農業の最近のブログ記事

食の安全雑感

〜中国産の期限切れ鶏肉チキンナゲット騒動〜
(安いことがすべての、輸入食品の安全性を再度考える)


中国上海の食品工場で製造したチキンナゲットに、
廃棄する腐敗直前の原料が混合されていたニュースが7月の下旬放映され、
やれやれまた危険な中国製食品か、いい加減にしてほしいとの思いでした。

このニュースで驚いたことは、
このチキンナゲットが世界的に有名なファストフード大手の日本店と、
有名コンビニエンスストアーで販売されていたことです。

食の安全が叫ばれ、消費者の食の安全性に対する関心が高い今日、
日本を代表する企業の商品チェック体制と、
製品に対する責任感はどうしたのかとの疑問も感じます。

中国製品を取り扱い販売するには、この程度のリスクは先刻承知であったでしょう。

しかし製造ラインに腐りかけの鶏肉が混合される動画が、テレビ画面に映し出され、
その作業担当者から「別に死ぬようなことはないので」とのコメントには、
取り扱っていた日本企業も唖然としたことと思います。

もう一つ驚いたことは、こんな生々しい現場を取材した地元テレビ局の報道姿勢があったことです。

今まで中国製品の安全性が問題になったり、食品被害が出たり、
検査結果違法物質が検出された時でも、その実態の現場はわかりませんでしたが、
製造現場の不正を告発する撮影は、証拠としては第一級です。

これでは中国の政府当局も、工場経営者も弁明弁護の仕様がありません。

逆に工場責任者を逮捕して、原因究明とその責任追及並びに不正に対する懲罰にと発展せざるを得ませんでした。

まずこの快挙に喝さいを送ります。

以前から問題を起こし続けている中国食品製造現場の不正の実際を、
中国のテレビ局そのものが、公にした勇気にも感心しました。

行政と企業の癒着、報道機関と政府または企業とのもたれ合いなど、
企業内の内部告発以外で、外部機関の調査で実態が明るみに出ることは中国では希有のことだと思います。

私の体験の中でも、中国の食品会社と中国の検査機関との関係を知る機会が何回かありました。

だいぶ前になりますが、養鶏の技術指導で上海の食鶏処理場を訪問した時のことです。

屠体処理した生の丸鶏が、土足で歩く土間コンクリートに並べているのを見て
「土間はバクテリア汚染の危険があるので、
衛生的な箱を作りその中に氷と一緒に入れてください」と注意した時

「調理して食べるから、危険はない」との返事と
「政府の検査官も別に問題にしていない」には、
後の言葉が続かなかったことを思い出します。

その時、この国の食に対する検査機関と製造者の標準的常識が、
私たちの常識の違いをそこに見ました。

確かにバクテリアの汚染は熱処理すればその危険はなくなりますが、
生鮮食品として食べる人に、安全を送るという企業モラルの考えは皆無のようでした。

笑い話ですが「中国で生活するには、毒の食品を食べて長生きできないか、
その毒を嫌って食べないで餓死するか、どちらの選択しかありません」と
中国の知人が冗談で言った言葉が忘れられません。

ということは「期限が過ぎた原料を混合しても、フライ処理すれば危険がなく、
味も変わらないから問題ない、それよりも価格的に安いことがお客さんの利益だ」
の理屈が常識のようで、その常識の中で生きていくには、
少しぐらいの危険は我慢するのが、中国の消費者の常識なのかもしれません。

この安く作るために、廃棄直前の鶏肉を使わざるを得ない事情があったとしたら、
安い商品を強要した発注者の方にも責任があるのでしょうか?。

振り返ってみますと、こんな事態になった本質はどこにあったのでしょう。

以前、これも中国訪問時の経験談ですが、
中国からの輸入野菜に農薬が残留していることが問題になった時
「きれいなそろった野菜を作ることが条件で、
虫食いや病気で見た目が悪い野菜は日本人が買わないから農薬を使わなくては」
との返事があったことがあります。

さらに「その農薬は日本製ですよ」と追い打ちがかかりました。

また「中国では農薬を使わないと、農作物は収穫できない」と
一般の消費者は認識しているようです。

ですから、かなりの家庭では野菜などに残留する農薬を洗浄する農薬洗浄剤が
使用され、表面に付着している農薬は洗い流すようです。

このような生産体制になったことは、中国建国からの歴史的なもので、
農業の発展が国の力であり、国民への食料供給が第一の生活安定だとの考えが、
新国家共産主義の原点にあったことから始まります。

農産物を生産していた人民公社の評価は、とにかく収穫量の多寡で決まるので、
化学肥料と農薬による生産競争へとなだれ込み、食の安全性など見向きも
されない習慣が続いたことが、今日の安価で生産量第一の思想背景ができたと見ます。

とにかく安全性より収穫量が大切で、大量に生産すれば価格も安くなり、
その安さに魅力を感じた日本の食品加工会社、レストラン、スーパーマーケット、
農作物販売会社が、安い中国食品に群がったのです。

その背景に、日本の企業同士の価格競争と市場占有競争がありました。

さらに中国食品が日本に大量輸入されるようになった背景は、安くて形さえ整い、
製造者や販売者の企業名が有名なら、日本の消費者は何の抵抗もなくその商品を買い求めました。

今回の問題が起きて、報道機関が中国産食品を使用しているレストランチェーンを
調べたら、ほとんど有名な外食店舗が、
全てではないが何らかの料理の一部に使用している報告がありました。

しかし、どの店舗でも、メニューに中国産使用とは表示していません。

おそらく、今回のチキンナゲットが、
中国産であったことを知っていた消費者が何人いたでしょう。

消費期限切れのチキンナゲットのテレビ放送を見て、
中国産と知ったのではないでしょうか。

このように、安いから使う、安いから価格競争ができる、
安いからお客が満足する、安いから利益が上がる、
日本の企業にも安いものへ対する羨望がなかったとは言えません。

