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人畜共通感染症の恐ろしさ(その3)

〜世界中で収束しない細菌性食中毒〜
(薬剤多用で出現した耐性菌が、人と動物に共通感染の心配)


世界の歴史に影響を与えた、小動物ネズミと吸血昆虫のノミを媒介して、大流行感染症(パンデミック)を起こした細菌性の人畜共通感染症の代表は「ペスト」です。

この「ペスト」は紀元前ギリシャでの記録がありますが、紀元540年代に東ローマ帝国の治世を揺るがした大流行となり、人口の三分の一が死亡し、やがて帝国は衰退の一途をたどった歴史は有名です。

再度14世紀のヨーロッパで大流行、皮膚出血が顕著な症状で、その出血跡が黒ずむため「黒死病」とよばれ恐れられたようで、死者が3000万人と当時のヨーロッパの35%ほどの人口が失われた、記録に残るパンデミックスでした。

このように人畜共通感染症の流行性疾病は、人類の歴史を変えます。

1918年に大流行した「スペインかぜ」も、第一次世界大戦を終息させる要因になったとも伝えられ、その後の世界の歴史に影響をあたえました。

この「スペインかぜ」は「鳥インフルエンザ」の変異株が強毒化して人間の細胞の中で暴れまわったと言われています。

ここ数年毎年のように、いろいろな違ったウイルス株で、世界のどこかで発生している鳥インフルエンザが、1918年のよう人間にたやすく感染する変異株に変わった時、防ぎようのないパンデミックスになるかもしれません、要注意です。

細菌性の感染症で多くの命が失われた病気に、不治の病と言われた「結核」があります。

20世紀中ごろ抗生物質の発明でこの病原菌を抑制するまで、根本的な対策がなく、各地に専門療養所が開設されていました。私の友人の一人が山梨の八ヶ岳で転地療養しているのを見舞ったことがあります。

治療法は美しい空気と、栄養を十分取ることで体に抵抗力と免疫力を作る方法しかなかったので、抗生物質の出現は画期的な福音でした。

抗生物質はなにも結核菌だけでなく、細菌性の感染症対策にも効果的で、人類の寿命が飛躍的に伸びたのも、抗生物質によるところが大です。

この細菌は人に感染する「結核菌」で、マイコバクテリューム(Mycobacterium tuberulasis)という名前ですが、同じ菌で牛の結核菌のM.bovis(ボービス)があり、この菌は人間にも感染する人畜共通感染症の「結核」です。

結核菌ではないエルシニア菌で発病する人畜共通感染症に「仮性結核」があります。

エルシニア菌はペスト菌もその仲間ですが、仮性結核はブタ、イヌ、ネコ、ネズミ、ウサギ、サル、そうして人にも感染し、動物の症状は顕著に表れませんが、人では発熱、喉頭炎、呼吸器障害、胃腸炎などが発生しますので「仮性結核」と呼ばれたのでしょう。

同じエルシニア菌の異なる種で発病する病気に、名前そのまま「エル二シア」があり,ややこしいですが哺乳動物全てと鳥類にまで感染し、人では発熱、腹痛、下痢が発生します。

古くからある人畜共通感染症に「豚丹毒」と「ブルセラ症」があります。

どちらも家畜伝染予防法に決められた届け出が義務つけられた病気です。

「豚丹毒」は人の感染症「丹毒」とは菌も違い症状も若干違いますが、関節炎やリンパ腫、ひどい症状は敗血症にまで進みます。

豚丹毒と言う名前ですが、イヌ、ヒツジ、ウサギ、ネズミ、鳥類にまで保菌動物がいるので注意が必要です。

豚そのものにはワクチンがあり、発病は少なくなっていますが、産業としては注意が肝要な疾病です。

「ブルセラ症」の発病の話は日本の畜産界では少なくなりましたが、ウシ、ブタ、イヌなどこの病気にかかると繁殖障害で不妊、流産など症状は顕著です。

人間は発熱、発汗、頭痛など風邪の症状と同じ状態になります。

動物由来の細菌で食中毒発生件数を、厚生労働省の発表を見ますと、最近は圧倒的に「カンピロバクター」の件数が多くなっています。

その次が「サルモネラ」で両方とも、鶏由来での鶏卵と鶏肉が感染源となっています。

この二つの病気は疫学調査が進んでる国のなかでは、日本より欧米での感染率と死亡率は高く、発展途上国では統計的に少ないです。

腹痛、下痢ぐらいではあまり病院には行かないのかもしれません。

ちなみにアメリカのサルモネラ被害を、CDC(病気管理予防センター)の発表をみますと、2012年度入院の患者数は19000人、死亡は360人との大きさに驚かされます。

もっともサルモネラ感染がすべて鶏卵や鶏肉ではなく、ピーナッツなどほかの食品が保菌していて発病したものと、怖いのは可愛がっているイヌ、ネコ等のペットから、またカメやヘビからの感染もさせられたケースも含まれます。

「カンピロバクター」についてイギリスの2007年の発表では、入院22000人、死亡110人とありますから、最近の人畜共通感染症の被害の中では群を抜きますし、そんな状態が毎年同じように継続していることが問題です。

この病原菌を鶏由来と言いましたが、ペットもブタ、ウシもこの病原菌は保有しています。

ことにサルモネラ菌は爬虫類、両生類などに多く、欧米ではこれらのペット動物から感染しているケースも多いです。

日本の死亡事故で社会的に話題になった「病原性大腸菌」の「O157]「O111]菌は、テレビ、新聞などに大きく取り上げられましたので、病原菌の名前を記憶している人が多いと思います。

これら食中毒を起こす細菌は保菌動物の、トリ、ウシ、ブタなどの家畜にはほとんど症状が出ません。

ただし動物の腸管内では増殖し、鶏卵の中、鶏肉の表面や内臓、ウシの肉はもとより肝臓その他の内臓に付着し、加熱調理が十分でないと容易に経口感染で腸炎を起こします。

ことに怖いのは「O157]などの菌は毒素を産出し、その毒素で出血性の腸炎が進行し重篤になることです。

といってこれらの病原菌抑制のため、家畜に薬品を使うことは、治療対策として獣医の許可のもと使用はできますが、基本的には法律で禁止されていますので、予防対策がありません。

そこで私たちは、サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌など、人畜共通感染症細菌の動物腸内での繁殖を抑制し、生産物への汚染を防ぐ有機的な生菌製剤を開発しました。

この製剤の生菌は納豆菌、乳酸菌のような安全性の高いもので、なお細菌の細胞壁を溶解する酵素を加えた混合飼料です。

この生菌酵素飼料を、配合飼料に混合し与えますと、人畜共通感染症以外の家畜、家禽の細菌症、原虫による発病も抑え、さらに少ない餌で肉、卵、牛乳を沢山生産することに役立っています。

それはとりもなおさず、無薬、無菌の肉、卵、牛乳を生産する目的で、市場の評価も高いです。

勿論家畜だけでなく、イヌ、ネコ、はじめ小鳥からハトなどに使用すれば、薬にかわる健康製剤として喜ばれ、糞の悪臭除去にも効果的です。

実際レース鳩の愛好家の多くが、飼育鳩の健康と病気治療のため、使用されています。

さて細菌ではないが、消費者に大きなインパクトを与えた病気に「狂牛病」があります。

通常「BSE」と呼ばれ、ウシの脳細胞が海綿状になる脳炎で、その原因がプリオンというたんぱく質に変質したことによるものと分かりました。

ただ問題なのは、このたんぱく質は煮ても焼いても揚げても変わらず、食べた人間の脳細胞たんぱく質が、プリオンにより海綿状となり脳炎を起こすことです。

1980年イギリスでウシに発症し、そのウシの残差物で作った飼料用肉骨粉を食べたヨーロッパ各国のウシが発病し、その飼料肉骨粉が日本に輸入され、2005年に我が国でもウシに発生しました。

アメリカも同時期に発生があり、大量に輸入されていたアメリカ産牛肉の輸入ストップとなり、有名牛丼チエーン店が販売を中止し、社会的話題が大きくなったのもこの「BSE」で、つい最近のことです。

このように畜産動物と私たち人間との間は、ある時は労働力として、さらに食糧として、居住を同じくしながら、深いつながりが人類の起源から続いています。

ところが同じような恒温の哺乳動物、または家禽なので、細菌もウイルスも原虫も、それを媒介する吸血昆虫なども同じように共通しています。

そこで人間と動物の間で共通する病気が発生するのです。

さらに申せばその治療法として開発された、病原菌、原虫を殺す薬剤までも、同じものが使われます。

それゆえさらに新しい問題が発生します。

これは人畜共通感染症対策の負の部分です。

ことに20世紀の大発明抗生物質や抗菌剤に対して病原菌やある種の原虫が、耐性を持ってきたことです。

耐性とはその薬の薬効作用に対抗する性質の菌に変わり、薬の効能効果が無くなることです。

それは薬の使い過ぎにより、細菌が自己防衛のために変身させてしまったからです。

ことに畜産動物への薬の使用が大きな問題になります。

現在世界中の、ウシ、ブタ、ヒツジ、トリ、アヒルなど合わせますと、世界の人口の10倍を上回ります。

その動物は経済性を求めて多量の抗生剤を継続的に使用しています。

それは人間が感染症対策で使用する何百倍の数量でしょう。

もし病原菌が人畜共通とすれば、その細菌は家畜感染により耐性を持つことがより早く容易となります。

さらに薬品漬けにされた動物の肉、卵の中には薬品が代謝しきれず残留します。

それを食べ続けた人間の体の中にいる隠れた細菌は、いつの間にか耐性ができてしまいます。

その人の体力が弱りその耐性ができた細菌が繁殖し発病した時、全ての薬剤の効果がなく、治療が困難になります。

この連鎖が、感染症ではないがもう一つの人畜共通感染症の隠れた恐ろしさと思うのは私一人でしょうか。

当然、世界の畜産界全体も気づき、また行政も薬事規制で対応しますが、病気発生の現場で働く生産者は、背に腹は変えられず薬剤使用に踏み切ります。

そしてその量が年ごとに増え、病原菌はますます対抗して強くなり、生産物への薬品残留はますます多く危険となります。

どこかで断ち切らねばなりません。

私の知る限りでも、発展途上国では薬剤耐性で薬品効果が減少し、前に紹介した私どもの生菌酵素飼料を使用したいとの申し込みがこの頃増えています。

やがては家畜と病気、薬品と耐性、畜産生産物の安心安全を求め、代替薬品的なものを求める時代となり、世界的にオルタネイティブ(Alternative)が大きな話題になるでしょう。

人間の英知が創造した薬品の数々が、ルールなしに使われた結果、単なる粉末にしかならない前に、さらに人間の英知で「人畜共通感染症」の感染予防対策を考えなければいけません。












人畜共通感染症の恐ろしさ(その2)

〜可愛い愛犬や猫ちゃん、小鳥が危険宿主〜
(怖いカビ毒は生活環境の周りにたくさん)


小学6年生の頃「田んぼや山の中に「ツツガムシ」と言う小さな虫がいて、
刺されると病気になるから気を付ける」と担任の先生から教えられました。

この「ツツガムシ」という虫の存在が、
農作業中や山林原野を歩いているときふと気になり、
ここは大丈夫なのかと心配もしたものです。

そんなこともあり「つつがなくお過ごしですか」と手紙で安否を尋ねる常套句は、
このツツガムシに侵されないでいることが語源と思い込んでいましたが、
安否を気遣う言葉は「ツツガムシ」とはまったく関係なく、
丈夫で病気をしない状態を日本語で「恙無く(つつがなく)」と表現することと後に知り赤面しました。

