2014年12月アーカイブ

人畜共通感染症の恐ろしさ(その3)

〜世界中で収束しない細菌性食中毒〜
(薬剤多用で出現した耐性菌が、人と動物に共通感染の心配)


世界の歴史に影響を与えた、小動物ネズミと吸血昆虫のノミを媒介して、大流行感染症(パンデミック)を起こした細菌性の人畜共通感染症の代表は「ペスト」です。

この「ペスト」は紀元前ギリシャでの記録がありますが、紀元540年代に東ローマ帝国の治世を揺るがした大流行となり、人口の三分の一が死亡し、やがて帝国は衰退の一途をたどった歴史は有名です。

再度14世紀のヨーロッパで大流行、皮膚出血が顕著な症状で、その出血跡が黒ずむため「黒死病」とよばれ恐れられたようで、死者が3000万人と当時のヨーロッパの35%ほどの人口が失われた、記録に残るパンデミックスでした。

このように人畜共通感染症の流行性疾病は、人類の歴史を変えます。

1918年に大流行した「スペインかぜ」も、第一次世界大戦を終息させる要因になったとも伝えられ、その後の世界の歴史に影響をあたえました。

この「スペインかぜ」は「鳥インフルエンザ」の変異株が強毒化して人間の細胞の中で暴れまわったと言われています。

ここ数年毎年のように、いろいろな違ったウイルス株で、世界のどこかで発生している鳥インフルエンザが、1918年のよう人間にたやすく感染する変異株に変わった時、防ぎようのないパンデミックスになるかもしれません、要注意です。

細菌性の感染症で多くの命が失われた病気に、不治の病と言われた「結核」があります。

20世紀中ごろ抗生物質の発明でこの病原菌を抑制するまで、根本的な対策がなく、各地に専門療養所が開設されていました。私の友人の一人が山梨の八ヶ岳で転地療養しているのを見舞ったことがあります。

治療法は美しい空気と、栄養を十分取ることで体に抵抗力と免疫力を作る方法しかなかったので、抗生物質の出現は画期的な福音でした。

抗生物質はなにも結核菌だけでなく、細菌性の感染症対策にも効果的で、人類の寿命が飛躍的に伸びたのも、抗生物質によるところが大です。

この細菌は人に感染する「結核菌」で、マイコバクテリューム(Mycobacterium tuberulasis)という名前ですが、同じ菌で牛の結核菌のM.bovis(ボービス)があり、この菌は人間にも感染する人畜共通感染症の「結核」です。

結核菌ではないエルシニア菌で発病する人畜共通感染症に「仮性結核」があります。

エルシニア菌はペスト菌もその仲間ですが、仮性結核はブタ、イヌ、ネコ、ネズミ、ウサギ、サル、そうして人にも感染し、動物の症状は顕著に表れませんが、人では発熱、喉頭炎、呼吸器障害、胃腸炎などが発生しますので「仮性結核」と呼ばれたのでしょう。

同じエルシニア菌の異なる種で発病する病気に、名前そのまま「エル二シア」があり,ややこしいですが哺乳動物全てと鳥類にまで感染し、人では発熱、腹痛、下痢が発生します。

古くからある人畜共通感染症に「豚丹毒」と「ブルセラ症」があります。

どちらも家畜伝染予防法に決められた届け出が義務つけられた病気です。

「豚丹毒」は人の感染症「丹毒」とは菌も違い症状も若干違いますが、関節炎やリンパ腫、ひどい症状は敗血症にまで進みます。

豚丹毒と言う名前ですが、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ネズミ、鳥類にまで保菌動物がいるので注意が必要です。

豚そのものにはワクチンがあり、発病は少なくなっていますが、産業としては注意が肝要な疾病です。

「ブルセラ症」の発病の話は日本の畜産界では少なくなりましたが、ウシ、ブタ、イヌなどこの病気にかかると繁殖障害で不妊、流産など症状は顕著です。

人間は発熱、発汗、頭痛など風邪の症状と同じ状態になります。

動物由来の細菌で食中毒発生件数を、厚生労働省の発表を見ますと、最近は圧倒的に「カンピロバクター」の件数が多くなっています。

その次が「サルモネラ」で両方とも、鶏由来での鶏卵と鶏肉が感染源となっています。

この二つの病気は疫学調査が進んでる国のなかでは、日本より欧米での感染率と死亡率は高く、発展途上国では統計的に少ないです。

腹痛、下痢ぐらいではあまり病院には行かないのかもしれません。

ちなみにアメリカのサルモネラ被害を、CDC(病気管理予防センター)の発表をみますと、2012年度入院の患者数は19000人、死亡は360人との大きさに驚かされます。

もっともサルモネラ感染がすべて鶏卵や鶏肉ではなく、ピーナッツなどほかの食品が保菌していて発病したものと、怖いのは可愛がっているイヌ、ネコ等のペットから、またカメやヘビからの感染もさせられたケースも含まれます。

「カンピロバクター」についてイギリスの2007年の発表では、入院22000人、死亡110人とありますから、最近の人畜共通感染症の被害の中では群を抜きますし、そんな状態が毎年同じように継続していることが問題です。

この病原菌を鶏由来と言いましたが、ペットもブタ、ウシもこの病原菌は保有しています。

ことにサルモネラ菌は爬虫類、両生類などに多く、欧米ではこれらのペット動物から感染しているケースも多いです。

日本の死亡事故で社会的に話題になった「病原性大腸菌」の「O157]「O111]菌は、テレビ、新聞などに大きく取り上げられましたので、病原菌の名前を記憶している人が多いと思います。

