたちの素晴らしい肉体を作るにはまずタンパク質です。

タンパク質は骨格と筋肉と臓器を作る構成成分ですし、血液、リンパなど
体液の構成要素でもあり、さらに酵素、免疫力、ホルモンの原料でもあります。

ただし一遍にとりすぎますと吸収消化ができず、内臓に負担がかかりことに
腎臓機能が障害を起こし、高尿酸結晶の危険も招きます。

出来たら何回かに分散がよいのですが、一日3回の食事習慣の分散で十分でしょう。

アスリートたちの筋肉の増加と疲労改善などに必要なタンパク量は、
体重1Kgあたり1日1.5g〜2gと言われています。

もし80Kgの体重の選手なら1日120gから160gが必要になります。

それを補充するのに必要な量は、白米ごはん野菜や果物では無理です。

脂身の少ない牛ヒレ肉では600g、赤身のマグロ、カツオなどでは500g、
植物タンパクの王様大豆ですト350gですが、納豆になりますと水分が
あるので730gとなります。

これはあくまで単品で摂った場合の話で、何種類もの食材から摂取する
トータルが120gで、それを少なくとも3食に分けますから、難しくはありません。

タンパク質のカロリーは1g4カロリーですから、1日量120gのタンパク
摂取ですと、合計で480キロカロリーになります。

単品食品ののタンパク量から見ますと、100gあたりの含有量では、
鶏のササミ、皮なしのムネ肉などは23g、豚のひれ肉23gで脂肪が1.9g
ですが、牛サーロインは17gのタンパク質に対し47gの脂肪ですから、
ステーキ肉を食べて筋肉をつけるには脂が邪魔です。

マグロの赤身は26gに対し脂肪は1.4gと低く、カツオも25gで脂肪は
0.5gで青魚含め健康的です。

ちなみに成人男子の1日のタンパク摂取量は80g、女性で60gと言われています。
2、炭水化物

運動エネルギーの原動力は炭水化物です。

炭水化物とは糖質と植物繊維の総称で、ことに穀類、豆類、イモ類、海藻類に
多く、当然糖分の多いお菓子類も高炭水化物食品です。

瞬間的に活動するエネルギーは炭水化物が絶対必要で、もし不足すると、
タンパク質から取り込み、筋肉にダメージが起こります。

ただし糖分の摂りすぎは、中性脂肪として肝臓に蓄えられ、肥満、高脂血症、
糖尿病の引き金にもなりますが、不足すると思考力の低下と活動力が鈍り生気がなくなります。

小学生、中学生の子供が朝食抜き、炭水化物抜きだと、午前中の勉強に集中できないといいます。

スポーツ選手の機敏な判断力や対応力、持久力なども炭水化物のエネルギーが充当します。

アスリートに必要な炭水化物の1日量は、体重1kgあたり6〜10gで、
80kgの体重では640g平均となります。

ちなみにカロリー計算しますと、炭水化物1gは4キロカロリーですので、
トータル2560キロカロリーになります。

穀類(乾物)100g中の炭水化物量の多いものはコーンフレークで83g、
白玉粉で80g、小麦粉で75gにもなりますが、水分を入れて加工します
ので食べるときは低くなります。

調理したものでは餅の50g、食パンの48g、ごはんで37g、中華麺が
38g、焼き芋が39gぐらいです。

なんといっても高いのが砂糖そのもので、精製上白糖は99g、飴で97g、
炭酸飲料も13g、果物はバナナ22g、リンゴ15g、ブドウ16gなど
ですが、干しブドウや干し柿などは、80g、70gと乾燥したものは
カロリーが凝縮されています。
3、脂肪

次に脂質ですが、これも運動エネルギーに変えられます。

ことに瞬発力や瞬間的熱源として脂質は燃えやすく利用しやすいです。

体の構成組織の中では細胞膜、神経組織、核酸などの構成成分で、脂溶性
ビタミンの吸収には大切です。

ただ過剰摂取は肥満、糖尿病、高脂血症、動脈硬化の引き金となる危険な
物質であることは、周知の事実です。

アスリートに必要な脂質は1Kgあたり0.8〜1gぐらいで80Kgの
選手で72gですが、ことカロリー計算では脂肪は1g9キロカロリーと高いので、
650キロカロリーとなります。

アスリートが好む肉類は、食品のなかでは脂肪分が高く、
そのことが美味しさになり、牛のバラ肉で50g、サーロインステーキで47g、
ベーコンで39gですから肉料理大好きが増えます。