しかし実際は「ツツガムシ病」は列記として存在しているのです。

野ネズミに寄生しているダニが持っているウイルスと細菌との中間のサイズの「リケッチア」菌で、
そのダニが人間に寄生、咬まれると感染する、
多分に風土病的色彩が強く、日本でも過去は東北地方に多く発症が見られた病気のようです。

高熱が出て全身に紅斑ができ、重症感染者は臓器不全に陥る危険もあります。

ところが最近はペットのイヌ、ネコ、プレーリードックなどにもこのダニが寄生し、
それを通じ日本だけでなく東南アジア、オーストラリアなど外国を含めこの感染症の発病があるようです。

このリケッチアによる感染症はほとんどがダニなどの吸血昆虫が媒介し、
これがペットに寄生し、ペットを介在して人間に感染するようです。

ことに今のペットは家族の仲間、飼い主と濃密な接触が日常の行為、
室内で飼育されている状態が多いので危険がいっぱいです。

口移しで餌を与えたり、一緒に寝たり、抱きしめて頬すりしたりは、
ダニやノミを介さなくても、ペットが持っている病毒菌はたやすく飼い主を感染します。

また糞や尿の処理が悪く部屋を汚染させていると、部屋中が感染媒体にもなります。

実際、真菌の「イヌ、ネコ糸状菌症」イヌ、ネコの線虫による「回虫症」
イヌ、ネコにも罹病する「結核」「黄色ブドウ状球菌感染症」「連鎖球菌感染」
などペットに感染する細菌や寄生虫は、たやすく人間にも感染します。

ネコの爪のひっかき傷で感染する「猫ひっかき病」も、
ネコに寄生するダニによっても感染しますがこれもリケッチアです。

ひっかかれたところ、ダニに咬まれたところは、
赤く腫れ熱が出て全身倦怠などの症状も出ます。

同じようネコからの感染が目立つものにリケッチアの「Q熱」があります。

ネコは無症状ですが人間に感染しますと、発熱、疲労感、
関節痛などインフルエンザと見間違う症状が出ます。

「日本紅斑熱」もマダニで、イヌ、ウサギ、ネズミなど媒介して感染、高熱、
頭痛、赤い斑点が皮膚に発生する病気です。

人に感染すると脱毛になったり、皮膚にはかゆみが発症する「疥癬症(かいせん)」
もイヌ、ネコが脱毛を起こし、かゆみを発症し毛並みが乱れる症状です。

これもダニを通じて感染したもので、
ペットと飼い主の強度接触がもたらした双方に発症する疥癬症です。

それやこれやで、可愛い愛玩動物があなたの命を奪う危険動物に変身しないよう、
日ごろのペットの状態観察が大切で、
またペットの飼育環境を清潔にすることが重要です。

ダニではないが同じ吸血昆虫のシラミ(虱)によって伝染するリケッチアの
怖い病気に「発疹チブス」があります。

第二次大戦が終わり、戦場から引き揚げてきた復員兵がこのシラミを日本に持ち込み、
衛生状態の悪い戦災浮浪者など風呂にも入らず、
汚れたままの生活を余儀なくさせられていた人たちに、大量発生した記憶があります。

このシラミが保菌した「発疹チブス」菌に感染しますと、
高熱と全身に赤い発疹ができ、最悪は死亡することも多く、
シラミ対策にいまは使われませんが有機塩素系殺虫剤「DDT粉剤」を
頭からかけられた浮浪者をずいぶん見ました。

わたしも中学生のころ駅前で、駐留軍のアメリカ兵に強制的にこの粉剤を
あっという間に掛けられた経験があります。

有機塩素系は危険薬物で発がん性があり、今は製造も流通もしていませんが、
そんなことを知らない当時、シラミ退治の特効殺虫剤で有難がられました。

ただしこの発疹チブスは、イヌ、ネコ、ネズミなどを中間宿主にしないで、
人間そのものが宿主で、シラミが媒介昆虫となり、人から人へ感染を拡大させただけに、
終戦直後の混乱した世情を一層困惑混乱させました。

リケッチアではありませんが小さな細菌のクラミジアよる「オウム病」もあります。

これの媒介者はオウムだけでなく小鳥など鳥類が感染する病気で、
これも人に感染しますと、インフルエンザ症状の肺炎、
気管支炎の症状が顕著で発熱倦怠感など、厄介な病気です。

カビの仲間の真菌(糸状菌)も非常に危険な病原菌です。

病原性の危険な真菌の代表は「アスペルギルス」「ガンジダ」「クリプトコッカス」「白癬菌」などですが、
これらのカビ菌がペットに寄生しダニを通して感染する病気に「皮膚糸状菌症」があります。

「かいせん症」と違い、イヌ、ネコにはあまり症状が出ず、
人の皮膚に円形の紅斑ができてかゆみを発生させます。

この夏私の脇腹にできたかゆみを伴った赤い発疹を医者は、
この真菌症の「白癬菌のたむし」ではないかと診断し、皮膚を採取して培養、
顕微鏡検査を2回にわたって行ったが、菌が検出されなかったようです。

しかし、真菌対応の塗り薬で治ったのですから、
カビ性の皮膚炎だったのでしょう。

ただし、我が家はペットもいないし、
接触した記憶もないので感染原因がわかりません。

ちなみに、この白癬菌は「水虫」、頭に出る「しらくも」、
股間にかゆみを起こす「いんきんたむし」などがあります。

「クリプトコッカス」もカビ細菌により鳥類(ハト)や、
イヌ、ネコに感染保菌が多く、この動物を通して人に感染しますと、
鼻炎、肺炎から最後は脳炎にまで進行するので注意がいります。

「アスペルギルス」のカビ毒も困ります。

私も養鶏場を経営していた昔、同業養鶏場でこのカビ菌で鶏が呼吸器病を発生し、
大きな被害を出した現状を見ています。

この同業の友人は、飼料タンクに発生したこのカビ菌が鶏に感染したことも知らず、
鶏の管理を続けたので、いつの間にか彼の肺に浸潤し、
気管支炎からカビ性肺炎になってで長期間通院するようになりました。

餌に発生するアスペルギルスのカビの恐ろしさの代表が、
青カビの「マイコトキシン」の毒素です。

これを食べた家畜や鶏は、消化器官臓器に大きなダメージを起こし死亡しますが、
人間にもこのカビ毒は死亡事故を引き起こします。

このようなカビ菌は私たちの周りにたくさん存在し、酒を造ったり、
醤油や味噌の発酵に役立つ善玉有能カビもアスペルギルスの仲間で、
また青カビから発見された抗生物質「ペニシリン」はことに有名です。

ところが巷に跋扈する真菌類のカビは、肺炎や皮膚炎を起こす悪玉が多く、
免疫力や抵抗力が低下した人や、乳幼児などには容易に感染、アレルギー症状を含め、しつこく病状を発生させます。

また生息場所も土の表面や土壌中、あるいは植物や動物と食物、
そして建物から部屋の中、風呂場からキッチンなど湿気の多いところは大好きであらゆる所に生存します。

またカビはダニの好物で、それを餌にダニは増殖、
そのダニはカビ菌を持ったままペットを経過しなくても、
あらゆる機会に直接的に人間に被害を与えます。

土壌と言えば土壌菌の中にも怖い菌が潜んでいます。
代表的なのは「炭疽菌」と「破傷風菌」で、
ともに人畜共通感染症で同時に家畜の法定伝染病として届け出を必要とする伝染病です。

「炭疽菌」は空気の好きな芽胞菌の「バチルス属」で強い菌です。

草原の中で芽胞(カプセル)の中で長期間生存も可能で、
牛や羊などの草食動物のお腹の中で繁殖し、
排泄物で土壌と草むらなどに循環されています。

「炭疽菌」が動物に感染しますと、敗血症を起こし死亡率が高く、
さらに動物を通して人間が感染しますと、まず皮膚に炭疽菌が付着し炎症を起こし、
リンパ腫瘍から最後は敗血症で生命の危機にもなります。

「破傷風」は「クロストリディウム テタニ菌」による毒素で、
強烈な症状が起きる感染症です。

この菌は空気の嫌いな芽胞菌で土壌の中にかなりの割合で生息し、
環境変化にも強い菌です。

ことにこの菌は傷口などから感染しますと、発熱から脳、脊髄の神経を犯し、
筋肉の緊張、顔面硬直麻痺を起こす神経毒素により到死率が高いです。

家畜も同様な感染経路と症状で、死亡率が高いのが特徴です。

「破傷風菌」の仲間には「ポツリヌス」「ウエルシュ菌」など毒性の強い菌が多く、
鶏の腸管に発生するウエルシュ菌は壊疽性腸炎を引き起こし
多大な損害を与えます。

私もブロイラー鳥の原種農場を経営しているとき、このウエルシュ菌、
クロストリディウム パアフェリンゲンスに感染し、高価な原種系の鶏を多数死なせ、大損害を被りました。

これらの真菌と土壌菌は、動物と人間の生活圏の間近に存在し、環境変化にも強く繁殖能力も旺盛で、
隙あらば動物と人間にいつでも危害を加える共通の感染菌で、
撲滅が難しい菌です。

次回は細菌による感染症と特殊な人畜共通の感染病に触れましょう。




人畜共通感染症の恐ろしさ(その1)

〜エボラ出血熱から鳥インフルエンザまで〜
(ペット、家畜、吸血昆虫からの感染症)


「人畜共通伝染病(Zoonosisズーノーシス)」と言う言葉は、前回、我が家の
ハクビシン騒動顛末のなかで使いました。

動物から人間へ感染する伝染性の病気の総称です。

犬、猫、小鳥などのペット、牛、豚、鶏などの家畜、ネズミ、サル、ハクビシン、蝙蝠等の野生動物、蚊、蚤、ダニなどの身近に生息する吸血昆虫などが持つ病原菌が宿主となって人間に感染し、深刻な病気を発生させることを「人畜共通感染症」とか「動物由来感染症」といいます。

ハクビシンも11年前中国で発生した恐ろしいSARS(重症急性呼吸器症候群)発症の中間宿主として、ウイルスを伝播(でんぱ)させた「動物由来感染症」の張本人として処置された過去があります。

ご承知のよう、地球上には私たちの目に見えない微生物や微小動物がたくさん存在し、その中には病原性を持ったウイルスや細菌、原虫、寄生虫などが、自分たちのコロニーを増やすため、適当な動物や植物に寄生し繁殖しています。

その病原体は機会があるごとに、繁殖条件の良い宿主動物に乗り換えることが生業で、最終的に恒温動物で免疫力の弱い人間に寄生することで大繁殖し暴れます。

その前の感染保菌宿主がペットだったり家畜だったり昆虫だったり人間の身近に存在、その動物を介してたやすく感染するのです。

いま世界で大問題になっている「エボラ出血熱」も蝙蝠のウイルスがサルに感染、宿主になったサルから何かの機会に人間に感染、そして人から人へと容易にウイルスが伝播し、完全な予防法と治療法がないまま、患者が増え死亡者が続出する所から、世界の保険機構を悩ましています。

まして、ウイルスの感染速度と拡大は、人間の移動の速さと行動範囲の大きさに比例します。

たとえば西アフリカで発生した「エボラ出血熱」にしても、アフリカはもとより欧米諸国からアジア、中東、中南米、オセアニアまで、人間の往来がある以上は感染の危険度はどの地域も同じです。