さらにその安さを最も歓迎したのは、中国食品の安全性をたえず疑っている、
ほかならぬ日本の消費者です。

ですから企業の選択も、消費者の要求に対するサービスと、
企業の利益獲得のためだとしたら、
安いものを求めて中国産を扱ったことを間違った経営手段とは言えません。

ただ問題なのは、その安さを提供する中国の生産体制と、
中国人の食に対するモラルと常識が、
日本企業が考えている常識とは、少し違うことをどれだけ認識していたかです。

ご承知のよう、日本の食料自給率は40%に達しないといわれます。

中国だけでなく、世界のあらゆる国から食料は輸入されます。

これらの安全性はどうなのでしょう?中国だけの問題とは思いません。

私たちは仕事柄、諸外国の鶏肉や豚肉などの生産状況を熟知しています。

薬品残留の危険、有害微生物の汚染などが心配です。

この薬品残留と、有害微生物汚染を一挙に無くせる有機的生菌飼料(プロバイオティック)を開発し、
日本をはじめいくつかの国にも紹介しています。

せめて日本人が食べる卵、鶏肉、豚肉、牛肉、牛乳からは
危険を無くそうとのポリシーで努力しています。

ただ残念なことにこの有機製剤を、中国へは紹介していません。

さて最後に、8月の初旬、今回の事件を中国政府と日本政府が話し合いました。

その席で中国側から、問題を起こした上海の企業を取り調べた結果
「日本向けに出荷した商品には、消費期限切れの原料は使用されていないので安全です」の
コメントが発表されました。

さぁ、それが事実だとしたら、カビの生えた期限切れ原料の不正商品は、
どこへ行ったのでしょう?

中国政府の発表を知った、中国人はツイッタ--で

「日本向けは安全、期限切れ商品は中国人の口に」

「よいものは輸出、悪いものは国内販売か」

「毒入りは中国人へ」

「中国人のメンツにかけてよいものだけを輸出する、日本人はそれを理解しろ」

「輸出製品は安全、日本人は安心だ」

などなど自虐的なギャグも含めてにぎやか。

ところで、この期限切れ原料のニュースが流れた結果、
日本のファストフード店は問題のチキンナゲットの販売取りやめは勿論、
その影響で売り上げは大幅に落ちました。

面白いことに、中国の同じファストフードチェーンで、
同じチキンナゲットが飛ぶように売れたというニュースが入りました。

なぜか? それは期限切れでも間違いなく鶏肉を使っていた、
他の訳のわからない雑肉でなかった、この報道が証拠になって、
正真正銘なチキンナゲットということで、売れ行きが伸びたようです。

所変われば品変わり、価値観も変わります。

この辺に中国食品に対する、中国人の常識の原点があるようです。












穀物高騰と旱魃被害

~「2012年の養鶏産業の課題」新聞発表した私の意見~
     (物価の優等生「鶏卵」はなぜ安い)


アメリカの中西部のアイオワ、オハイオ、イリノイ、インディアナなど主要穀物生産地帯が異常な熱波による旱魃に見舞われ、所に寄ればまったく収穫が出来ない地域まである、未曾有の危機となっているようです。

アメリカは世界のトウモロコシ生産量の40%を賄う、最大の生産国であると同時に輸出国です。

その世界の穀倉地帯が大打撃となれば、世界の穀物価格、とりわけトウモロコシ、大豆、小麦の価格は高騰し、果ては供給問題まで影響をいたしかねません。

ご承知のとおり、日本の畜産動物の飼料主原料であるトウモロコシの90%、大豆の大部分をアメリカから輸入している関係から、もしこのまま不作が継続すれば飼料価格は上がり、その影響で肉、たまごの価格も上昇せざるをいないでしょう。

こんな天候異変から来る危機を、私は昨年2011年からなんとなく予測し、養鶏産業の専門誌「鶏鳴新聞」の新年号特集「2012年の業界の課題」に、飼料穀物不足の意見として、天災と人災による食糧危機と飼料高騰に対する対応を心がけるべきとの一文を、12月末に執筆し投稿しました。

食は人間の生命維持の本質的物質であり、電力不足で工業生産に支障がきたしても、生活にすぐに影響しませんが、食べ物がなければ餓死が始まります。

その食糧問題に対する危機意識を、畜産産業を例えとして私見を述べたものです。

以下はその論説を再度ここで紹介いたします。


2012年新しい年を迎えましたが、昨年3月11日東日本を襲った未曾有の大震災の被害が回復されない現在、まして原発放射能の脅威に、被災地のみならず日本全国が不安な今日、素直におめでとうと申し上げられないのは、まことに遺憾です。

被災地の方々には重ねてのお見舞いと、尊い生命を失われた方々に深い哀悼を申し上げ、一日も早い復興を祈ります。

さて、地震と津波はたしかに天災ですが、原発の破壊と放射能汚染は人災だとの世論です。

このように今世界は地球は、天災と人災の危機がいつ起ってもおかしくない状態です。
 
それが2012年以降の食糧、飼料産業、畜産養鶏産業にまで暗い影を落とすのではないかと予測します。

天災は予期しないもので、地震、津波、噴火、大雨、洪水、寒波冷害、猛暑、日照り旱魃など、異常な自然現象と気象による災害が、世界の何処かで発生し、農作物生産に大きな被害を与えることがまず心配です。

さらにヨーロッパの金融不安、中東アラブの政治的騒乱、世界的な景気後退など、まさに天災と人災が入り混じった不確実の世紀の始まりを想起させます。

また昨年(2011年)70億人を越え、毎年8千万人以上増え続ける世界の人口を養う食糧が、安定的に供給できるか否かが深刻な問題になります。
 
(中略)

畜産業界にとっては、飼料穀物の供給不安と価格騰貴は業界の死活を握ります。

その要因が異常な気象現象による収穫減、原油高騰によるバイオエタノールへの転換、発展途上国の畜産物需要拡大による穀物消費の急増、投機マネーのの流入などによる、供給と需要のバランス失墜による相場の乱高下の結果、価格が暴騰高止まりになることを恐れます。

