人と鶏、インフルエンザ防御方法

〜発病を防ぐ免疫の自然治癒力〜
(免疫力を高めるにはペプチドタンパク質)

中国での鳥インフルエンザの人への感染は、日を追って増えています。

そもそも人へ感染したH7N9ウイルスは、本来鶏にインフルエンザを発病させるウイルスですが、鶏だけでなく農家で飼育されているアヒル、ガチョウの水禽類、さらには野鳥のハト、スズメ、カラスなど鳥類全てに感染しますし、場合によっては豚や牛などの家畜、はては犬猫のペットへの感染も考えられましょう。

それを考慮しますとこのウイルスは、中国全土に広がっているのでは、と疑いたくなります。

ただし鳥類にとっては感染しても病状が目立たなく、まして野鳥やアヒル、ガチョウなど、さらに家畜などでは、全然症状は出ません。

そんなウイルスがどう言うわけか人間に取り付き、典型的なインフルエンザ症状で死亡までさせます。

なぜ人間に感染するのか、また変異株に変わったのか、これからに研究を待ちましょう。

しかし現実の中国は、感染死亡のニュースが後を絶ちません。

こんな訳の分からないウイルス感染は、中国の人はもとより、在住の外国人にまで限りない不安を与えているでしょう。

ということは、鶏からうつされた可能性が高いのに、何処で感染し、どんな理由で発病したかも分からない、実態が見えないステルス飛行機のよう実に不気味な感染ルートです。

それ故うがった見方をすれば、H7N9型鳥インフルエンザ感染者は、発表された数字の何十倍もあるかも分かりません。

症状が軽かったり、感染と知りながらも医者にかからず我慢したり、お金がないから病院にいけなかったり、その中には死亡者も出ても、インフルエンザ状態は隠蔽し死亡届を出したり、広い中国ことに農村地区や底辺で生活する人々の実態は複雑です。

そんなことも考えますと、このインフルエンザは中国だけに限定されず、お隣の韓国、台湾、ロシア、東南アジア、そうして日本、さらには全世界に拡大しないとは言い切れません。

実際に4月25日の日本の新聞に、中国へ訪問帰国した台湾の人が、H7N9型のインフルエンザに感染し、重篤な状態との報道がなされていました。

この訪問者は鶏にも野鳥にも接触機会がなかったのに発病したということは、ウイルス保菌者の人からの感染と疑いたくなります。

このように人間から人間への感染の可能性だけでなく、現実には野鳥、渡り鳥はじめ、畜産の生産物、畜産資材、人間の交流などを通じ、関係各国の養鶏場に感染、爆発的にウイルスが増幅され、それが人へ伝播する、と言う図式がまず想定されます。

そこで私たち人間と、鶏を飼育している養鶏業者はどうすれば、この見えない侵入ウイルスを防ぎ、また感染発病させない方法を、真剣に検討し実行しなければならなくなります。

そんな方法のいくつかを、一緒に考えましょう。

まず一番分かりやすい予防法は、ワクチン接種による免疫抗体を作ることです。

私も老人といわれるようになった15年前頃から、季節性インフルエンザ発生のシーズンの冬が近づく11月頃、必ずワクチン接種しています。

それ故か、毎年必ず起る季節性インフルエンザ流行時にも、典型的な症状の罹病はしていません。

ワクチン効果だけなのか、ほかの生活習慣と環境、または健康を保つ栄養管理、毎日の仕事に追われての緊張、適度な運動など、毎日欠かさず飲んでいる特別なサプリメント、これら総合的な肉体管理もあいまって、インフルエンザがでないのでしょうか。

同じよう鶏にもワクチンがあります。

ただしこのワクチンは高病原性ウイルスのH5N1対象のもので、今流行のH7N9の低病原性のものではありません。

ワクチンはウイルスの型が変わると、効果はありません。

それゆえ、中国の鶏にはH5N1のワクチンは使われていましたが、H7N9のワクチンは接種されていませんので、今回の大騒動になったのです。

ご承知のよう、人間、鶏、豚などに感染するウイルスは、「H(ヘマグルチニン)」で16の型、「N(ノイラミニダーゼ)」で9通りの違った型のウイルスがあり、その組み合わせで合計144種が存在します。

人間の予防注射でも、ここ20年ぐらいの間、最も流行したウイルスを対象に製造されているようで、昨年私が接種したワクチンは1968年に流行したH3N2のA香港型と同じB型、それと2009年北米などで流行した、豚インフルエンザといわれたH1N1、2009型の3種混合のようです。

ですからもしH7N9型の鳥インフルエンザに感染したら、抗体がないので私も発病するでしょう。

このウイルスを感染者から分離し、それを種にワクチンを開発しても、かなりの時間を必要としますので、もしこのウイルスが爆発的に、鳥から人、人から人へと感染を広げたら、ワクチンは間に合いません。

困ったことです。

勿論、鶏に使用するワクチンも、弱毒ウイルスだけに開発はされないのではないでしょう。

最も日本では鳥インフルエンザワクチンは絶対的に使用禁止ですので、鶏への感染は無防備です。

ということは、この鳥インフルエンザは、鶏も人もワクチン接種による防御は考えられないことになります。

そこで、人間も鶏もワクチンなしでも罹病しない、健全な免疫力を持つことによって防御することと、ウイルスが侵入しない、させない生活習慣と環境を作ることでしょう。

まず一般的な人への身近な対策から申しますと、

1、外出帰宅後の手洗いうがい。
2、人ごみはなるべく避ける、またマスク着用。
3、充分な休息と睡眠、
4、規則正しい生活と、ストレスを起こさない生活。
5、バランスよい食事による、栄養が偏らない注意。
(免疫力を高める食事とサプリメント)
6、強い肉体を作るための適度な運動。
7、鶏肉、豚肉など肉類を調理した後の手洗いと、まな板と包丁の洗浄
8、肉類は加熱調理すること。
9、鳥インフルエンザ発生時は、鶏卵の生食はやめる。