これと同じ潜在的に恐怖をもたらしている「人畜共通伝染病」のひとつが「鳥インフルエンザ」ではないでしょうか。

ご存知のよう、ここ数年前から世界の養鶏産業に多大な損害を与え、ことにアジア地区では、多くの人命が、このウイルス感染症で失われています。

10年前大問題になった「SARS」は終息し、ウイルスの影も見えませんが「鳥インフルエンザ」は現在でも、いろいろな形を変たウイルスとして残存、世界各地で鶏や水禽に被害をもたらしています。

ことに最近中国などで発生しているH7N9タイプのウイルスは、過去流行した強力なH5N1と異なり、鶏には顕著な症状が発生せず、いつの間にか人間に感染する忍者のようなウイルスで、もしこのウイルスが人に感染し、人型ウイルスに変わった時、人から人への感染が容易になり大発生となり、世界中をパンデミック(Pandemic)の恐怖に陥れるか分かりません。

ウイルスの発生原が鶏で、世界中には何百億羽と飼育されているだけに防ぎようがなく、さらに困ることは、渡り鳥はじめ各地方に常住している野鳥がウイルスの伝搬役割をするので、この病気の解決はますます困難です。

鶏の法定伝染病のひとつ、ウイルス病の「ニューカッスル」があります。

鶏にはインフルエンザと同じよう呼吸器障害で死亡率が高いですが、人間は呼吸器感染はなく目にウイルスが入ると結膜炎を引き起こします。

ウイルスの怖い伝染病のひとつに「HIV エイズ」があります。

この病原体もチンバンジーのウイルスが、人間に伝播したものと伝えられています。

この病気もアフリカの風土病的色彩が強かったものが、動物の生存地域まで開発という名のもとに人間が侵略し、容易にこのウイルスに感染、さらに人間交流の拡大により、世界的に感染を広めました。

ことにこの病気は、人間同士の生殖と生理的欲望の行為が、感染拡大と伝播の元凶ですから深刻です。

これらは代表的なウイルス病ですが、古典的なウイルス病に「狂犬病」があります。

この病気は犬と人間に同じような症状が発生、犬は狂い昏睡して死に、人間も神経症になり昏睡状態で死にます。

しかし日本では、飼育犬の狂犬病予防のワクチン摂取徹底で、この病気の心配はありませんが、開発途上国などへの旅行ではまだまだ注意が必要です。

そのほか蚊から伝染する「西ナイル熱」同じ蚊からの「日本脳炎(ポリオ)」1999年マレーシアで話題になった豚からの感染の「二パウイルス」は人間に脳炎を発生させます。

この夏、東京の代々木公園散策で発症した「デング熱」も蚊が媒介し、秋になっても蚊取り線香がよく売れて話題になりましたが、これは熱帯病のひとつで、赤道に近いところでの発症が常識でしたが、近年の温暖化により、亜熱帯以北の国々でも発生が多くなっています。

熱帯病で有名な蚊から伝播する病気に「マラリア」がありますが、これはウイルスでなく原虫病です。

原虫が血管に入り、赤血球を破壊し高熱に侵されますが、困ることにマラリア原虫は患者の中に定着し、媒介の宿主になることです。

このように人畜共通伝染病の中には、原虫や寄生虫などによる疾病もかなりあります。

家畜と関係の深い疾患に「トキソプラズマ」と「クリプトスポロジューム」があります。

この二つとも原虫によるもので、「トキソプラズマ」は妊婦に感染した場合、流産や胎児に先天的障害が起きますので危険です。

豚肉や牛肉の生肉からの感染が話題にされますが、猫なども中間宿主で糞の中にこの原虫のオーシスト(卵)が排泄され、その感染危険度は生肉より高いでしょう。

「クリプトスポロジューム」は5ミクロンくらいの極小の原虫で、ネズミなども宿主ですが、牛、鶏などの糞便を通じ土壌や飲水が汚染され、地域住民に下痢などの集団中毒を起こした事件が各国にあります。

現在でも日本の乳牛と肥育牛の畜産農場ではこの病気に悩まされています。

ことに鶏や牛などに感染するもう一つのコクシジュームという原虫病や、クロストリジューム菌などと合併し発病しますと、血便と下痢便発生で死亡事故も含め被害が大きくなります。

「クリプトスポロジューム」には特効薬がありません。

唯一この3種類の原虫と細菌を殺し治療できるのは、私どもが取り扱っている生菌剤と酵素で、ことに仔牛の斃死を防ぐ実績では世界一で、日本でも予防治療に使われます。

ちなみにこの生菌剤は安全で、人畜共通伝染病の代表、サルモネラ菌、大腸菌O157、カンピロバクターなどの食中毒菌にも効果があり、薬事法で薬剤が使えない鶏卵生産農場では、産卵期間中の病気対策に多く使われていますので、日本産の卵は生で食べても安心です。

さて寄生虫の感染に「エキノコックス」があります。

キタキツネが中間宿主で、それゆえ北海道に発病者が多くいます。

もとより犬にも寄生する条虫の仲間で肝臓障害を起こします。

有名な犬の病気「フィラリア」も原虫病で、蚊などによって伝播しますが、人間にも感染して下痢症状や胃腸炎を起こします。

「アニサキス」は淡水魚から感染する線虫の回虫症です。

魚類からの感染はほかに「肺吸虫症、肺ジストマ」「肝吸虫症、肝ジストマ」鮭や鱒から感染する条虫の「サナダ虫」など、動物以外の魚の生肉(刺身)からの感染も注意が必要です。

日本人は生ものが好きで、生卵から魚の刺身や魚卵、はては牛や豚の肝臓の刺身や鳥や鹿の生肉、スッポンや蛇の生血など、私も過去にこれらの食品を喜んで食べていました。

今でも生卵と魚の刺身は大好物ですが、いずれにしろ絶対安心はないと思います。

ことに動物の生肉と血液や内臓は危険度が高く、寄生虫、原虫の感染だけでなく細菌性の病気の感染はもっと深刻です。

ですから加熱しない生肉や血液は食べないことです。

今回はその危険度の高いウイルスの感染症と、吸血昆虫などの蚊と原虫、寄生虫の感染症を紹介しましたがまだすべてではないです。

また動物由来の病原菌には細菌、真菌(カビ)、リケッチア、プリオンタンパクの狂牛病など沢山ありますが、これらは後半に紹介しましょう。


サルモネラ菌

〜全世界で発病させる食中毒菌の代表〜
(汚染鶏卵は養鶏場の責任、4500万円の賠償金)


3年ほど前2011年8月、宮崎県延岡で発生したサルモネラ食中毒事件で、死亡した70歳代の女性の遺族が、死亡原因になったサルモネラ菌汚染の鶏卵を販売した、生産農場を相手に訴えた裁判が、今年の3月結審しました。

被害者側の訴訟通り、判決内容は加害者の農場の有罪となりました。

その決め手になったのが、鶏卵のサルモネラ菌汚染が立証されたからです。

この事件は2011年8月2日に食料スーパーから買った卵を、8月5日に納豆やオクラと混ぜて夕飯に食べ、一家3人が中毒症状となりその中の1人が死亡した事件です。

食中毒の原因が生の鶏卵にあったと判断した遺族は、食べた卵の殻と、冷蔵庫に保管していた未使用卵と包装されているパックを保健所で検査してもらい、そのすべてからサルモネラ菌が検出され、生産農場の衛生管理に問題があったと断定できたのです。

なお判決には、生産者責任の重大過失を認め、被害者に4500万円の賠償金を支払うよう命じました。

この判決は養鶏業者に強い衝撃を与えました。

それはほとんどの養鶏場もサルモネラ菌皆無と言えず、それを鶏肉から無くすことは、かなり困難であることを知っているからですからです。

そもそもサルモネラ菌は鶏卵だけでなく、鶏肉にも豚肉にも牛肉にも、時により野菜や果物、加工食品などからも検出され、さらにペットの犬、猫、小鳥なども危険ですし、ことに爬虫類の蛇やカメなども多く保菌します。

野外に生息する、野ネズミ、野鳥、ゴキブリ、ハエなどもサルモネラ菌の運搬動物で危険です。

種類も2000種以上あり、その中で鶏卵や鶏肉から検出されるものは20種ぐらい、なかでも腸炎サルモネラ菌(S.Enteritidis)とサルモネラネズミチブス菌(S.Typhimurium)、サルモネラインファンテス(S.Infantis)が多く感染しています。

人間の法定伝染病の腸チブス、パラチブスも同じサルモネラ族です。


日本養鶏協会の発表では、現在の鶏卵は0.03%ぐらいの陽性率と言います。

農水省の発表は0.2%と食い違いますが、いずれにしろ10年前から見ると100分の1ぐらい少なくなっています。

この日本の陽性率は非常に優秀で、汚染の少ない優秀国と言われるデンマーク、スウェ--デンでも1%の汚染率ですし、アメリカやEU諸国も2−5%ぐらいの陽性率、あるアメリカの研究機関の調査では中国やベトナムなどは30−50%という報告もあります。

日本が少なくなった要因は、衛生管理に対する生産者の熱意と、サルモネラワクチンの使用もあったからでしょうが、生卵を醤油と一緒に混ぜて、炊き立ての熱いご飯にかけて食べる「卵かけごはん」に適用する卵を作ろうとの目標も馬鹿にはできません。

ただし日本養鶏協会の0.03%の汚染率と言っても、1万個当たり3個の陽性卵で、100万個ですと300個になります。

もし1日1000万人が、好きな「卵かけごはん」で生卵を食べたとしたら、3000人の人がサルモネラ菌汚染の卵を食べたことになります。

1年間を統計的に見ますと、100万人を超える人が汚染卵を生で食べたことになります。

だがサルモネラ食中毒の患者はそこまで出ません。

1990年代は10000人からの感染が報告されていましたが、最近は300人台です。

というのは、卵が汚染されていても、菌数が少なければ食中毒症状は出ません。

少なくとも菌数が10万個から100万個ぐらいにならなければ、劇症感染にはなりません。

日本は1998年に食品衛生法が改正され、鶏卵の安全の表示基準と規格基準が取り決められ、外気温度と低温流通と低温販売施設などの条件により、消費期限と賞味期限が設定されました。

現在日本の現状は、生まれた卵は傷卵や卵の中に異物があると光で透視して除かれ、正常なものはすぐに塩素系の消毒液で洗浄され、大きさ別に選別し10個入りのプラスチックパックに詰め込まれ、冷蔵室で管理する、パッキンググレーディングセンター(包装規格選別工場)で出荷まで貯蔵されます。

出荷も生産された当日か翌日には、保冷車でスーパーマーケットに運ばれ、店先では保冷棚に陳列され販売されますので新鮮です。

また春夏秋冬の温度差により、表示する鶏卵の賞味期限が決められます。

冬に生産された鶏卵は10℃以下で流通、販売管理されれば57日間。

夏の暑い時期の卵は、平均温度27℃として16日間の賞味期限。

春と秋は平均20℃として25日間と決まり、パッケージに生産者名で賞味期限が印字されています。

ただし政府は生で食べることへの危険性も表示し、過熱を推奨しますが、日本の卵好き人種は低温流通され規格が守られている、産卵から2週間以内の卵は安心して食べます。

というのも、汚染卵も15℃以下の温度で保管された卵は、菌が存在しても卵の中で増殖していないことを知っているからです。

それゆえ、宮崎で起きたサルモネラ感染事件は、すでに養鶏場で強度感染されていたか、または8月の暑い盛り割卵してから食べるまで、かなりの時間が経過し菌が増殖していたかどうかです。