これら食中毒を起こす細菌は保菌動物の、トリ、ウシ、ブタなどの家畜にはほとんど症状が出ません。

ただし動物の腸管内では増殖し、鶏卵の中、鶏肉の表面や内臓、ウシの肉はもとより肝臓その他の内臓に付着し、加熱調理が十分でないと容易に経口感染で腸炎を起こします。

ことに怖いのは「O157]などの菌は毒素を産出し、その毒素で出血性の腸炎が進行し重篤になることです。

といってこれらの病原菌抑制のため、家畜に薬品を使うことは、治療対策として獣医の許可のもと使用はできますが、基本的には法律で禁止されていますので、予防対策がありません。

そこで私たちは、サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌など、人畜共通感染症細菌の動物腸内での繁殖を抑制し、生産物への汚染を防ぐ有機的な生菌製剤を開発しました。

この製剤の生菌は納豆菌、乳酸菌のような安全性の高いもので、なお細菌の細胞壁を溶解する酵素を加えた混合飼料です。

この生菌酵素飼料を、配合飼料に混合し与えますと、人畜共通感染症以外の家畜、家禽の細菌症、原虫による発病も抑え、さらに少ない餌で肉、卵、牛乳を沢山生産することに役立っています。

それはとりもなおさず、無薬、無菌の肉、卵、牛乳を生産する目的で、市場の評価も高いです。

勿論家畜だけでなく、イヌ、ネコ、はじめ小鳥からハトなどに使用すれば、薬にかわる健康製剤として喜ばれ、糞の悪臭除去にも効果的です。

実際レース鳩の愛好家の多くが、飼育鳩の健康と病気治療のため、使用されています。

さて細菌ではないが、消費者に大きなインパクトを与えた病気に「狂牛病」があります。

通常「BSE」と呼ばれ、ウシの脳細胞が海綿状になる脳炎で、その原因がプリオンというたんぱく質に変質したことによるものと分かりました。

ただ問題なのは、このたんぱく質は煮ても焼いても揚げても変わらず、食べた人間の脳細胞たんぱく質が、プリオンにより海綿状となり脳炎を起こすことです。

1980年イギリスでウシに発症し、そのウシの残差物で作った飼料用肉骨粉を食べたヨーロッパ各国のウシが発病し、その飼料肉骨粉が日本に輸入され、2005年に我が国でもウシに発生しました。

アメリカも同時期に発生があり、大量に輸入されていたアメリカ産牛肉の輸入ストップとなり、有名牛丼チエーン店が販売を中止し、社会的話題が大きくなったのもこの「BSE」で、つい最近のことです。

このように畜産動物と私たち人間との間は、ある時は労働力として、さらに食糧として、居住を同じくしながら、深いつながりが人類の起源から続いています。

ところが同じような恒温の哺乳動物、または家禽なので、細菌もウイルスも原虫も、それを媒介する吸血昆虫なども同じように共通しています。

そこで人間と動物の間で共通する病気が発生するのです。

さらに申せばその治療法として開発された、病原菌、原虫を殺す薬剤までも、同じものが使われます。

それゆえさらに新しい問題が発生します。

これは人畜共通感染症対策の負の部分です。

ことに20世紀の大発明抗生物質や抗菌剤に対して病原菌やある種の原虫が、耐性を持ってきたことです。

耐性とはその薬の薬効作用に対抗する性質の菌に変わり、薬の効能効果が無くなることです。

それは薬の使い過ぎにより、細菌が自己防衛のために変身させてしまったからです。

ことに畜産動物への薬の使用が大きな問題になります。

現在世界中の、ウシ、ブタ、ヒツジ、トリ、アヒルなど合わせますと、世界の人口の10倍を上回ります。

その動物は経済性を求めて多量の抗生剤を継続的に使用しています。

それは人間が感染症対策で使用する何百倍の数量でしょう。

もし病原菌が人畜共通とすれば、その細菌は家畜感染により耐性を持つことがより早く容易となります。

さらに薬品漬けにされた動物の肉、卵の中には薬品が代謝しきれず残留します。

それを食べ続けた人間の体の中にいる隠れた細菌は、いつの間にか耐性ができてしまいます。

その人の体力が弱りその耐性ができた細菌が繁殖し発病した時、全ての薬剤の効果がなく、治療が困難になります。

この連鎖が、感染症ではないがもう一つの人畜共通感染症の隠れた恐ろしさと思うのは私一人でしょうか。

当然、世界の畜産界全体も気づき、また行政も薬事規制で対応しますが、病気発生の現場で働く生産者は、背に腹は変えられず薬剤使用に踏み切ります。

そしてその量が年ごとに増え、病原菌はますます対抗して強くなり、生産物への薬品残留はますます多く危険となります。

どこかで断ち切らねばなりません。

私の知る限りでも、発展途上国では薬剤耐性で薬品効果が減少し、前に紹介した私どもの生菌酵素飼料を使用したいとの申し込みがこの頃増えています。

やがては家畜と病気、薬品と耐性、畜産生産物の安心安全を求め、代替薬品的なものを求める時代となり、世界的にオルタネイティブ(Alternative)が大きな話題になるでしょう。

人間の英知が創造した薬品の数々が、ルールなしに使われた結果、単なる粉末にしかならない前に、さらに人間の英知で「人畜共通感染症」の感染予防対策を考えなければいけません。












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