(中略)

現在飼料穀物の90%をアメリカに依存している日本の現状は、旱魃、冷害などの異常気象で生産に支障をきたしたとき、今まで通り優先的に供給する保障はありません。

1970年代初め、大豆の不作により輸出禁止令を時の大統領ニクソンが発表し、大きな政治問題化したことを思い出します。

近くはロシアの小麦不作による輸出禁止など、主要穀物は自国民のために生産しているのであって他国民を養うためのものではない、こんな判断で輸出禁止策が決してないとは言い切れません。

それだけ穀物は食糧は生命本質を脅かす鍵であり、また外交的戦略物資としてパワーを持つ物質です。

いま、アメリカと日本は軍事面で安全保障条約が締結されています。

同じよう穀物でも安全保障供給条約結ぶことが大切かも分かりません。

世界の貿易は自由化関税なしのFTAとかTPP締結に動いていますが、不作による輸出禁止の処置のほうが、TPPによる農作物輸入の脅威より、日本の畜産業界にとっては大打撃です。

(中略)

こんな不安を解決するには、飼料穀物の供給を多角化することです。

その方策ととして供給国を増やしたり、開発輸入を進めたり、本質的には国産の自給率を高めることでしょう。

さらに、使用面での飼料の効率化と飼養技術の向上で、飼料節約化への努力でしょう。

飼料の価格上昇は即生産コストの上昇です。問題はこのコスト上昇を誰が負担するかです。

ましてデフレ経済の中で、失業が増え給与所得は上がらず消費は冷え切っていル時、さらに消費税引き上げが2-3年後に行われたら、鶏卵、生肉全ての需要は落ち込み、上がったコストを消費市場はなかなか受け入れが難いでしょう。

そうなると、そのコスト上昇は生産者の辛抱と欠損で補うことになりかねません。

(中略)

(注)(飼料効率化と生産コスト引き下げの反面、卵、生肉に対する安全対策がおろそかになることへの心配として、次の点も発表文の中で指摘しました)


鶏卵や生肉のサルモネラ、病原性大腸菌、カンピロバクターなどの汚染が、人間の中毒として問題視されないよう充分注意しなければならない。

病原菌のなかには強烈な毒素を出す株も見つかり、ことに生食文化が定着している日本の鶏卵は今まで以上にサルモネラ、カンピロバクターなどの汚染に注意が必要で、その安全性を生産者は担保しなければならない。

と言って抗生物質等の薬剤による対策は、生産物への薬品残留が問題ですし、さらに薬事法にも抵触するので断じて行ってはならない。

いま世界の潮流は、化学薬品から有機的代替物質に変わってきて、我々が開発した生菌飼料と有機素材が日本のみならず、各国から問い合わせが増えている傾向は、飼料の効率利用と生産性向上だけでなく、残留薬品のない病原性汚染の少ない生産物志向を目指しているからでしょう。

さらに、病気予防の観点からワクチンや抗生物質だけに頼らない、動物そのものに高い免疫を付加し、基本的抗病性を持たせる事が、飼料高騰対策の一環になるともいえます。

2012年は飼料値上げ、消費停滞で生産物価格が低迷、厳しい年になるかもしれないが、そんな時こそ将来に対する産業として残りうる態勢を、官民挙げて作るスタートの年にしたいです。

 (以上でおわりです)


このような予測が不幸にも的中したことは、喜んでよいのか悲しんでよいか戸惑うところですが、一つ確実にいえることは、世界の食糧の生産量は急激には伸びませんが、消費のほうは毎年限りなく増加していることです。

今後、供給が少なく、需要が多くなれば穀物の価格は当然上がり、穀物を主原料にする畜産生産物の価格は、当然上昇します。

畜産物だけでなく、小麦粉が主原料のうどん、パンなど主食系統食品、大豆原料の味噌、醤油から納豆、豆腐さらに大豆油まで値上がりは必死でしょう。

ただ皮肉なことに現在まで、日本の輸入農産物原料の商品は、大幅な値上がりをしていません、まして鶏卵、鶏肉、豚肉、牛肉など値上がりがしていない代表的商品です。

この不思議な現象の背景は極端な円高です。

トウモロコシの価格にしても、20年前の1992年1トン100ドルのシカゴ相場が、2012年は320ドルと3.2倍値上がりですが、日本の価格は1992年13000円、2012年25600円と1.9倍です。

まさに日本の飼料価格は円高のおかげで、アメリカほど値上げをしていません。

ちなみに1992年は1ドル130円、2012年は同じく1ドル79円の為替相場であった関係が、日本のメリットにもなっています。

さらに畜産物の安さの秘密の一つに、生産性の向上と、円高による鶏肉、豚肉そのもののの輸入増加が挙げられます。

生産性向上の努力は、省力化、機械化による労働集約化で、一人当たりの生産性があがったこと、さらに飼育環境の温度、湿度、光線などの自動コントロール化により、動物の性能を充分発揮させる快適な畜舎建物など、科学的な技術向上によることも寄与しています。

それにもまして最も影響した要因は、養鶏の場合遺伝的な育種改良による、生産性向上です。

ちなみに古い話で恐縮ですが、私が養鶏を始めた1960年代、1年間の平均産卵率は70%前後で260個前後でしたが、いまの採卵鶏は90%以上の生産で、年間330個以上の産卵をします。