ただ今回は、冷蔵庫に保管されていた同じ卵からもかなりの数の菌が検出されたことが、絶対的証拠になったようです。

さて、ご存知のように卵は生き物です、卵殻には細かい穴があり、そこを通して呼吸をしています。

もし雄の精液が掛かった受精卵なら、38--40度で21日間保管すれば雛が誕生する生命体です。

温度が30度を超えた条件になると、サルモネラ菌が繁殖する培地としては、タンパク質の塊で栄養充分で水分もある卵の中は最適です。

それだけに温度管理が大切です。

ところが東南アジアや台湾、韓国などの卵の流通状態を見ますと、卵トレーに入れたまま箱にも入れず、覆いもしないでトラックに積み込み、太陽が直接卵に当たり、温度が上昇するのも構わず運搬し、そのまま食品店の店頭にむきだしのままに置かれて販売されています。

低温管理がされない流通と販売システムです。

生まれたての卵にサルモネラ菌が10個入っていたとしても、生まれてすぐに低温管理されて、貯蔵運搬されれば、菌は増えませんが、真夏の30℃超えた温度で10−20時間経過しまと、菌数は驚くほど増えています。

菌は30分に一回ぐらいの割合で倍増しますから、10時間経過で1千万の菌数になりますから、生で食べたら完全に急性中毒になります。

もしサルモネラに感染しますと、潜伏期間の12時間を過ぎると腹痛が始まり発熱嘔吐、黒緑色の水様状態の下痢と時には粘血便ともなります。

これらの症状はサルモネラが腸内で繁殖するとき出す毒素のエンテロトキシンが原因で、この毒素のショックで死亡するケースが多いのです。

ただし日本人はじめ東洋系の人は、サルモネラ中毒には強いのか病院まで運ばれる中毒患者が少なく、さらに死亡者も少ないです。

統計的に掌握していないのか、少しぐらいの症状では、病院に行かず市販薬で治してしまうのか、発病が統計的には少ないです。

もっとも加熱して食べるので少ないかもしれません。

しかし同じよう生卵を食べる習慣のない、欧米の発生率はすこぶる高いです。

アメリカの病気管理予防センター(CDC)の報告を見ますと、確認できたサルモネラ食中毒で19000人が発症し、そのうち380人が死亡しています。

同じCDCの2012年の発表では、10万人当たり16.42人のサルモネラ感染と言いますから、3億5千万人口で考えると6万人近い数字になります。

未確認の患者は恐らく120万人、450人ぐらいが死亡していると推定している報告もあり、治療に掛かる費用と人的マイナスを考慮すると、3億65百万ドルの損失になると発表もしています。

ヨーロッパ諸国も同じようにサルモネラ対策に頭を悩まし、サルモネラ(ST、SE)保菌種鶏は淘汰するよう規制がありますが、なかなかその通りにはいかないようです。

個人的見解ですが、日本でこのサルモネラ菌が鶏から発生するようになったのは、戦後ヨーロッパから輸入された種鶏からと考えていますので、そもそも欧米諸国が菌の輸出拡販国だと思います。

それはさておいて、とにかく養鶏場ではサルモネラ汚染を防がなくてはいけません。

その中でことに種鶏場の責任は重いので雛がサルモネラ菌を持参して、採卵養鶏場やブロイラー生産者に販売されないことが重要です。

これも手前味噌ですが、15年前ごろ鶏卵が原因でサルモネラ中毒患者が続出したころ、薬を使わずサルモネラを抑制する生菌飼料を考え、台湾のある研究所にお願いし開発した生菌飼料が、日本ではかなりの成果を上げたと自負しています。

こんな目に見えない地道な努力は、一般にあまり評価されないが、とにかくきれいな雛と卵を作ろうという気持ちは今でも継続しています。

いま日本はワクチン使用が増え成果も上がっているようですが、根本的には皆無になりません。

基本的には養鶏場に「菌を入れない、増やさない、やっつける」を実行していかなくてはいけません。

その暁には、サルモネラだけでなくカンピロバクター、病原性大腸菌の被害が皆無になるでしょう。

それと畜産物も食品であり、消費者に危害を加えない認識を強く持った生産者が増えてくることを願います。

ことに卵は安い商品の代名詞「物価の優等生」ですが、安全安心のためにかかったコストを消費者が認めてくれることをお願いしたいものです。



〜養鶏と養豚を襲った怖いウイルスの病気〜
(輸入豚肉、鶏肉と戦う安心安全の国産肉)


--渡り鳥が運んだ鳥インフルエンザウイルス--

4月14日朝、各局のニュース番組は一斉に、熊本県で発生した鳥インフルエンザのニュースを大々的に取り上げていました。

この病気についての改めての説明は必要ないほど、人間への感染も心配される恐ろしい、鶏のウイルス性伝染病との知識は大多数の人が持っています。

それだけに、たかが地方の養鶏場で発生した鶏の病気に全国の放送局がヘリコプターからの空撮中継も含め、多くの取材陣をつぎ込んで放送する事件であったのでしょう。

鳥インフルエンザは「法定伝染病」の一つで、行政は法的処置を実行して病気拡大を防ぐ務めがあり、今回も発生農場と同じ経営系統の農場含め、報道によりますと11万羽以上のブロイラー鶏を強制的に殺処分し埋没したようです。

というのも、この農場が震源地となって、感染鶏からウイルスが各地に伝搬し、連鎖的に大発生につながることを恐れ、ウイルス保菌の疑いがある同農場の生きている鶏を含め、早急に撲滅することが防疫の手段として分かりやすいからです。

同時に半径3キロから10キロ圏内の養鶏場の鶏肉と卵は、圏外に移動することを禁止しました。

例えが悪いですが、火事の火元になった鶏をすべてなくす、またその周囲はすべて危険があるので、火の手が広がらないよう封鎖する、まさに江戸時代の破壊消防の手段と同じ方法と言ってもいいでしょう。

これは疫学的な調査や、この農場に伝搬してきた経路の解明、防疫上の的確な処置と実行など科学的な処置と診断は後回しで、とにかく殺すことで感染リスクを取り除き、生産物の移動を禁止することでウイルスの伝搬を防ぐ非科学的な手段しかないというのが実情でしょう。

それだけこの病気のウイルス侵入経路と感染原因が掴みにくく、防疫の方法が難しい病気ということになります。

実際、なぜ唐突としてこの人里離れた養鶏場でインフルエンザが発生したのか、目下は誰もわかりません。

多くの識者は、渡り鳥によるウイルスの伝搬だろうとの見解を示しています。

私もその説に異論はありません。

過去この地域にインフルエンザの発生経験はないですし、ウイルスもいないはずですが、3年前にはお隣の宮崎県では突如発生、大きな損害を起こしていますが、その原因が渡り鳥による感染と結論つけられています。

しかしどこから渡ってきた渡り鳥か?となると断定は難しいです。

また渡り鳥と言っても、北方、南方から、日本には沢山渡ってきますので、どこから来たウイルスかの判定は難しく、またそれがわかったとしても、対策がなかなかありません。

また渡り鳥が鶏舎の中に直接飛び込んで、ウイルスを感染させたとも思いません。

となると渡り鳥の落とした糞などを、ついばんだ地域に生息する野鳥かネズミなどが鶏舎に持ち込んだのかもしれません。

あるいは知らないうちに、その糞が農場管理者の衣服か履物について農場に運び込まれたか分かりません。

今回もウイルス株の遺伝子解明を待って、どこから飛来したものかの推測をしたようです。

このウイルス株は今年韓国で発生したH5N8株と判定され、韓国からの渡り鳥説が有力となりましたが、あくまで状況証拠で確定できません。

ところで原因ウイルスが分かったといっても、そのことは養鶏家にとってあまり意味がありません。

なぜならば、ウイルスが分かっても、それに対応するワクチンも薬品もないからです。

感染を防ぐ方法は、渡り鳥はおろか野鳥も野ネズミも絶対侵入しない完全密閉型の鶏舎を作ることが唯一の防御対策です。

しかし建設には膨大なコストがかかり、それを償却するだけの利益はなかなか出ません。

まして目下、海外から安い鶏肉の輸入攻勢にさらされている日本の鶏肉産業だけに、コスト引き下げが生き残れる絶対条件で、産業として防疫だけに大きなお金をつぎ込む余裕はないようです。

そんな苦境の産業ですが、日本産の鶏肉の安全安心は守りたいと、抗生物質はじめ薬剤を使用しない薬品残留がない鶏肉と、食中毒を起こす鶏由来の病原菌、サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌などの汚染肉を作らない努力をしています。

ただし薬を使わずに、無薬チキンを作る努力は、病原菌感染の危険と隣り合わせです。

そのように懸命に頑張っている養鶏場へのインフルエンザ感染ですから可哀そうです。

ただ今回は行政の命令処置で、全群殺処分ですから、殺した鶏への金銭的補償はあるでしょう、それは法定伝染病の規定にのっとた処置です。


--日本全土に発生したウイルスによる豚流行性下痢症--

ところが、昨年10月から九州南部で発生し、いまや全国に大々的に感染被害をもたらしているウイルス病の「豚流行性下痢(PED)」で何万という子豚が死亡、淘汰されていることを読者はご存知でしょうか。

畜産界全体から見ましたら、この損害の方が鶏インフルより圧倒的に大きく、また経営的に養豚農家を追い詰めますが、被害豚への金銭的補償はありません。

この病気は法定伝染病でなく、届け出伝染病の規定の中にあるので、行政の指導で殺したり豚移動禁止の命令はなく、当然養豚場の管理マインドに任せます、ですから補償はありません。

病気の発生があったら迅速に当該家畜保健所に届け出る義務がある病気で、保健所は臨床診断と疫学調査のうえ病気の判定と、適切な対策を指示しますが、それ以上ではありません。

この病気のウイルスはことに生まれたての仔豚に強烈な下痢を起こさせ、脱水症状で死んでいきます。

哺乳中の豚(㈵日−21日)の死亡率は、50%、あるいは100%という激しいものです。

それだけに仔豚に発生したら、適切な治療法がなく、みすみす死ぬのを待つだけです。

当然親豚にも、30日週齢以降の肥育豚にも感染しますし、下痢や嘔吐で食欲不振があるが、大きくなった豚は抵抗力があり発育は遅れますが、死亡は少ないようです。

たまたま私は昨年12月中旬、南九州宮崎県の養豚場を何軒かを訪問しましたが、奇しくもこの病気の発生現場付近を巡回することになりました。

すでに鹿児島にこの病気の発生があり、その感染が宮崎県に飛び火した日でした。

「1週間前は鹿児島の2軒だったが、今週は宮崎の養豚場にも感染、おそらく10農場ぐらいは発生するだろう」と、面会した養豚会社の社長は深刻な顔でした。

そのとき面会予定の大手養豚場の獣医は、PED発生対策のため緊急な獣医師会が開催され、面会できませんでしたが、同じ農場のサブ獣医の話では、潜伏期間が14日ある病気のようで、子豚が生まれてすぐに症状が出ているのは、母親の胎内で感染したことになります。

何れにしろ難しい病気で、唯一母豚にワクチンを接種することで、子豚に移行抗体を持たせる防御法しかないようです。

ところが日本国中で大発生するまで、ほとんどワクチン接種はなされていなかったという現状です。

というのもここ20年近くこの病気の感染は皆無で、その心配がなかったのが要因です。

これは油断です。

昨年3月頃からアメリカで大発生し、30州にまたがり6,000近い農場が感染し400万頭を超える被害の事実があり、また中国では2010年以降継続的に全国で発生していましたし、お隣の韓国、台湾、東南アジアでも発生の事実がわかりながら、対策が取られていなかった、まさに油断です。