牛肉と比較すると豚肉は意外と脂質が低くロース肉で19gですが、
脂身の多い豚ばら肉は35gと高いです。

鶏の皮付き肉では14g前後、皮なし胸肉になりますと1.5g、
ササミは0.8gと低くタンパク質が高いので、ダイエット食には推奨できます。

意外と高いのがナッツ類、マカダミアンナッツで77g、クルミで67g、
ビスタチオが65g、アーモンド53g、バターピーナッツ51gです。

油は100%脂質ですので、トンカツや鶏から揚げなどフライものや、
油いため料理は脂肪が高くなることは先刻承知ですが、脂の美味さが
食事の美味しさと感じているアスリートは多いので、油脂過剰に
ならないようバランスが大切です。

アスリートだけでなく一般人も脂質から摂取するカロリーは、
必要カロリーの20〜30%以内にとどめるのが健康的です。

さてアスリートの活動を支える総カロリーは、タンパク質、炭水化物、
脂肪合わせますと3690キロカロリーとなりますが、体重やスポーツの
種類、運動量また年齢などにより、摂取量は幅があります。。

また競技の種類によって、消費カロリーの違いがありますし、
室内競技と太陽のもとでカロリー発散する野外競技とでは、カロリーの消耗も違いますし、
瞬発力を必要とする競技と長時間にわたる持続力を必要とする競技とでは、
体型と体力の作り方も違うでしょう。

相撲、柔道、ボクシングのような競技は、体格と体重が重要なカギに
なりますが、陸上競技のような脚力、背筋、腹筋、大腿筋などを鍛え、
持久力を必要とする競技は、体重は軽量が優位です。

おのずから訓練の仕方も違いますし、栄養の摂り方も変わるでしょう。

それぞれにコーチ、トレーナーが指導し、栄養士も万全を期して疎漏の無いよう、
体格と体力作りに科学的に計算さた食事メニューを作ると思います。
4、ビタミン、ミネラル

三大栄養素が表の栄養素とすれば、影の栄養素がビタミンとミネラルでしょう。

というのも表舞台のタンパク質も、炭水化物もその働きをまっとうする
には、このビタミンとミネラルの補助を仰ぎ、また橋渡しをして
もらわないと、本来の機能が発揮できません。

筋肉の合成には水溶性のビタミンB6の働きが必要ですし、
炭水化物からエネルギーを作るには、酵素と補酵素が必要でその橋渡しもビタミンB群です。

筋肉細胞も絶えず新陳代謝し、リフレッシュしますその時出る老廃物の
処理もビタミンとミネラルの役割です。

ビタミンはご存知のように水溶性と脂溶性があります。

水溶性はビタミンCと葉酸とビオチンを含んだB群で、熱に弱く水分と
一緒に体外に放出されやすく、脂溶性はA、D、E、K、などで、
体の中に蓄積されます。

これらのビタミンはそれぞれ役割分担があり、それぞれが独特でユニークな働きをします。

もしこれらビタミンのいくつかが欠乏すると、重大な病気の引き金にも
なりますし、ストレスに弱くなり精神不安定にまでなります。

当然、運動神経の不活発につながり、アスリートの生命力に影響を及ぼします。

疲れが抜けない、体が重い、成績が向上しない、無気力で集中できない
などは、ビタミン不足のひとつの症状です。

ビタミンが躍動的な肉体への補助活動とすれば、ミネラルは基本的な
人体構成に欠かすことのできない微量物質です。

地球上の全ての動物の誕生にまで話がさかのぼりますが、私たちは
地球上に酸素が出現した、そのころの海から生まれ、海の中に溶け込んで
いた微量元素ミネラルを活用して、人体構成がなされた歴史があります。

その際にミネラルが人間の生命構造の骨幹となり、酸素を燃やして熱源
として生命活動しています。

お分かりのようにミネラルは元素です。

その元素はそれぞれの機能のまま生命維持の重要な働きをしています。

その一部を紹介すると、カルシウムとリンは骨格を作りますし、鉄や銅は
血液ヘモクロビンに関係し酸素活用の重要ミネラルですし、亜鉛は
タンパク質合成に役立ち、マグネシウムは酵素生産に必要ですし、
カリウム、ナトリウムは生体機能をコントロールし、セレンは抗酸化剤として重要です。

これらのミネラルやビタミンは原則として、食品のなかに存在し三大栄養素を
摂取するとき、同時に取り込みます。

水溶性ビタミンは多く野菜類に含まれますので、加熱しないで食べるサラダ
などは適当ですし、魚類にも多いです。

鶏卵は生命体生産のためのミネラル、ビタミンはそろっていますし、
肉類には概ねミネラルが含有されています。

あらゆる食品をまんべんなく摂取していますと、全ての栄養素は過不足なく
バランスよく摂取できますが、一つ注意したいのは、激しい運動を連続して
続けるアスリートの身体をむしばむものの活性酸素の対応が意外とおろそかになっています。
5、活性酸素の怖さ