鶏の体型も小さく丈夫で、大きな卵を継続して産卵するよう改良され、当然飼料の量も1割以上少ない状態での成績です。

鶏肉の産業の改良はもっと顕著で、2キロの鶏を育てるのに70日近かった日数が、今は35日で2キロになり、45日飼育すれば3キロにもなります。

飼料の要求率も体重2キロの生鳥ですと3.0から1.5に短縮しました。

すなわち1キロの肉を作るのに3キロの餌を必要としたものが、1.5キロの餌で1キロの肉が生産できるまで改良が進んだと言うことです。

このような目覚しい改良があって「卵は物価の優等生」と褒め称えられてもいます。

その裏には多くの養鶏家の廃業と倒産があって、生産が集約され、大農場化されたことも安い卵生産つながったのです。

もう一つ輸入鶏肉とか豚肉が大量に出回っていることです。

これも円高による安い輸入肉の攻勢があり、価格を冷やす要因にもなっていました。

しかし今回の穀物高騰を受け、輸出国も生産コストを度外視して、ダンピング価格で日本市場に輸出は不可能でしょうから、輸出豚肉、鶏肉の価格も当然飼料価格上昇分だけ値上がりするでしょう。

そうなれば、生産価格を下回っていた市場価格も徐々に値上がりします。

「銭湯の価格と盛りそばの価格と鶏卵の価格は一緒」と言われた終戦直後の物価から現在を比較しますと、卵の1個15円前後はいかにも安いですが、そんな価格で供給できる産業のからくりを理解してもらえたと思います。

さて、今後の世界の食糧事情がもっと厳しくなり、もし輸入穀物がなくなり国産の飼料だけで生産した場合、おそらく1個50円以上の卵の価格となるでしょう。

それ以上、現在の日本で飼養されている、鶏、豚、牛の頭羽数は、激減せざるを得ません。

これらはひとえに、食糧の自給率の問題に帰す話です。


トマトと栄養

   ~機能性豊富な栄養価、野菜の女王~
  (無味無臭で甘みも風味もないスーパーのトマト)


夏野菜の中での女王は、なんと言ってもトマト、みずみずしい赤は滋養があふれ、夏の疲れを癒すような輝き、私もこんなトマトが好きです。

夏野菜に限らず、1年通じての野菜の中で、何がすきかと聞かれたら、迷わずにトマトと答えるでしょう、それほどトマトには思い入れがあります。

私とトマトの付き合いはかなり長く、古い記憶の中に食卓にトマトが並び、それを家族並んで食べている残像が、頭の隅に残っています。

「トマトは栄養があるんだぞ」父親がそんな呟きを漏らし、母親が「だから沢山食べなさい」と箸で挟んで、私の茶碗に入れたのをなんとなく思い出します。

確か小学校低学年の頃、勿論戦前でトマトなどのハイカラな西洋野菜は、そんなに食卓に上らない頃です。

妙に青臭く鼻に抜ける独特のトマト臭があり、そのときは好んで食べたくはなかった野菜で、両親がそれを見かねて、私たち兄弟に無理に食べさせようとしていたのでしょう。

夏の暑い盛り、冷たい井戸水が張られたバケツの中に、赤いトマトが冷やされて浮かんでいるいる情景がよぎります。

蚊取り線香の臭いと、かすりの浴衣、団扇を使いながら涼をとり、冷えた赤いトマトを食べる、まさに夏そのものの風物詩がトマトの思い出です。

ところが最近、トマトは必ずしも夏だけの食べ物ではなく、1年通じてスーパーの店頭に並びます。

山が紅葉になっても、木枯らしが吹く季節になっても、一面白い雪景色の中でも、トマトは変わらぬ赤い色で、季節感を感じさせずに、家庭の食卓に上ります。

まして洋風化した最近の日本の食事には、トマトは欠かせない色取りと、味の引き立て役として存在感を発揮します。

必ずしも生野菜としてではなく、トマトケチャップやトマトピューレ、トマトジュースからホールトマトの缶詰など、料理の材料として重宝されてます。

もちろん生のトマトも豊富な種類を並べ、生食だけでなく料理の素材としてでも、多く使われます。

まして大衆化したイタリア料理とトマトは、切っても切れない関係で、その味に馴染んだ日本人のトマトへの嗜好は年毎に上昇しています。

そんな消費傾向が伸びてきたトマトに、今年(2012年)2月京都大学の研究室から、健康効果の学術的発表があり、それを新聞やテレビが取り上げたことから、冬の寒い季節にもかかわらず、トマト消費にさらに火がつきました。

「トマトが店頭から消える」こんな大げさの表現が踊るくらいブームとなり、一説には新鮮トマトは一挙に2倍の消費量になり、トマトジュースは4倍の売り上げとなったと伝えられました。

トマトを主力商品としている某食品会社の株価は上がり、トマト栽培者にも大きなチャンスともなりました。

たしかにトマトは健康にいいのです。

子供の頃父親から「栄養に富んで体にいい」と食べることを進められた証が、70年後に証明されたことになります。

「トマトは赤くなくちゃトマトでない」こんなことを強調した、健康食品のある経営者がいました。

その人はトマトの中に含まれるリコピンの抗酸化効果をうたったサプリメントを販売して居ましたが、このトマトブームに乗れたかどうか分かりません。

このリコピンというトマトの有効成分は、よく知られたカロテノイド、ベータカロチンの仲間で、この赤い色素の中に存在していることから、トマトは赤いことが価値があるということになったのでしょう。

西洋の諺に「トマトが赤くなると医者が青くなる」がありますが、リンゴが赤くなれば病気がなくなり、医者の仕事がなくなるの例えにも使われるよう、赤に代表される、果物や野菜の色彩は抗酸化力はじめ、機能性成分の宝庫ともいえます。

ブルーベリーやブドウの赤紫の色のアントシアニン、かぼちゃや大豆の黄色のフラボノイド、みかん、オレンジの黄色のレモネン、ほうれん草や小松菜の緑色のキサントフィル、すべて色つきの植物性食品は、ポリフェノールはじめ、機能性の栄養素を含んでいます。

「緑黄色野菜をバランスよく食べる」健康管理の指南書には、必ず記載される定番お言葉ですが、この言葉に赤色がないのは残念です。

それくらいトマトの赤が持つ薬効効果は確かなもののようです。

よく「肝臓の悪い人はトマトを食べろ」と昔からいわれていますが、京大の研究発表でも、トマトに含まれるリノール酸の仲間に、脂肪を燃焼し高中性脂肪や脂肪肝、肝機能不全の人の健康回復に役立つ、脂肪燃焼遺伝子を増やす物質を活性化する働きを発見した報告があります。