養豚関係の報道は、PED発生ニュースよりも、TPPの豚肉輸入の関税の有無の方が関心が高く、報道機関もそんなニュースばかり流しました。

さらに法定伝染病の口蹄疫や鳥インフルエンザの方が話題性があり、殺処分などで華々しく関係者が、白衣で動き回る方が映像になりやすいのでしょう。

しかし実際今回4月19日現在で、31の道と県で発生し、感染豚数は約30万頭、死亡淘汰で8万頭の数字が農水省に届けられていますが、その陰で勝手に処分したものも考えられ、実際の損害はもっと大きいと思われます。

さらにまだ完全に終息していませんので、今後この数字は残念ながら伸びます。

仔豚の被害が多いですが、仔豚の価格評価は小さいので、直接的金銭損失は少ないように見えますが、もし8万頭の豚が、肉となって市場に出る前提で計算をしてみますと、枝肉で5千万キロの生産損失で、金額で200億円以上となります。

また死亡しない感染豚の生産効率の悪化や、母豚の新しい仔豚生産中止、また防疫対策にかかる費用など計算に入れますと、おそらくこの3〜4倍の損失となるでしょう。

さらに潜在的な損失は、仔豚生産のサイクルが完全に狂い、全国で何百万頭もの生産減になり、これにより豚肉価格の高騰は避けられないかもしれません。

ただし日本の豚肉の50%は輸入肉が占めていまして、日本市場が高いとなれば、アメリカなどから輸入洪水となって相場を冷やします。

しかし今回は輸入先の大手、アメリカ、カナダも同じPEDの被害を受けていますので、生産減となり輸出余力があるか分かりません。

しかしこれは一時的なもので、アメリカ、カナダからの輸入豚肉は恒常的に、TPP締結以後は雪崩を打って日本市場を蹂躙するでしょう。

今までは関税の障壁で国内産業を守ってきましたが、目下関税率の相違を調整する交渉が進み、大幅な引き下げとなったら、今後の日本の養豚産業はさらに厳しい道を歩かなくてはならず心配です。

そのうえPEDのような病気の侵入で大損害を出しては、たまったものではありません。

残された道は、鶏肉同様抗生物質を使わない、安心安全な豚肉生産と、美味しい新鮮な国産肉の優位性で勝負することが肝要ででしょう。

今回のPED感染で私どもへの朗報と言えば、私たちが販売している生菌酵素製剤が、下痢症状の緩和と早期の病気回復に役立ているとの、感染農場からの報告があり、薬品で解決できないウイルス感染症の豚の、腸管健康回復にプロバイオティック(生菌剤)が有効なことが考えられました。

さらに鶏も豚も健康は消化管の健康が第一番、腸管を健康にし腸管免疫を高めることで、薬を使わない生産物を作る運動を推進しています。

それが唯一の輸入肉に勝つ方法と信じているからです。

最後にお断りしますが、この豚流行性下痢PEDウイルスは、人間には何の影響力を持ちませんので、ご安心ください。

鶏や動物が病気にかからない方法

   〜高い抗酸化力が免疫力を一層高くする〜
(世界の研究者が認めた、天然有機酸フルボのウイルス抑制の力)


鳥インフルエンザが話題になっていますが、鶏にしろ豚や牛など家畜といわれる動物には、人間と同じように様々な病気があります。

ただ一般紙やテレビなどで報道もせず、また人々の間で話題にならないのは、直接人間の生活を脅かす病気が少ないからです。

そのなかで鳥インフルエンザが話題になるのは、そのウイルスが人間にも感染し死をもたらすからで、報道機関も神経質にパンデミックス(世界的流行)の可能性ありなどとオーバーに騒ぎます。

もっとも1919年流行し2300万人が死亡したスペイン風邪が、鳥インフルエンザの変異株ウイルスではなかったかと推察されますので、その轍を踏まないためにも、万全の注意と対策が必要なのでしょう。

その対策の優先順位は、まず第一原因である鶏へのウイルス発生と、拡大感染をさせない対策が必要なのではないでしょうか。

それにはどうしたらよいか、養鶏産業人の間でもこれは深刻な問題として、たえず討議が交わされています。

実際、わが国でもここ10数年の間に、数度にわたり鳥インフルエンザの発生で、多大な被害を出しています。

ご承知のようにこの病気は、「法定伝染病」で発生の農場は速やかに行政機関に報告、感染拡大を防ぐため隔離し、状況によっては発生鶏はもとより、その可能性がある未発生の健康な鶏まで、全群殺処分し、ウイルスを絶滅する対策が採られます。

手塩にかけて育てた鶏を、自らの手で殺さねばならぬ養鶏業者の心情をお考えください、経済的打撃だけでなく、精神的打撃も想像に余りあるものです。

鳥類の鶏だけでなく、哺乳類の牛、豚などの法定伝染病の「口蹄疫」の発生でも同じ条件で殺処分されます。

4年前に発生した宮崎県では、その被害からまだ立ち直れない畜産農家が大勢います。

可哀想なことですが、法律の下に被害拡大を防ぐ緊急の処置としては、やむを得ないのかもしれません。

こんな被害を出さないためにも、病気に罹らない家畜の体質と環境状況を作ることを私は勧めています。

もとより私に限らず、畜産に関与している全ての人の常識です。

農場の衛生管理を充実し、健康な鶏と家畜を育てることが、病気を防ぐ第一手段で、その直接的対策としてワクチン接種による免疫抗体産生と、機能性ある飼料などによる自然免疫の付与があります。

ただしご承知のよう、鳥インフルエンザも口蹄疫のワクチンも、日本では許可されていません。

そこで免疫力を高め、病気に強い家畜を作る方策を考えましょう。


前回私は、自然治癒力、自然免疫系の切り札として、腸管免疫のことをお話しました。

その中で家畜や鶏の体に自然免疫抗体価を高く付与するには、腸管の働きを活性化させるのが大切で、それには与える飼料の中身に腸管を活性化させる物質の添加が必要と書きました。

その代表がプロバイオティック(生菌剤)とプレバイオティック(善玉菌活性剤)です。

プロバイオティックは乳酸菌や枯草菌(納豆菌)、ビフィズス菌など、直接に腸の中で善玉菌的働きをしたり、さらに私どもの生菌剤のよう、積極的に消化酵素を出したり、悪玉菌を殺す酵素を産生するなど、優位に働く生菌剤が望ましいです。

一方、プレバイオティックは腸内既存善玉菌の栄養となり、活性を高める機能性のある物質です。

糖類ではオリゴ糖、タンパク質ではペプチドと酵素、ビタミン剤とミネラル類、さらに私どもが推奨している天然有機酸のフミン物質、フルボ酸などがあります。

フミン、フルボなど聞きなれない名前ですが、隠れた健康増進と、免疫促進の物質で、世界の研究者の論文などを検証しますと、さらに積極的な研究成果として、ウイルスそのものに対する抑制効果が高い検証があります。

この天然資源の特徴は優れた電解質物質、すなわち電位を持ったイオン物質で、あらゆる生命体である動物、植物、微生物などにまで優位に働いて活性化する機能が高いです。

その逆に有害微生物やウイルスなどを抑制する特質を持っています。

ことに腸管の中では、各種栄養素の分解吸収の促進と、酵素や善玉菌の働きを活発にし、難吸収性のミネラルをキレーション(挟み込む)して体内に取り込む働きは抜群です。

とくにフルボ酸は低分子物質で細胞浸透性がよく、体内の各細胞に行き渡り、血管を拡張し血液循環の正常化、臓器の活性化、体内の酸素活用の活性などいろいろな機能がありますが、ことに目立つ働きは、高い抗酸化力物質であるという研究者の意見です。

その研究の中で面白いのは、病原性ウイルスタンパク質にフルボ酸が吸着し包み込み、ウイルスが細胞の中で増殖することと、複製を作ることを防ぐ働きがあると思われると発表していることです。

さらに、HIV(エイズ)、SARS(サーズ)のウイルスに対し、研究所インビトロのテストでは抑制効果が確認され、また高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)発生の鶏へのフルボ酸液の注射により、発病を抑制できたレポートもあります。

また豚の口蹄疫対策に、獣医学的治療法として、この天然有機酸が使用されたこともあるようです。

また実際の話として、韓国からの報告では、2011年発生の口蹄疫の治療に、フルボ酸撒布消毒と飼料添加による対策を施し、効果があった報告もあります。

そのような論文や報告から、このフルボ酸が鳥インフルエンザウイルスの感染した鶏の体内で、ウイルスの増殖を抑制する働きが可能なのではと期待したくなります。

これは直接的に効果をもたらす働きですが、その作用は顕著でなくても、健康体を作り自然免疫抗体の増強による発病抑制の効果は期待できます。

この機能は、ウイルスだけでなく伝染性の細菌感症に対しても、強い自然治癒力となって働くことは言を待ちません。

さらに病気を防ぐには、高い抗酸化力が必要です。

ですから免疫力と抗酸化力とは、はっきりとした相関関係があります。

酸化ストレス(フリーラジカル)は、健康な細胞に病的な変化をもたらせる引き金で、その引き金で出来た活性酸素を早く消去する力があるほど、人間も動物も様々な病気発生を防ぐ能力が高いといえます。

それゆえ抗酸化力が高い物質は、間接的に免疫力を付与する力が強いといえます。

畜産動物もペットも、飼育環境や食べ物の変化、気候の急激な変化などで、飼育者には気がつかないストレスで、活性酸素を体内で発生させています。

その繰り返しがあれば、元気がなくなり病気にもなり、畜産動物では生産性が低下します。

それを防ぐには抗酸化力のある、機能性食品が必要です。

いま紹介した、天然有機酸のフミン物質、フルボ酸はその力が強く、また使用法も簡単です。

ことにフルボ酸の液体は、飲料水に1000倍から5000倍に薄め、毎日摂取させれば健康体の維持はもとより、生産性も飛躍的に上昇するでしょう。

採卵鶏では産卵率と卵殻強度、ハウユニットと卵黄色の向上があり、ブロイラー、豚肉などでは肉の発色が向上することが、各研究論文で発表されています。

これらの天然有機酸は、すでに日本でも植物の病気対策として葉面撒布でかなり使用されるようになっていますし、もし飼育鶏や豚などへの直接撒布でも、その効果は期待出来ます。

飲水はもとより、飼料の添加でも伝染性の病気の対策の一助となるでしょうし、やらないよりやったほうが安心です。

これらの供給を通じ、恐ろしいウイルス性疾患やバクテリア疾患対策になれば、非常にありがたいことです。

抗酸化力は、前に述べた私どものプロバイオティック、プレバイオティックも高い数値を示します。

ことにペプチドタンパクには計り知れない面白さがあります。

ちなみに、私個人が毎日接種している大豆酵素触媒の健康食品は、この抗酸化力が高く、おかげであまり年をとらない、シミやシワが出来ない効果をいただいています。

そのように、抗酸化力が高いことが、間接的に鳥インフルエンザに強い体質を作ると言い切ってもいいでしょう。

しかし大切なことは、日ごろの衛生管理の充実が涵養で、機能性の物質投与は次善策としなければいけません。

バクテリアやウイルス侵入を容易にさせる衛生管理下で、機能性物質だけで病気を防ぐことは不可能です。

それでも尚、病気の侵入が防げない場合、高い免疫抗体を付与することは、すなわち健康な動物にすることと同じですので、病気予防だけでなく、生産性も高くなることはお約束できるでしょう。