さらに養鶏場、鳥類飼育者の注意事項(一般的な病気対策に準じる)

1、養鶏場場内の衛生管理の徹底。
2、鶏舎の消毒と洗浄、飼育鶏の健康管理と観察。
3、飼料、資材搬入車両と外来者の消毒励行とそれらの記録。
4、搬出鶏卵、肉鶏の消毒と車両の洗浄消毒励行。
5、野鳥、野鼠、害虫の侵入防御。
6、飼育鶏に免疫力付加。

洗浄、消毒はじめ手洗いマスク着用などは、ウイルスを感染させない物理的方法で、間接的で消極的ですが基本的なことでしょう。

一方、高い免疫力を人体と鶏体に付与させる方策は、免疫生理機能の充実で、もっとも積極的で本質的な防御策です。

私たちの体の免疫力は、いろいろな機能で成り立っています。

鶏も同じことですが、それらの機能を充分働かせるには、まず健全な健康体と十分な栄養摂取が大切です。

そのなかでタンパク質の重要性は充分認識してください。

というのは、免疫の諸機能と物質はすべてタンパク質を原料として構成されているからです。

私は免疫と抗体のことを、別名で「自然治癒力」と発言することが多いです。

健康体とは、人間でも鶏でも恒常性(ホメオスタシス)があります。

肉体細胞のひとつひとつは自己の恒常的状態を認識し、その恒常性を犯すものが侵入すると、侵入物に対して自動的に防御体制を作り、恒常性を維持します。

数えますと、呼吸や血液循環の自律神経(交感、副交感神経)、体温維持や消化の代謝エネルギー、内分泌(ホルモン)活動、各臓器の自働活動、免疫調整のサイトカイン機能、自己復元する遺伝情報、侵入物に対する抗体機能などなど。

これらが自然治癒力に繋がるもので、自己と非自己の判別が的確で、非自己に対しての反応と防御機能を発揮するのが免疫力といえます。

その免疫機能組織はかなり多くあります。

まず血液の中にある白血球のなかのマクロファージー、顆粒球、好中球、好酸球、リンパ球、リンパ球の中のがん細胞などに対するNK(ナチュナルキラー)細胞、Tキラー細胞、免疫グロブリンを作るB細胞、またリンパ腺は全身に張りめぐっています、そのほかリゾチーム、インターフェロンなど、さまざまな役割を先天的に持っています。

これらを自然免疫系といいましょうか、それともうひとつ獲得免疫があります。

これはご存知のワクチン接種と、一度ハシカやオタフク風邪に罹ると二度と感染しない抗体のことです。

この中でインフルエンザなどの異物ウイルスへの対応では、免疫グロブリン(Ig)の働きに期待したいです。

免疫グロブリン(Immunoglobulin)はB細胞で作られる分子量の大きな、タンパク質の総称でIgG,IgM,IgA,IgD,IgEなどに分類され、それぞれの機能分担があります。

ちなみに鳥類はIgM、IgY、IgAの3種類しかありません。

この5つのなかのIgAは腸管免疫をつかさどるのと、鼻腔、口腔などの粘液の中に存在し、鼻汁、唾液など通じて、ウイルス侵入の初期感染での対応する役目です。

母乳や血清、腸液などにも多く存在し、このIgAが非自己侵入者への防御の切り札で、ことに腸管免疫力は、健康維持と病気対応にもっとも大切な役割をもちます。

その免疫グロブリンIgAを生産するのは、やはりタンパク質でペプチド化されたものはIg生産に好適といわれています。

この冬、やはりインフルエンザが流行しました。

そんななかで「これを摂っていたから、インフルエンザに罹らなかったわ」と、私たちが開発した商品を愛用されている多数の人たちから感謝された製品があります。

この製品の目的は、お年寄りの元気回復と長寿、成年男女の健康維持と体力増強、ご婦人方の美容促進、スポーツ選手の筋肉ケアーなどで人気を博している、大豆胚芽を独特の酵素で触媒し、活性酸素除去能力を高め、また免疫力を強め病気に強い体を作ろうとしたものです。

この商品は大豆タンパクをペプチド化した代表的なもので、とくにアミノ酸のアルギニンを特化した、肝臓や血管系の障害にも対応力が強いです。

このタンパク製剤が、腸管のIgAを特異に増強する能力があることが、研究室のマウスの実験などで証明されていますが、いつの間にか風邪に強い製品として噂になった背景は、その特異なタンパク質にあったと思います。

しかし、ウイルスは実に訳の分からない物体で、もし感染したら潜伏期間中に体内で何万倍にも増殖し発病する性質があるため、まず感染させないことが一番ですが、不幸感染したら体内で、増殖を抑えれば発しないことになります。

H7N9型ウイルスも、多くの人に感染しているが、発病した人はそのうちの極わずかだと思います。

それは自然治癒力と免疫抗体のおかげだと推測します。

その要因にIgAの働きもあったと思います。

「治にいて乱を忘れず」の例えのよう、大丈夫と思っても保険にかける気持ちで、免疫抗体力を上げておくことが、このインフルエンザ対策の方策のひとつと思います。

次回もさらにこの稿が続き、インフルエンザ対策を考えます。

そのとき日本でも患者が出たということにならないことを祈ります。