それゆえ、血液サラサラ効果のイメージから、動脈硬化、高血圧、高コレステロール、メタボリックシンドローム(肥満)、アンチエイジング(抗老化)、さらに糖尿病など、まさに生活習慣病予防食品の代表選手の扱いとなりました。

たしか、トマトには抗酸化と抗癌をうたうリコピンの存在が強烈ですが、体力増強、免疫力増強、疲労回復、筋肉増加のアミノ酸のグルタミンも多く含まれていますし、関節痛、、美肌、冷え性、アレルギーによいアルファリポ核酸、肝機能に効果があるイノシトール、整腸、便秘、肥満などに効果があるリグニン、フラクオリゴ糖など、盛りだくさんの機能性物質が豊富です。

こんな効果があると分かれば、トマトの消費が拡大するのは当たり前ですが、食事は穀類、肉魚類、豆類、根菜類、葉もの野菜、そして適当な塩と油、ビタミン、ミネラルのバランスが大切で、トマトだけで健康維持というわけにはいかないでしょう。

というものの、トマトは夏野菜の代表、夏バテ予防のためにも大いに食べましょう。

ただ少し残念なことには、最近のトマトは美味しくありません。

種類なのか栽培技術なのか、土壌の栄養価なのか、化学肥料のせいか、農薬の使いすぎか、色だけは赤いですが、トマトが持っている独特な風味と甘さがほとんどありません。

子供の頃食べた青臭い独特のトマト臭がありません。

野菜のイメージからフルーツ的に改良した結果かどうか、トマトブームで株価が上がった企業のトマトもスーパーに並んでいますが、色とサイズと包装は美しいが、味は野性味がなく味も甘さもなく、機械的な感触です。

戦後、私も農業をやり、毎年夏野菜の代表トマトを栽培しました。

形やサイズはまちまちでしたが、いまのトマトより数段美味しかったです。

もっとも畑のトマトは、完熟した最も美味しい時期に収穫した鮮度抜群のみずみずしさで、収穫したその日の食卓に上る自家製の長所がありましたが、スーパーなどで売られるトマトは収穫から何日経過したか分からない鮮度ですから、不味いのも仕方ないのでしょう。

さて、そんな不満を吹き飛ばす、新鮮、完熟、美味なトマトが届きました。

私の友人Iさん、82歳になる彼は100平米ほどの農地に、いくつかの作物を栽培する家庭菜園を持っています。

そこで作るトマトは、まさにトマトの本当の昔味を持った、甘くみずみずしく、馥郁(ふくいく)とした感無量の風味です。

「今年は少し失敗で」彼には不満の作柄だったようですが、スーパーのトマトにうんざりしていた舌には、干天の慈雨です。

隣近所におすそ分けし、本当のトマトの味と褒められますし、ふだんあまりトマトを食べない小学生の孫たちも、その美味しさにお代わりをします。

「フミン酸とフルボ酸の効果かもしれない、肥料も特別やらず、消毒も何もしないのに病気一つない、それが味にも影響していると思う」Iさんの感想です。

いずれにしろ、家庭菜園のトマトが、本職のトマト農家やトマト製造会社に味で勝った瞬間です。

こんなトマトだったらリコピンの栄養価がそのまま細胞に作用し、体の芯から健康になった気もします。

農家の皆さん、栄養価が高い美味しいトマトを、是非作ってください。


線虫被害が出ない不思議物質

~多彩の機能で線虫被害が少ないフミン物質~
  (安全な病虫害対策物質と世界が認める)


~トマトの線虫に効果が最初~

「この商品はあなたたちは知らないでしょうが、すごい能力がある不思議な物質だ」

私どもが土壌の活性化の目的で紹介している「地力の素~カナディアンフミンHNC~」が、線虫(ネマトーダ)対策に有効に働くと看破されたのは、千葉県でトマトの種苗改良開発に、大きなな実績を残しつつある「シード会社のT社」の代表者のMさんでした。

トマトは家庭園芸でも人気のナス科の植物ですが、健全な土壌と正しい肥料施肥、手入れの行き届いた栽培技術とが必要で、それでいて病虫害にも弱い面がある難しい作物で、当然線虫の被害に悩まされた経験があったのでしょう。

また品種改良でいろいろな個性を競う野菜の代表で種類も多く、栽培法も露地栽培より、ハウスの中で温存される施設栽培や水耕栽培での生産が多くなってる農作物です。

そんな生産環境が影響してか、ウイルス性、真菌類のうどん粉病、ベト病、糸状菌のカビなどの発生も多く、さらに温かい温室だけに線虫の被害が目立つ植物です。

それゆえ、トマト栽培と農薬、さらには線虫対策の土壌消毒剤、殺虫剤とは切っても切れない農作物の代表でした。

そんなこともあって、線虫対抗性の品種の開発努力も盛んで、一旦は成果を見た時期もありましたが、現在は先に述べた温室化や連作化でその対策品種にも、線虫の被害が多発している作物です。

それだけに、シード会社Tでも、線虫防除に苦慮していたのでしょう。

ましてこの会社は全国でも知られた種苗会社、多くの顧客の線虫被害報告を目の当たりに見聞しています。

そんな中「これは面白い物質だ」いち早く使用したカナディアンフミンと、液体のフルボ酸で、線虫被害の発生が減少した現象を察知したのです。

やはりこの社長の経験と慧眼は、農業のプロフェッショナルの証明です。


~効果がまったくない腐食酸が多い~

この社長より「線虫対策の有効物質で販売ができるよ」当社の営業マンも、予期しなかったお墨付きの指摘を受け、線虫の被害の実態を、訪問先の農場で見聞し、カナディアンフミン物質と、液体のカナディアンフルボ酸の使用を勧め、多くの農家での実証で、線虫に効果ありと認識するようになりました。