人と鶏、インフルエンザ防御方法

   〜発病を防ぐ免疫の自然治癒力〜
 (免疫力を高めるにはペプチドタンパク質)


中国での鳥インフルエンザの人への感染は、日を追って増えています。

そもそも人へ感染したH7N9ウイルスは、本来鶏にインフルエンザを発病させるウイルスですが、鶏だけでなく農家で飼育されているアヒル、ガチョウの水禽類、さらには野鳥のハト、スズメ、カラスなど鳥類全てに感染しますし、場合によっては豚や牛などの家畜、はては犬猫のペットへの感染も考えられましょう。

それを考慮しますとこのウイルスは、中国全土に広がっているのでは、と疑いたくなります。

ただし鳥類にとっては感染しても病状が目立たなく、まして野鳥やアヒル、ガチョウなど、さらに家畜などでは、全然症状は出ません。

そんなウイルスがどう言うわけか人間に取り付き、典型的なインフルエンザ症状で死亡までさせます。

なぜ人間に感染するのか、また変異株に変わったのか、これからに研究を待ちましょう。

しかし現実の中国は、感染死亡のニュースが後を絶ちません。

こんな訳の分からないウイルス感染は、中国の人はもとより、在住の外国人にまで限りない不安を与えているでしょう。

ということは、鶏からうつされた可能性が高いのに、何処で感染し、どんな理由で発病したかも分からない、実態が見えないステルス飛行機のよう実に不気味な感染ルートです。

それ故うがった見方をすれば、H7N9型鳥インフルエンザ感染者は、発表された数字の何十倍もあるかも分かりません。

症状が軽かったり、感染と知りながらも医者にかからず我慢したり、お金がないから病院にいけなかったり、その中には死亡者も出ても、インフルエンザ状態は隠蔽し死亡届を出したり、広い中国ことに農村地区や底辺で生活する人々の実態は複雑です。

そんなことも考えますと、このインフルエンザは中国だけに限定されず、お隣の韓国、台湾、ロシア、東南アジア、そうして日本、さらには全世界に拡大しないとは言い切れません。

実際に4月25日の日本の新聞に、中国へ訪問帰国した台湾の人が、H7N9型のインフルエンザに感染し、重篤な状態との報道がなされていました。

この訪問者は鶏にも野鳥にも接触機会がなかったのに発病したということは、ウイルス保菌者の人からの感染と疑いたくなります。

このように人間から人間への感染の可能性だけでなく、現実には野鳥、渡り鳥はじめ、畜産の生産物、畜産資材、人間の交流などを通じ、関係各国の養鶏場に感染、爆発的にウイルスが増幅され、それが人へ伝播する、と言う図式がまず想定されます。

そこで私たち人間と、鶏を飼育している養鶏業者はどうすれば、この見えない侵入ウイルスを防ぎ、また感染発病させない方法を、真剣に検討し実行しなければならなくなります。

そんな方法のいくつかを、一緒に考えましょう。

まず一番分かりやすい予防法は、ワクチン接種による免疫抗体を作ることです。

私も老人といわれるようになった15年前頃から、季節性インフルエンザ発生のシーズンの冬が近づく11月頃、必ずワクチン接種しています。

それ故か、毎年必ず起る季節性インフルエンザ流行時にも、典型的な症状の罹病はしていません。

ワクチン効果だけなのか、ほかの生活習慣と環境、または健康を保つ栄養管理、毎日の仕事に追われての緊張、適度な運動など、毎日欠かさず飲んでいる特別なサプリメント、これら総合的な肉体管理もあいまって、インフルエンザがでないのでしょうか。

同じよう鶏にもワクチンがあります。

ただしこのワクチンは高病原性ウイルスのH5N1対象のもので、今流行のH7N9の低病原性のものではありません。

ワクチンはウイルスの型が変わると、効果はありません。

それゆえ、中国の鶏にはH5N1のワクチンは使われていましたが、H7N9のワクチンは接種されていませんので、今回の大騒動になったのです。

ご承知のよう、人間、鶏、豚などに感染するウイルスは、「H(ヘマグルチニン)」で16の型、「N(ノイラミニダーゼ)」で9通りの違った型のウイルスがあり、その組み合わせで合計144種が存在します。

人間の予防注射でも、ここ20年ぐらいの間、最も流行したウイルスを対象に製造されているようで、昨年私が接種したワクチンは1968年に流行したH3N2のA香港型と同じB型、それと2009年北米などで流行した、豚インフルエンザといわれたH1N1、2009型の3種混合のようです。

ですからもしH7N9型の鳥インフルエンザに感染したら、抗体がないので私も発病するでしょう。

このウイルスを感染者から分離し、それを種にワクチンを開発しても、かなりの時間を必要としますので、もしこのウイルスが爆発的に、鳥から人、人から人へと感染を広げたら、ワクチンは間に合いません。

困ったことです。

勿論、鶏に使用するワクチンも、弱毒ウイルスだけに開発はされないのではないでしょう。

最も日本では鳥インフルエンザワクチンは絶対的に使用禁止ですので、鶏への感染は無防備です。

ということは、この鳥インフルエンザは、鶏も人もワクチン接種による防御は考えられないことになります。

そこで、人間も鶏もワクチンなしでも罹病しない、健全な免疫力を持つことによって防御することと、ウイルスが侵入しない、させない生活習慣と環境を作ることでしょう。

まず一般的な人への身近な対策から申しますと、

1、外出帰宅後の手洗いうがい。
2、人ごみはなるべく避ける、またマスク着用。
3、充分な休息と睡眠、
4、規則正しい生活と、ストレスを起こさない生活。
5、バランスよい食事による、栄養が偏らない注意。
   (免疫力を高める食事とサプリメント)
6、強い肉体を作るための適度な運動。
7、鶏肉、豚肉など肉類を調理した後の手洗いと、まな板と包丁の洗浄
8、肉類は加熱調理すること。
9、鳥インフルエンザ発生時は、鶏卵の生食はやめる。

さらに養鶏場、鳥類飼育者の注意事項(一般的な病気対策に準じる)

1、養鶏場場内の衛生管理の徹底。
2、鶏舎の消毒と洗浄、飼育鶏の健康管理と観察。
3、飼料、資材搬入車両と外来者の消毒励行とそれらの記録。
4、搬出鶏卵、肉鶏の消毒と車両の洗浄消毒励行。
5、野鳥、野鼠、害虫の侵入防御。
6、飼育鶏に免疫力付加。

洗浄、消毒はじめ手洗いマスク着用などは、ウイルスを感染させない物理的方法で、間接的で消極的ですが基本的なことでしょう。

一方、高い免疫力を人体と鶏体に付与させる方策は、免疫生理機能の充実で、もっとも積極的で本質的な防御策です。

私たちの体の免疫力は、いろいろな機能で成り立っています。

鶏も同じことですが、それらの機能を充分働かせるには、まず健全な健康体と十分な栄養摂取が大切です。

そのなかでタンパク質の重要性は充分認識してください。

というのは、免疫の諸機能と物質はすべてタンパク質を原料として構成されているからです。

私は免疫と抗体のことを、別名で「自然治癒力」と発言することが多いです。

健康体とは、人間でも鶏でも恒常性(ホメオスタシス)があります。

肉体細胞のひとつひとつは自己の恒常的状態を認識し、その恒常性を犯すものが侵入すると、侵入物に対して自動的に防御体制を作り、恒常性を維持します。

数えますと、呼吸や血液循環の自律神経(交感、副交感神経)、体温維持や消化の代謝エネルギー、内分泌(ホルモン)活動、各臓器の自働活動、免疫調整のサイトカイン機能、自己復元する遺伝情報、侵入物に対する抗体機能などなど。
これらが自然治癒力に繋がるもので、自己と非自己の判別が的確で、非自己に対しての反応と防御機能を発揮するのが免疫力といえます。

その免疫機能組織はかなり多くあります。

まず血液の中にある白血球のなかのマクロファージー、顆粒球、好中球、好酸球、リンパ球、リンパ球の中のがん細胞などに対するNK(ナチュナルキラー)細胞、Tキラー細胞、免疫グロブリンを作るB細胞、またリンパ腺は全身に張りめぐっています、そのほかリゾチーム、インターフェロンなど、さまざまな役割を先天的に持っています。

これらを自然免疫系といいましょうか、それともうひとつ獲得免疫があります。

これはご存知のワクチン接種と、一度ハシカやオタフク風邪に罹ると二度と感染しない抗体のことです。

この中でインフルエンザなどの異物ウイルスへの対応では、免疫グロブリン(Ig)の働きに期待したいです。

免疫グロブリン(Immunoglobulin)はB細胞で作られる分子量の大きな、タンパク質の総称でIgG,IgM,IgA,IgD,IgEなどに分類され、それぞれの機能分担があります。

ちなみに鳥類はIgM、IgY、IgAの3種類しかありません。

この5つのなかのIgAは腸管免疫をつかさどるのと、鼻腔、口腔などの粘液の中に存在し、鼻汁、唾液など通じて、ウイルス侵入の初期感染での対応する役目です。

母乳や血清、腸液などにも多く存在し、このIgAが非自己侵入者への防御の切り札で、ことに腸管免疫力は、健康維持と病気対応にもっとも大切な役割をもちます。

その免疫グロブリンIgAを生産するのは、やはりタンパク質でペプチド化されたものはIg生産に好適といわれています。

この冬、やはりインフルエンザが流行しました。

そんななかで「これを摂っていたから、インフルエンザに罹らなかったわ」と、私たちが開発した商品を愛用されている多数の人たちから感謝された製品があります。

この製品の目的は、お年寄りの元気回復と長寿、成年男女の健康維持と体力増強、ご婦人方の美容促進、スポーツ選手の筋肉ケアーなどで人気を博している、大豆胚芽を独特の酵素で触媒し、活性酸素除去能力を高め、また免疫力を強め病気に強い体を作ろうとしたものです。

この商品は大豆タンパクをペプチド化した代表的なもので、とくにアミノ酸のアルギニンを特化した、肝臓や血管系の障害にも対応力が強いです。

このタンパク製剤が、腸管のIgAを特異に増強する能力があることが、研究室のマウスの実験などで証明されていますが、いつの間にか風邪に強い製品として噂になった背景は、その特異なタンパク質にあったと思います。

しかし、ウイルスは実に訳の分からない物体で、もし感染したら潜伏期間中に体内で何万倍にも増殖し発病する性質があるため、まず感染させないことが一番ですが、不幸感染したら体内で、増殖を抑えれば発しないことになります。

H7N9型ウイルスも、多くの人に感染しているが、発病した人はそのうちの極わずかだと思います。

それは自然治癒力と免疫抗体のおかげだと推測します。

その要因にIgAの働きもあったと思います。

「治にいて乱を忘れず」の例えのよう、大丈夫と思っても保険にかける気持ちで、免疫抗体力を上げておくことが、このインフルエンザ対策の方策のひとつと思います。

次回もさらにこの稿が続き、インフルエンザ対策を考えます。

そのとき日本でも患者が出たということにならないことを祈ります。

H7N9型鳥インフルエンザ

  〜潜在的な発生が長期間あったと思われる中国の鶏〜
    (産業に与える消費減退の打撃)

H7N9型のウイルスによる鳥インフルエンザが中国で発生、さらに人への感染で4月11日現在で38人発病、そのうち10名もの命が奪われた報道に、私はあまり驚きませんでした。