私たちは酸素で生きる好気性動物です。

酸素を血液に取り込み、体中に循環させ細胞を活性させ新陳代謝を促進し
生命体を維持します。

ところがこの酸素は非常に暴れ者で危険元素です。

それは物質を酸化させて消滅させたり、炭水化物を酸素と反応させ、
二酸化炭素と水に変える化学反応で熱と光を出し燃焼する火事の元凶になる元素です。

酸化とは酸素原子の周りを回る8個の電子が不安定で、絶えず外に飛び出し
マイナスになると、近くの物質から電子を奪い、奪われた物質が傷つくことです。

この活動を活性酸素と呼びます。

活性酸素に侵されると肉体の老化は進みますし、細胞は傷んで癌や各種
病気発症の引き金になります。
ところで「スポーツ選手は短命の人が多い」と一般にいわれるのは、
運動時に発生する活性酸素が過剰が原因です。

そもそも私たちが呼吸、飲食などで取り込む酸素の2〜3%は代謝の時、
活性酸素になります。

ですから酸素量を多く取り込む人は活性酸素の発生が多くなります。

スポーツ選手は酸素取り込みが多い代表ですし、さらに激しい運動時、
一時的に筋肉が緊張、虚血状態になり、そのあと血液が再流するとき、
激しく多量の活性酸素が発生します。

運動選手は筋肉の緊張の連続ですので、絶えず活性酸素を大量に作り
続けていることになります。

そのほか、太陽のもとでの日光を浴びての野外運動は、紫外線と放射線とに
犯されます。

これら光線は活性酸素の親玉です。

都会に溢れる排気ガスや、空気中の塵埃なども、活性酸素を知らずの内に
体内で発生させます。

また運動選手は肉体的、精神的な緊張を強いられます、それはストレスと
なって、その都度活性酸素を体内で発生させます。

食事量が多いことも目に見えない活性酸素を作りますし、
食品添加物やアルコール飲料の摂りすぎ、
タバコの吸いすぎはすべて多量の活性酸素を作ります。

このように総合的に見ますと、運動選手は運動をあまりしない人と比べると、
2倍から3倍の活性酸素と闘うことになります。

その活性酸素の攻撃が、知らぬ間に体内細胞に多くの傷を作り、
傷が修復されないまま時間が経過しますと、生命維持に支障をきたす、
さまざまな障害が発生する恐れが出ます。
6、活性酸素に打ち勝つ

体の中に発生した活性酸素をすぐに除去しないと、スポーツ生命も短くなる
恐れがありますから、現役アスリートもこれと積極的に戦う心掛けが大切です。

幸いなことに人間の機能に、活性酸素と闘う物質が用意されています。

そもそも酸素を活用して生命を維持する構造の人間は、この酸素と闘う防御
物質を作り、また自然のなかの活性酸素を除去する物質を利用して防御策を作りました。

それを抗酸化物質と言いい、さまざまな機能を持った体内で作った酵素、
食べ物で摂取したビタミンとミネラル、それと抗酸化(ポリフェノール)食品です。

体内の酵素でよく知られているのがSODで、できたての活性酸素を除去
します、その後カタラーゼ、ぺルオキシダーゼなど、形の違う活性酸素を
それぞれ違った機能で除去します。

さらにビタミンCとE、ミネラルのセレンや亜鉛も抗酸化剤ですし、
色の濃い野菜なども抗酸化力が高いです。

さて、私たちはこの活性酸素が及ぼす害が、選手の記録更新を妨げ、
さらに選手寿命を短縮させ、さては運動選手だったことで長寿になれないことを
深く憂慮し、強い活性酸素除去能力を発揮し、
なおかつ高いプロテイン能力を持った製剤を数年前開発しました。

原料は植物性プロテインの代表大豆を使い、
その胚芽が持つ抗酸化物質を酵素触媒し抗酸化能力を高めました。

タンパク質サプリメントとしても70%を超える高タンパクです。

植物由来の抗酸化物質のブルーベリーのアントシアニン、お茶のカテキン、
ゴマのセサミン、トマトのリコピンなどと比べ、何倍かの抗酸化力が
検定で証明されています。

それ以前に、運動選手だけでなく、美容とダイエット、健康増進を図る
中高年のご婦人方からの、効果が高く体質が変わりシミやシワが減り、
便秘が治り、睡眠が深く体調抜群のお褒めをいただいています。

さらにプロ野球選手、プロゴルファー、プロレスラーなどの体を資本と
するアスリートから愛用され、高校野球、高校ラグビー、サッカー、
スキー、マラソン、トライアスロンの選手達も愛用者になっています。

その理由は疲れない、スタミナが続く、記録が伸びるなど様々ですが、
基本的には活性酸素を除去する能力が高いことが、
細胞の傷と疲労を除去していることと思います。

最後に、運動選手は肉体の鍛錬と競技上達の練習、
それを成し遂げるバランスのとれた栄養摂取が大切ですが、
スポーツ選手ゆえに多く消費する酸素の害をいかに防ぐかも、
大事なアイテムと考えましょう。