そもそもこの物質は、薬品でも肥料でもありません。古代の植物群が地下に埋もれ、何千万年かの気の遠くなる年月の間に、土中で醸成された黒褐色の有機物で、古生代の微生物とか酵素などが製造の触媒体になった天然物質です。

大まかな表現で言えば「腐食酸」という範疇に入りますが、フミン酸、フルボ酸、ウーミック酸など独特の機能を持った有機酸が多いことが、普通の腐蝕酸と大きく違う所です。

ただし天然の有機質の、木や葉っぱ草などが腐蝕して出来た腐葉土と、フミン物質は本質的には同じと見られがちですが、機能性を持つか持たないかの相違は大きいです。

英語では腐植土や腐食酸はHumus(ヒューマス)と言いまして、Humic acid
(フミン酸)Fulvic acid(フミン酸)とは別物であると、世界のフミン物質研究者の間では定義されています。

それを証明するよう、腐食化した堆肥を土壌に撒いても、線虫の被害は収まりませんし、病虫害の被害も消えません。

しかし、本物のフミン物質を土壌に入れたり、液体フルボ酸を希釈して葉面撒布しますと、その効果は迅速に植物の成長や病虫害の減少となって現れます。

ただしフミン酸は世界のあらゆるところから産出もしますが、同じような物質構造を持ちながらも、埋蔵されている国や自然環境によって、機能性有無の相違は大きく変わります。

現在日本で流通しているフミン酸物質の多くは、泥炭や亜炭など微量に含まれているフミン酸を、化学製剤を使って抽出したもので、フルボ酸はほとんど含まず、天然物が持っている線虫対策やうどん粉病対策などの機能はありません。

まして植物を発酵させて製造した、天然フミン酸と称する人造物には皆無です、しかしそんなものまでフミン酸との名称で、農場に撒布されている実態も分かってきました。

「フミン酸は使った経験があるけど、効果はナーわからない。まして線虫などには効きません」

こんな答えをする農家がかなりの数にのぼります。

腐食物という名目で、土壌改善のために使用されるのは理解できますが、機能性は唄うことは不可能でしょう。

それでは、カナディアンフミン物質とカナディアンフルボが、なぜ線虫に効果があるかの考察に入ります。


~カナディアンフミン、フルボの特質機能~


まずこの天然フミン物質の性質からお話しましょう

1、天然の電解質物質、植物、動物などのイオンバランスの正常化と、微量な電価と電磁波をもった特質があり、この電解質が、成長、DNAの健全化、細胞透過、陽イオン陰イオンの交換、物質のキレート化、物質の分解と結合などさまざまな機能となる。

2、気体吸着力、植物に対し大気中の酸素、窒素、二酸化炭素の吸着と固定化、土壌への酸素供給が増え嫌気性病菌が減少、好気性有能土壌微生物の活性が高まる。汚染した空気、いやな悪臭を吸着分解で清浄化する。

3、吸水保水性、水を包含し保水能力が高く、乾燥、日照りなどによる植物への影響を少なくする。

4、光合成の促進、フルボ酸の葉面撒布により、葉緑素の増殖と活性が高まる。

5、有機分子構造、炭素(40-55%)酸素(30-45%)水素(3-6%)窒素(1-5%)を主体とし、その他硫黄、燐、シリカ、カルシウム、亜鉛、マンガン、ナトリウム、無為元素が若干含まれます。
有機分子としては天然ビタミン、タンパク質(ペプチド)糖類、ポリフェノール、キノン、抗生物質様、などが構成材料で、この有機集団も機能性が高い。

6、Phはフミン4.5ー5.5フルボ4.5ですが、使用のときは土壌や水の中で希釈されます。
それ以上アルカリ土壌や塩害土壌の正常化、農作物の成長に適した弱酸性化を計ります。

この物質の線虫に対する効果は、端的に言いますと殺虫剤ではなく「忌避材」です。

すなわちフミン物質やフルボ酸が植物の根やその周辺で活性化しますと、線虫が根茎、生産物などに取り付きにくくなり、または取り付いても増殖できない状態になると推察されます。

それでは、フミン物質、フルボ酸投与により、植物がどのような働きをして線虫の被害を回避してるかを考察します。

1、植物が丈夫に育ち、線虫が攻撃しても負けないので被害がでない

2、健康に育った植物は、病気に対し「免疫力サイトカイン」が働き、病原体や線虫を寄せ付けない

3、フミン、フルボにより「オーキシン、ジベレリン」など植物ホルモンが活発化し線虫被害が少ない

4、フミン物質フルボ酸は、作物が遺伝的に持っていた線虫を忌避、殺傷する物質を復活させる

5、電解質の効果で、人間が感じられない電磁波が出て線虫やその他の害虫が嫌う。

6、電解質が線虫の神経系に作用し活動を鈍らせる

7、フミン物質フルボ酸は、線虫や卵の細胞壁の健全化を阻害し繁殖を妨げる

8、土壌微生物の活性化により、各種微生物がさまざまな機序で線虫増殖の防御をする

9、菌根菌が発達すると線虫はじめ害虫、病原体微生物を捕獲する

10、病原性の真菌類を抑制すると、線虫の増殖も抑制する

11、窒素や燐酸の消化促進など土壌の栄養バランスが正常化すると、線虫が減る

12、フミン物質撒布で塩分を抑制すると線虫は減る

まだいろいろの作用がありますが省きます。

要は、健全な作物、丈夫な農産物を作れば、線虫も他の病虫害も寄せ付けない作用を、植物は本質的に持っています。

「利巧な虫は病んだ葉しか食べない」と言う例えがあります。

病んだ葉を食べて増殖し、農場一面に広がります、そんな結果を作った原因は何か、農場経営者が一番承知しているところです。

健全な土壌と健康の作物を作れば、病気は発生しませんし、害虫に浸食されません。

私たちは天然の古代腐食土の代表、フミン物質とフルボ酸の持てる力を、農場経営者がよく理解してもらい、健全な農産物を作り、消費者に安全安心を届けて貰うことを期待します。