この比較的弱いウイルスでも、中国国内のあちこちの鶏に、長いこと感染に感染を繰り返せば、ウイルスも強くなり形も変わり、やがて大きな問題を引き起こすだろうと想像していた通りになったからです。

そのような私の想像では、このウイルスは昨日今日に鶏に感染したのではなく、潜在的に長期間感染を繰り返していた鳥インフルエンザだと思っています。

4年ほど前になりますか、畜産関係の用事で上海を訪問したとき、ある養鶏関係者から「あちこちの鶏に呼吸器病が発生し、成績が落ちて問題になっている。」との話を聞いて思わず「それは弱毒型の鳥インフルエンザではないか?」と問いただしたほどでした。

症状を聞きますと、伝染性気管支炎(IB)や、ニューカッスル病(ND)によく似た状態のようですが、IBもNDもほとんどの鶏に、ワクチンが接種され免疫があり、多くの鶏にそれからそれへと呼吸器症状と下痢は出ません。

鳥インフルエンザの弱毒型は、まったくIBやNDなどと似た症状ですから、とっさに鶏インフルエンザに違いないと私が判断したのは、今回の騒動を見て正しかったのではないかと思いました。

ただしこのウイルスがH7N9型とは思いませんでした。

東南アジアや台湾などで発生した弱毒型のH5N2のウイルスによる感染と決め込んでいました。

H5N2型は、発生を経験した台湾の関係者に聞きますと、伝染力は早いが症状は激しくなく、食欲と飲水の低下、産卵の低下、軽い呼吸器症状、軟便、緑黄色の下痢便、中には斃死する鶏もいますが、それほど多くなく、数日のうちに回復するので、鳥インフルエンザとは思わない養鶏業者もいると話していました。

ご存知のよう鳥インフルエンザのなかには、激しい症状を示す高病原性のウイルスH5N1型のインフルエンザがあります。

この症状は養鶏生産者なら誰でもがすぐに気がつく、餌も食べず水も飲まず元気喪失、産卵低下にはじまり数日のうちに、バタバタ死ぬ鶏が出て、その異常さを知り、家畜保健所に相談もしますので、感染の実態が政府当局も把握し、早急な対策も取れます。

数年前日本の各地に発生し、大きな被害を出したのがこのH5N1型のウイルスで、発生鶏はもとより、同一農場に生存している感染前の鶏まで、殺処分し焼却か地下に埋没されました。

そもそも強毒型にしろ弱毒にしろ法定伝染病で、国際間でもこの病気の発生は迅速に各国に報告し、発生国からの鳥類とその生産物の移動は禁止するくらいの恐ろしい伝染力の強い病気です。

ところがH5N1型は強毒ではっきり病状が分かるが、H5N2型やH7N9型は、鶏によく発生する呼吸器病のIB(伝染性気管支炎)、ND(ニューカッスル)、ILT(伝染性喉頭気管炎)、伝染性コリーザ(鼻カタール)、CRD(慢性呼吸器病)などと見間違うほど、症状は激しくないようです。

それゆえ善意に解釈すれば、中国の養鶏農場はH7N9型の鳥インフルエンザとは知らずに、生きた鳥をマーケットに持ち込んで販売したことになり、それを感染鶏とは知らずに密接に接触した人が運悪く呼吸循環系の細胞にウイルスを感染させ発病したことになります。

しかしながらこの弱いウイルスがなぜ人間の細胞に取り付きに感染するよう変形し、強毒型に変わったのかは分かりません。

ご存知の方も多いと思いますが、2003年ごろから現在まで、東南アジア、東アジア、西アジア、アフリカなどで、大発生したにH5N1型高病原性鳥インフルエンザは、不幸なことに600人以上が感染し、371人が死亡した事実があり、感染致死率の高い恐ろしさを教えましたが、これはすべて強毒ウイルスでした。

その時はH5N1型鳥インフルエンザは中国でも多数発生し、死亡者も出しています。

ですから中国でもH7N9型の発生と、そのウイルスによる感染で死亡した人は、今回が初めてではないかと思います。

このH7N9型鳥インフルエンザは、世界的に見ますと今回初めてお目にかかるのではなく、すでにヨーロッパやアメリカ、メキシコ、東南アジアでも過去に発生していますが、人への感染は聞いていません。

しかしそれにしても、弱いウイルスにしろ、鳥インフルエンザが知らないうちにこれほど蔓延していたことを、中国当局が察知していなかったとは、政府の家畜衛生防疫機関の怠慢といわれても仕方ないことです。

あるいは油断かもしれません。

というのも中国政府は、過去に多大な被害を出した高病原性のHH5N1型ウイルスを防御するワクチンを開発、全ての鶏に接種、インフルエンザ発生と流行をくいとめる対策がなされていますので、安心もあったかもしれません。

さらに前に述べたよう、発病していた養鶏場は、ほかの呼吸器病と思って報告しなかったか、または報告すると全て殺処分され、法定伝染病としてその周囲にいる健康的な鶏まで処分の対象となるので、それを恐れて内緒にしていたかです。

中国は国も広いし、飼育されている鶏の数も採卵鶏で10億羽以上、ブロイラーでは年間150億を越えますし、それに加えてアヒル、ガチョウの水禽類、ウズラ、食用鳩など、各地に分散して飼育され、その数を集計すると、世界でもっとも大きな鳥類の飼育国です。

実際その飼育数は、完全に把握できないと思います。

その理由は専業養鶏場で飼育されいる鶏は、調査報告が出来やすく統計数字に載りますが、それ以外の農家の庭先で10羽20羽と放し飼いにされている鶏やアヒルなど、政府発表の数字にはなかなか計上されません。

また今回問題になった愛玩用のレース鳩、あるいは小鳥類など、鳥類と名のつく動物の総飼育数は、想像するに圧倒的に世界一となります。

それに加え、山野や市街地、農村地区に生息する野鳥、また日本や韓国、さらに台湾、東南アジア、ロシアなどと往復している渡り鳥は、中国の西域にある青海湖が集合場所で根城です。

そこでウイルスを感染しあって、中国各地を経由してアジア諸国に飛揚していますが、その数は分かりません。

これら野鳥や渡り鳥など全ての防疫は不可能で、中国政府の防疫体制の限界を超えたもので、人工的にはコントロールできなでしょう。

そんな関係で、日本の養鶏関係者は、世界でもっとも鳥インフルエンザの危険地帯が中国との認識が強いです。

まして、そこから飛来する渡り鳥が、もしウイルスに感染していたとしたら、日本国中どの地域も地区も全て危険地帯となり、そんな見えないウイルスに晒されている日本が、神経質になるのもやむを得ません。

さらに心配していることは、中国政府の対応の遅さです。

今回も人への感染があり、かつ死亡者が出たので発表に踏み切らざるを得ませんでしたが、もし人への感染がなければ、鳥インフルエンザが各地で発生していると、薄々気がついていても、積極的に発表しなかったのではないかと疑います。

中国はご案内の通り面子(めんつ)の国、あまり国の恥部を見せず、かっこよいところばかり喧伝する性癖があります。

以前SARS(サーズ 特異性急性肺炎)の発生のときも、発表が遅れ、国内はもとより、各国に伝播してしまった過去があります。

まして、国境もなく地域の境界線もに関係ない、海を越え山を越えて飛行する鳥類、ことに渡り鳥などを視野に入れたら、一国の面子にこだわらず、防疫体制を超越した正義感と道徳観を持ってもらわなければいけないでしょう。

ところで心配なのは、中国からの発表が、人間への感染と死亡者のニュースが伝えられだけで、肝心の鶏のインフルエンザの発生状況と、その後の処置がどうなっているのか分からないことです。

まして、季節風に乗って飛んでくる黄砂が激しくなる時期、その砂の中にウイルスが混在しているとは思いたくないが、病原菌などはどんな隙間でも見つけて、繁殖しようとする性質があるだけに油断が出来ません。

私たちとしては、人間への感染も気をつけなければいけませんが、それ以上に鳥インフルエンザで再度日本の養鶏産業が危殆にに貧することだけは避けたいと思います。

畜産関係団体も、畜産、養鶏に使用する、中国から輸入される機材や飼料などには、充分気をつけ消毒など徹底するよう示唆しています。

いま中国で発生しているのは、鳥インフルエンザだけでなく、牛豚に強度に感染する口蹄疫の発生も報告されていますので、畜産業者はただ安いからと言うだけで、無思慮に中国物を使用するのは、本当に気をつけましょう。

もっともこの鳥インフルエンザによる影響は、中国国内でも大パニックを引き起こしているようです。

人への感染が伝えられ死者が出ているニュースは、中国国民に衝撃を与え、鶏卵、鶏肉の消費が急激に減退していると聞きます。

ことに上海市場では、生鳥の取引停止に始まり、鶏肉相場は乱れに乱れ、価格は暴落、最盛期の10分の1にまで取引量が落ち込んだようです。

鶏卵も同じよう、消費離れで半値以下に価格は下がったが、それでも売れない、こんな状態が継続しますと、多くの生産組織や生産農家が倒産、離散するのではないかと危惧します。

ところで、鶏肉にしろ鶏卵にしろ加熱調理すれば、ウイルスの心配は全然なく、またそのことが分かっていても、インフルエンザ感染の恐ろしさの心的な恐怖には勝てないのでしょう。

それほどいまの消費者は、何処の国の人も同じよう、付和雷同的で神経質で敏感です。

日本でも2005年に起った鳥インフルエンザ発生での卵と鶏肉離れを私たちは経験しています。

BSE(狂牛病)発生での牛肉離れ、口蹄疫での豚肉離れ、放射能での福島産農産物離れなど、その瞬間過剰な反応で消費が停滞します、病気発生の打撃以上に消費減退での相場低迷が、生産者の意欲に打撃を与えます。

しかしそうは言うものの、鳥インフルエンザウイルスの人への感染が事実としてある以上、それを防ぐ消極的な対応として、人々は鶏肉鶏卵を食べないという行動になるのでしょう。

そんな目に見えないウイルスとの対抗策は、まず感染しない方法と、感染しても発病しない強い免疫力を、体に持たせることでしょう。

人間はもとより、本家本元の鶏そのものに、インフルエンザを感染発病させない方法はもっともっと大切です。

そのいくつかの対策と試案を、お互いに考えましょう。その方法は次回に譲ります。

   〜養鶏家は夜も眠られず、病気発生の恐怖〜
  (このままでは、市場から卵と鶏肉は消える)

1)大発生を予測できる、発病周辺国からの渡り鳥

私どもが関係している畜産業界には、いくつかの業界紙があります。

乳牛と肉牛の業界紙、養豚、養鶏の業界紙と多士済済です。

その中の一紙に養鶏の「鶏鳴新聞」があります。

一般紙並みの紙面に、行政の動き、業界ニュース、海外情報、飼育管理情報、病気防疫情報など多彩な紙面構成で、月3回発行され業界人の信頼を集めています。

この新聞が毎年の新年号で、業界のオピニオンリーダーに、新しい年の業界の動向に対する、予測と建設的意見を求める紙面が、特集として編集されます。

不肖私も、毎年それなりの考えを述べさせていただき、養鶏業界が発展前進することを願う一人として、執筆しております。

2011年の私の記事のタイトルは「恐ろしい鳥インフルエンザ感染の年」として、今年は渡り鳥によるウイルスの攻撃が必然で、野鳥や野鼠、甲虫類(ゴキブリなど)と、資材搬送運搬車、人間の鶏舎出入りを徹底的に管理し、ウイルスの侵入を防ぐ対策が必要と述べました。

さらに防疫の根本的対策となる、ワクチンによる予防の是非の議論も、当然起こるだろうと考えました。

その原稿を書いたのは昨年の12月の初旬、まだ鳥インフルエンザの発生が各地で騒がれる前でした。

しかしその時点で、今年は野鳥を含め感染鶏があちこちで発生し、大変なことになるだろう、また野鳥や渡り鳥の感染による斃死体が各地で発見するだろうと予見していたのです。

もしそうなったなら、養鶏産業はリスクの多い産業となり、多くの養鶏家は将来への不安で、業務を継続するか否かで悩むだろうと心配しましたが、正にその通りになっています。

いや今年だけでなく毎年、この鳥インフルエンザとそれに伴う多大な被害は、続き続けるだろうと悲観的な心配をせざるを得ない、日本の現状を嘆く一人でもあります。

この予測が当たったことは、決して自慢することではなく、大変不幸なことです。

私が病気発生を予測できた根拠は、アジア圏に多くいる業界関係の、知人友人からもたらされる情報と、実際各地に訪問し表面に出されていない、発表されていない、病気の発生の実情などつぶさに知ることが出来る立場にいることが、大きく寄与しています。

海外の友人の中には、過去に鳥インフルエンザで大打撃を受け、どうすればこの病気と対処できるかの対策に精通している人間もいます。

日本では、何が何でも殺してしまえと、病気発生の農場は犯罪者のように、行政も業界も冷淡だし、ましてジャーナリズムも無責任に書き立てるだけで、生理的にも物理的にも、防御できない発生農場の立場への惻隠の情がありません。

野鳥を防ぐ防鳥網に穴があったとか、3日前に発生農場と行き来があったとか、犯罪捜査の証拠固めのような報道ばかりが目立ち、どうしたら防ぎ、どのようにしたら発生しないかの考えや、諸外国の実情を研究する様子もありません。

私の外国の友人達は、防疫は自分達で考えるとして「ワクチンに勝る防御手段は無い」と積極的にワクチンを接種して、免疫抗体を付加することで対策としています。

その分コストもかかりますが、発生して斃死鶏を山のように出したり、発生していない鶏まで殺すより、経済的ですし動物愛護にもなり、経営が安定安心ですので、国の許認可方針にもよりますが、ワクチン接種で鳥インフルエンザに対応しています。


2)日本の感染対策は江戸時代の破壊消防と同じ


さて日本では、このワクチンの使用については政府は慎重です。

あくまで罹病した鶏を速やかに殺し、感染が予測される同じ農場の健康鶏も危険鶏として殺処分することにより、局地的防御を成功させ、拡大することを防ぎます。

さらに、発生場所から半径10キロ以内の養鶏場への取締りを厳しくし、そこへの感染はもとより、感染している可能性も危惧し、その範囲内の生産物は、全て移動禁止になります。

すなわち発病していない健康な鶏を飼育している養鶏場でも、この半径の中に存在しているだけで、生産した卵や肉は全て出荷できないことになります。

ご承知によう日本は狭い国、まして養鶏生産農場の多い宮崎県、鹿児島県などは、半径10キロ範囲にはかなりの農場が密集しています。

それゆえ、この移動禁止令により、多大の損害を受ける間接的被害者の存在も忘れるわけにはいきません。

その人たちから見れば、発生農場が移動禁止損害の元凶で、火事の火元のように恨みます。

火事の火元となると、発生農場の責任は重く、社会的にも同業者間にも申し開きの出来ない、まるで加害犯罪者のような心境になります。

まして新聞やテレビが、発生原因は農場の防疫対策の不備によるもの、などと無責任に報道されますと、いたたまれません。

数年前このような状態が続いた養鶏場主が、ついに自殺をした痛ましい事件までおきました。

しかし現在、集中的に発生した宮崎県以外の各地で、次々新しい感染のニュースが後を絶ちません。

その感染ルートが渡り鳥や野鳥によるものとしたら、防ぎようがありません、もしこの状態で日本国中に蔓延した場合、日本中の鶏は全て政府によって殺さるか、移動禁止による出荷停止で、日本産の卵と鶏肉は市場から消えます。

そんな極論が想定されるほど、日本国中に生息する野鳥や渡り鳥、また鳥類以外の保菌野外動物が多く存在し危険です。

これらの生き物がいついかなる機会に、養鶏場にウイルスを侵入させないとは言い切れません。

さてどうするのでしょうか?

とにかく日本の行政府は、家畜伝染病を発生させない方法として
1)「感染経路の対策」
2)「感染した動物の対策」
3)「感染しない感受性を家畜に持たせる」
の三つの対策で防御する方針になっています。

2番目の「感染した動物対策」の方法が、感染した家畜の殺処分と、同一範囲にいる未感染動物の淘汰、周辺危険地帯と想定される範囲内の、畜産物および生産物のの移動禁止です。

すなわち火事を起こした現場近くの建物は、燃えていなくても壊して火が燃え移るのを防ごうとする、江戸時代の破壊消防とまったく同じ手法を取っているのが、現在の家畜伝染病予防手段です。

昔の火消し人足や鳶職は、勇ましく鳶口を担いで、火事現場に跳んで駆けつけ、周囲の建造物を鳶口やカケヤ(大槌)で壊しましたが、畜産の場合は獣医師が、注射器や炭酸ガスを担いで現場に急行、豚や牛の場合は注射で薬殺、鶏の場合は炭酸ガスで窒息死させ、病気蔓延を防ぎます。

斃死体は穴を掘って埋設、農場周辺はまるで雪が降ったように、あたり真っ白に石灰を撒いて終了します。

まったく科学もハイテクも使われず、生命体の命を奪うことと石灰で、感染媒体をなくせば感染が防げると言う、原始的手法が行われています。

防疫手段のマニアルには1番目に「感染経路対策」がありますが、鳥インフルエンザも先の口蹄疫も感染経路の特定は出来ません。

まして鳥類のウイルスは野鳥、渡り鳥全てを対象とし、場合によっては季節風など空気感染の可能性もあり、物理的にも化学的にも感染経路を遮断することは不可能です。

3番目にある「感受性を持たせる方策」は免疫抗体のことです。

免疫抗体の最も効果的な扶助はワクチンです。

しかしわが国は、口蹄疫と鳥インフルエンザのワクチン使用は許しません。

昨年宮崎で打たれた口蹄疫ワクチンは、感染を防ぎウイルスの拡散を抑え、その豚と牛を殺す前提で接種されました。

一般の人が聞いたら分かりにくい話ですが、生かすためのワクチンでなく、殺す目的の動物に打ったワクチンでした。

鳥インフルエンザワクチンも現在、政府には備蓄されています。

非常事態が確認されたとき、緊急用として発生地域に接種する用意はあります。

しかし、今年の鳥インフルエンザ発生は、私が予測したとおり全国的なものです。

局地的対策としては可能な非常用ワクチンも、発生場所が多岐にわたりますと、おそらくお手上げでしょう。


3)免疫力と抗酸化力向上で発病を防ぐ

そこで考えられるのは、ワクチン以外で免疫力を強くする方法です。

免疫力は抗酸化力の高さと比例しますので、同時に双方を高くする飼料や飲み水を与えれば、可能となります。

これは韓国の実験ですが、以前、口蹄疫発生の被害が続発している地域で、弊社が開発したペプチド大豆タンパク質生菌剤飼料とフミン物質を混合した飼料を与えているところが、奇跡的に発生を免れている記事を書きました。

この商品そのものは動物の腸管を健全にしIgA(免疫ガンマグロブリンA)抗体を高くする要素があり、また細胞免疫力と抗酸化力を強くする顕著な働きがあることは確かです。

それがため、口蹄疫の発生の悲劇を起こさず、奇跡を生んだ可能性がゼロだとは言い切れません。

さらに最近もたらされたニュースは、口蹄疫発生のある行政区の担当獣医の要請で、病気発生の牛を何とかして殺さずに健康を回復させたいとの願いから、フミン物質から特殊抽出したフルボ酸液を希釈し、飲み水と牛の体への消毒、さらに農場全体へのスプレーを実行しました。

その結果、感染牛20頭中、4頭の重度感染牛を除き、他は完治した報告がありました。

さらに私を驚かせたのは、感染がかなり進んだ牛に、精製したフルボ酸液を注射したところ、翌日から元気を回復し、5日目には病気を完全に耐過したとのことです。

これはあくまで韓国の話であって、日本で実行する話ではありません。

その国その国の事情による出来事で、ワクチン接種許可も、病気感染動物の治療も、未感染動物の殺処分も、その国の方針と考えにより違いますので念のため。

この韓国の出来事は奇跡ですが、そもそもフルボ酸は電解質物質で、物体のイオンバランスを正常にする力が強く、マイナス電子(アニオン)とプラス電子(カチオン)の働きが、何らかの条件でウイルスの増殖に影響を与え、また強い抗酸化力物質ですので、細胞のフリーラジカルを抑制していると想像します。

私たちはこの物質の効果のほどは、日本で農作物へ使用し、農薬を使わず生産物の倍量収穫が可能な実際を見ていますので、動物への使用で奇跡的な効果を挙げることも、ある意味では納得できます。

ただし現在、ウイルス性の疾患に対しての効果を検証していませんが、農業の現場では、農家独自の判断で、真菌性の疾患からウイルス病の予防まで、幅広く使用されていることは確かです。

私は農業畜産関係の仕事のみならず、人間の健康にも強い関心を払い、それなりの知識の習得に努力している日常ですが、その結論として病気に強い体質は、この免疫力と抗酸化力が決定すると思っています。

その免疫力、抗酸化力は運動と生活習慣と食べ物にあり、またこの三つに注意をはらう生活をしている人は、老若男女にかかわらず、おおむね長命で元気で、頭の働きも健全です。

畜産動物も同じことで、免疫力を高くすると、病気に罹らず生産性が向上する事例を、沢山見ています。

また免疫、抗酸化の強い食品やサプリメントは、天然自然の中に存在し、特別薬品的なものでなくとも、免疫力抗酸化力は付加できると思います。

その証拠に私たちの原料は天然の資源で、生菌飼料も大豆が原料ですし、それを特殊な菌と酵素で発酵させたものです。

それはバイオの力で、これをノウハウとでも言うのでしょう。

フルボ酸も何千万年も地下に埋もれ、天然の化学変化により、機能性が出来た、植物由来の物質です。

そこで将来、鶏や豚、牛、あるいは養魚も、病気を抑えて事業を成功させるには、ワクチン接種による抗体免疫があっても、病気対策と生産性向上には、免疫力と抗酸化力を高くする物質の開発と探索が、重要課題となるでしょう。

さて2月17日の報道を見ますと、政府は鳥インフルエンザや口蹄疫など法定伝染病の発病農場が、早期に届出しない場合、罰則規定を設ける法案を準備するようですが、畜産農家にとって病気の感染があっても、それが鳥インフルエンザか口蹄疫かの診断はすぐには難しいのではないかと思います。

なぜならば、確定できる症状になるまで日にちが掛かる、また似たような症状の病気が多くある、などの事情を考慮しなくてはならないのではないのでしょうか。

早期届出の定義がどうなのか分かりませんが、いたずらに罰則規定だけを厳しくすることが、本病発生を防ぐ手段になるのか否か、私にはコメントできません。

   〜260万の牛、豚、550万の鶏が殺された韓国〜
(防御の手段の無い日本の養鶏はどうする、鳥インフルエンザの脅威)

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