と申しますのも、現在使用している線虫対策の薬剤毒性が、生産者にとって健康面で負担になっていることは、消費者への安全性を担保できないことに繋がります。

世界各国の文献を見ましても、現在使用されている土壌消毒、燻蒸、殺虫薬剤の問題点を次のように指摘しています。

1、オゾン層を破壊し温暖化をすすめる

2、発がん性の危険がある

3、植物のDNAなどに影響し、突然変異体が出来る危険

4、地下水の汚染、空気の汚染

5、薬物中毒の危険、作業員の危険、農作物への残留、種への影響で植物種の絶滅

こんな心配があることも伝えます。

フミン物質やフルボ酸は、線虫や各種病虫害を防ぐだけでなく、肌に触れても口から入っても、食物に一緒になっても、農産物に含まれても、すべて健康促進になる、まったく不思議な物質で、私は1日1回フルボ酸をお茶かコーヒーに1滴たらして飲んで健康です。

こんな効果も最後に報告いたします。

インド農業視察の旅

~人口の60%が支える農業、低い生産性の問題点~
      (酸化鉄土壌の改良に天然フミン物質の力)

 

インドの国を地図で見ますと、ヒマラヤ山脈を底辺とした逆三角型で、インド洋に突き出した先端南部の中心に、カルナ-タカの州都バンガロール市があります。

インドで三番目の大きな都市で、700万人の人口を抱え、工業の発展地区として有名ですが、今はハイテク都市としての認知度が高い高原都市です。

インドの中央に連なるデカンタ高原の南の端で、標高が920メートルと、日本の軽井沢に似た高さで、暑いインドの南部では、過ごしやすい湿度の少ない快適な街の印象が特徴です。

ところで、こんな快適さも気候だけ、街中は騒音と塵埃、ガソリンの臭いとごみの腐敗臭、道路上はトラックとバス乗用車が群がった渋滞、その間を縫うように走るバイクと、小さな三輪オートのタクシーリクチャー、、あふれかえる路上歩行者の群れ、その中を悠然と牛が歩み、犬が駆けずり回る、道路わきにはホームレスが住まうようなバラックやテントで、一家が食事をしている、ところどころに緑の木々に包まれた豪邸、そんな光景が走馬灯のよう目に入る、これがインド第三の都市の実態で、ごじゃまぜのどんぶり飯、めちゃくちゃな無秩序状態は、まさに戦争です。

こんな街の郊外の静かなホテルに5日間宿泊し、市内にある取引先の会社、会議やレセプションを開く市中のホテル、予約したレストランなど、すべて街中へ車で移動をしなければならず、その都度、街の雑踏の中でいやと言うほど時間を浪費させられました。

「インドは暑くて、食事に注意し、体を壊さないように」出発前、多くの人たちから注意をされた初めてのインド訪問でしたが、暑さと食事には心配はいりませんでした。

しかし人、人また人と、あふれかえる人の多さに驚かされ、車の渋滞と狂ったように鳴り響くクラクションには閉口した1週間でした。

海外出張の経験もかなり多く、違った文化や風習、国々の事情による交通の不便さや、独特な食事の味や臭いにも、抵抗感のない私ですが、毎回のように100メートルに10分以上掛かる進まない車と、隙間さえあれば割り込んでくる運転マナーの悪さには驚きました。

まさに、喧騒の世界です。

これも発展途上の過度期の現象で、こんなエネルギーが将来の国の発展に繋がると、見たほうがよいかもしれません。

そのように世界の新興国の中でも、インドはこれから大きな期待がもたれている最大の国の一つです。

やがて12億に達する人口の多さは、10年後は中国を抜いて世界1と予測されますし、国の面積は330万平方キロと、南アジアでは最大です。

英語が共通語であり、指導的立場の人たちの教養と教育度は高く、欧米との交流も盛んで、経済観念も優れていて、2010年のGDPも世界11位、日本円換算で120兆円と、新興国インドの評価は決して悪くありません。

さて私の今回のインド訪問はインドの農業視察です。

バンガロール市内にある農業大学や、天然有機物医薬の研究所、郊外の農場、養鶏場、さらに200キロ離れたハーブ薬草栽培農場など、短時間の中、可能な限り歩き回った視察でした。

もっとも、農業、畜産経営に貢献する資材、弊社の「天然フミン酸」「フルボ酸」の使用実態の調査も含めての訪問ですので、かなり末端の農業実態を目の当りに見、討論する機会にも恵まれました。

インドは農業国です、人口の60%以上が農業に従事し、農地面積も国土の60%近く、1億8000万ヘクタールで世界の2位となります、ちなみに日本は440万ヘクタールですからざっと40倍、日本の実質の農業人口も3.4%ですから、インドの農業に掛かる比重は高く、GDP比2010年度で14.4%と、重要な産業です。

しかしインドの農業は大きな問題点があります。

まず1960年代の食料不足の経験から、緑の革命の旗印の下、多収性追求に走り、化学肥料と化学農薬の多給で、今日の農業形態と収穫目標、作物品種と作業様式が出来上がってきたと考えられます。

日本もそうでしたが、第2次大戦後の食糧危機に対応し、農作地に大量の化学肥料を撒布し、品種改良で増産させ、病気発生には農薬の開発を急がせ、総力を挙げて食糧増産に拍車を掛けた時代がありました。

その結果多収穫の農産物となりましたが、農地は化学肥料と農薬など化学物質の混在土壌となり、残留農薬を含め問題が発生し始めてます。

インドがまさにその轍を踏んでいて、現在の農地は、化学肥料と農薬に汚染され、病虫害の発生と不安定な収穫に悩まされているようです。

インド農業の収穫高は、他のアジア諸国と比較してもかなり低く、全ての穀類の平均収穫高は同一面積換算で日本の50%しかなく、中国、韓国などと比較しては、その差はもっと大きく45%にしかなりません。

その理由のいくつかにあげられるのは、農民の勤労意欲と知識の貧しさ、農業指導の不徹底などがありますが、もう一つの要因に、土壌の固形化があります。

すなわち単粒構造で硬くしまり、保水性、保肥能力が悪く、空気流通が少なく土壌有用微生物の活性が少なく、作物の根張りが弱く成長が悪く活力がなくなります。

弱い作物は、病気が発生しやすく、その対策のためさらに農薬を使用する、収穫量が悪いので化学肥料を多給する、この悪循環がインド農業の根本問題になっているような気がします。

さらに、収穫量の低さを認めざるを得ない最大の理由に土質があります。

インドの土の色は赤茶色です。

今の日本では使われなくなりましたが、少し前、家の塀などに赤茶けた土を使う土塀があり、その赤茶けた色を私たちは「ベンガラ色」と呼称しました。

沖縄の首里城を見学したときも、このベンガラ色の壁だったと記憶しています。

ベンガラ色の語源が、インドのベンガル地方の土の色から来ていると後に知りましたが、ベンガルだけでなくインド全体の土の色が「ベンガラ色」なのです。

さてこの色は何からか来ているかと調べますと、鉄分、アルミ分など
水酸化物が多い酸化鉄の貧栄養酸性土壌で、亜熱帯地帯に多く見られ、
その名前を「ラテライト」と言います。

私は自分の手でそんな土壌の本当の状態を知るために、あちこちの農場に
入り込み、土に触り、掴みとって、手のひらに感ずる水分や硬度、
ざらつく感触を確かめてみました。

日本の肥沃な団粒構造の土壌と比較し硬、く柔らかさは微塵もなく、有機質の臭いは皆無の無機質な土に、収穫量が大幅に違う要因をそこに見つけていました。

なかには私の手の力では、掘り返すことができなかった、コンクリートのような硬さの土の農場もありました。

この乾燥しやすく硬くなる土の性質を利用し、日干し煉瓦があちこちで造られている光景も目に留まりました、農家の家屋の壁はこの日干し煉瓦、屋根はニッパ椰子の葉っぱ、この地方が地震がないことが、唯一の幸運といえる構造です。

「土が驚くほど固いですね」私の感想に

「土の性質もありますが、化学物質のやりすぎで土に弾力性がなくなった」と答えた、農業指導者もいました。

こんな赤土土壌か、あるいは水分はあるが粘土質の積んだ重い土で、空気のない栄養質のないやせこけた農地にも入り込み、手で掴んで土の感触を試してみました。

日本の黒くふわふわした、黒ぼくの土に馴染んでる私たちには、この地の農業の貧しさは、土壌の貧しさから来ていると思わざるを得ませんでした。

私たちを案内したのは、インド原産のハーブや健康食品原料、天然染料、天然の食品添加物、香料アロマのエッセンスの原料、このような機能性植物の生産を行っている、オリーブライフサイエンス社で、「ターメリック(うこん)」「クローブ(ちょうじ)」「アリーカ(びんろうじ)」「フェンネル(ういきょう)」「ジンジャー(しょうが)」「バイオルテイン(マリーゴールド)」などの契約農家農場を、会社社長の案内と解説で見せてもらいました。

契約農場主の素朴な対応と、日本からはるばる訪ねた年配者に対する礼儀は全て心温まるもので、どの国でも農業従事者は駆け引きがありません。

そんな態度に私たちも、知らずに両手を合わせ合掌し、お礼を述べますが、お世辞にも豊かな生活とはいえません。

聞くところによると、インド農家の平均耕作面積は2エーカー(8反、8000平方メーター)で、貧しい農民の収入は年間に日本円で4万円から5万円で生計を立てている人もいるようです。

そんな中で、オリーブ社の契約生産農場の総面積は、1農家2エーカー平均で5000人の契約農家があるようで、総面積は1万エーカー(400ヘクタール)となり膨大です。

1農家あたり平均収入は年間2000-3000US$と言いますから、日本円で16万円から24万円と安定しています。

しかしそれでもオリーブ社から見ますと、面積あたりの収穫量に不満があります。

また病気発生の危険性も見落としできません。

その解決のために、無農薬、無化学肥料で収穫量を確保する目的で、使い始めたのが私たちが紹介した天然有機酸のフミン物質です。

フミン酸、フルボ酸の商品は、すでにインドではポピュラーで、色々な商品が出回っていますので、私たちが紹介するまでもなく、農民はこの名称はよく知っていました。

ところがそんな環境のなか、私たちのフミン物質が大人気となりました。

理由は簡単、最も効果が上がり驚くほどの成長記録を出したからです。

さらに価格的にも納得できる収益性があり、契約農場以外の米、麦、とうもろこし、サトウキビ、イモ類、綿花、さらにココナッツ、バナナなどの果樹植物への投与も試されるようになりました。

なぜ成績が上がったか、答えはこのインド独特の土壌の問題点を緩和したことでしょう。

ことに消化されず邪魔者であった鉄分のキレート吸収により、作物の元気と収穫量が飛躍的に上がったことと、土中微生物の活動、保水性の回復、肥料の吸収など、死んでいた土地が生き返り、作物が生き生きしはじめたことです。

すなわち、この土壌に最も適した、天然有機酸フミンの電解質機能が、最も効果が発揮できたのでしょう。

さらに多給していた肥料が固形化し、未消化であったものを、分解、溶解し植物が吸収しやすくした功績は大きいです。

「インド農業の革命ができる」喜びのあまり、私たちに感謝した指導者もいました。

契約農家が200人ぐらい集まった会場に招待され、特別来賓として華麗な首飾りを頂戴し「日本とインドの友好をもっと高め、農業発展に貢献したい」と挨拶する私に、握手から握手と何人の農民の手を握り合ったか、記憶にないほどでした。

会場を後にする私たちに、大きな拍手の嵐が起ったのはその後でした。

来年、再来年と、インドの農業が少しでも変わることを願って、インド農業視察の報告を終わります。

 

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