2012年1月アーカイブ

脳梗塞(2)

   ~人間の尊厳を喪失する、重度の後遺症~
   (脳梗塞の発生と種類、意外と多い隠れ脳梗塞)


私が子供の頃、母の姉で私の伯母(おば)に当たる人は、まだ60歳前後でしたが、一日中布団に横たわるか、縁側にあった籐椅子に座ってすごしていました。

絶えず手と足が小刻みに震え、言葉もアワアワと聞き取れない状態で、私はその伯母の症状が不気味で「伯母さんはどうして、あんなになったの」母に尋ねると「中気に罹ったんだ」との答えでした。

中気(ちゅうき)とか中風(ちゅうふう)とか呼ばれる病気が、脳血管障害から来る後遺症だと知ったのは、大人になってからでした。

卒中(そちゅう)は脳障害が発生し、卒倒する事を指し、中は中毒の中で何かに当たったので卒倒し、その後遺症で気が中毒しているので中気、中毒の風にさらされているので中風と呼ばれたらしいです。

これらは全て、古典的な漢方の解釈で、ヨイヨイ病、フイフイ病などと、不治の病として気の毒がられたものです。

この脳血管障害の病気は、脳内に出血するか、血管が詰まるか細くなるかで、どちらかで脳細胞に血液が届かず、細胞が壊死する病気全体を指しますが、その中で血管が詰まる脳梗塞が70%の比率で、脳溢血やくも膜下出血より多く見られます。

その脳梗塞も、細かくは脳血栓症、脳塞栓症、一過性脳虚血症などに分けられ、さらに血管内の脂質で血流がとまる「アテローム」型、細かな血管に多発する「ラクナ」型、不整脈や心房細動などにより心臓から流れてきた血栓で詰まる「心原性」とに大別されます。

最も多いのはラクナ型の血栓で、中には無症状な「無症候性梗塞」などもあり、一名「隠れ脳梗塞」と呼ばれる多発性脳梗塞もいれますと全体の40%を占めているようです。

脳ドック診断などでMRI検査の結果、あちこちに細かい梗塞が発見された、など指摘された経験をお持ちの方がいると思いますが、ある程度年齢が進みますと、多かれ少なかれの細かい血管に脳梗塞が発生した形跡が認められるらしいです。

隠れ脳梗塞は、自覚症状としてはほとんど病状もなく、記憶もありませんが、なにかのとき名前が思い出せなかったり、物覚えが悪くなったり、言葉が瞬間詰まったり、めまいがしたり、手足に痺れが来たりしたなかに、ラクナ脳梗塞があったかもしれません。

ただしこれらは重症な脳梗塞の予兆であって、その原因は血液がどろどろになり固まる粥腫(じゃくしゅ)や、小さな血栓ができ、抹消血管を詰まらせているので、立派な脳梗塞の一種です。

さらに言い換えれば、本格脳梗塞発症の予備軍です。

予備軍どころか、ラクナ脳梗塞は細小の血管の脳梗塞ですから、多発するケースが多く、歩行困難、言語障害、痺れ、感覚麻痺、など各種の障害が現れてる人もいますし、それが高じて認知症、パーキンソン症候群などに進む人もいるので、結果怖い病気ですから、医者の診断のもと適切な治療を望みます。

次に多いのはアテローム型の脳梗塞です。

頚動脈や椎骨脳底動脈にできた、どろどろした粥状の脂質がアテロームですが、それが原因で出来た塊が脳血管に飛んで梗塞を起こす、あるいはアテロームが増えて血管が細くなり、血流に支障をきたす梗塞など含め、約35%ぐらいになります。

これは脳細胞に近い頚動脈などの血管に出来る血栓だけに、重症疾患になるケースが多く、血管の中の脂質を除去し、中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)の数値を改善しなければなりません。

私も不定期ですが、折に触れ頚動脈の検査を行い、不正な血流や脈動の音、血管内のプラーク(血栓)の有無を調査してもらってます。

数年前右側の頚動脈に2ミリほどの塊が見つかりましたが、その後の検査でそれが消えている報告を受け安心しましたが、今年チャンスがあれば再度検査をする予定です。

前回のメルマガに登場した、私の友人Iさんの一過性脳虚血症の原因が、心房細動による心臓からの血栓との医者の所見は、典型的な心原性の脳梗塞で脳塞栓症といいます。

不整脈や心不全などで、心房が細かく震える病気ですが、血液が心房内に滞り血栓が出来やすくなり、その塊が血液の流れに従い、脳血管に梗塞を起こす疾患で、全体の25%ぐらが心臓と関係する脳梗塞です。

心臓から出る血栓は困り者で、心臓の動脈が詰まれば心筋梗塞となって、脳梗塞同様早期手当てを必要としますし、手足の動脈を詰まらせれば、痺れや壊疽、歩行困難や運動障害となります。

それだから、この心原性の脳梗塞予防は、心臓の不全治療を同時に行う必要があります。

記憶が新しいところでは、野球の巨人長島元監督の脳梗塞が、この心房細動による心原性脳梗塞と発表されていました。

ところで一過性脳虚血症の場合、血管全てが塞がらないで、一部がつまり脳細胞に充分血液が届かない程度では、卒中を起こして倒れたり、手足が動かないなど、顕著な症状が出ません、また発症してから早いもので数分から、長くても24時間ぐらいで、詰まっている血栓がなくなり、血流が再開し体調の異常が正常に戻るので、そのままでは脳梗塞の発症を意識しない人もかなりいます。

しかしこれは非常に危険で、一過性は次の重症脳梗塞の前触れと思い、絶対予後の手当てと再発予防を実行しなければなりません。

友人のIさんが、奥さんの判断と指示で、設備の整った病院に入院し、発症後の手当てを迅速に行い、正常に戻ったのは非常に幸運で、彼が少しの体調不良だと高をくくっていたら、現在どうなっていたか分かりません。

学校の友人A君の場合はもっと顕著で、医者一家の中で生活していたので、その処置はもっと迅速だったと思われます。

このように、脳梗塞発症後の3時間以内に、血栓を溶かす薬剤を投与し、詰まっていた血栓などが溶解すれば、脳細胞の壊死は免れることが多く、脳梗塞特有な身体的後遺症の危険率も少なくなります。

脳梗塞の恐ろしいところは、一命を取り留めても重度な後遺症が残ることです。

よく右脳が侵されると、左半身に麻痺が、左脳に血栓ができたら右側半身に後遺症が残ると言われます。

左足と左手がよく動かない、または右顔面麻痺と右の手足の不自由な、気の毒な患者さんを見かけることがありますが、手足を動かす脳神経が壊死したために、命令を正しく伝えられないので、あとはリハビリなどで、その神経の活動を再稼動させる、努力を必要とします。

言語中枢を侵されますと、失語症をはじめ発音ができません。

雄弁な人が言葉を失うことは、非常につらいことです。

このように、脳梗塞の後遺症は「人間の尊厳の喪失」を伴います。

それまで築いた社会、生活、経済活動がたたれ、自分の意思と意識が通じないもどかしさに、人格まで変わることもありえます。

やはり高校時代の友人のO君は、3年前軽い脳梗塞の発生で倒れ、幸い運動神経には支障がなかったが、言語が上手に発音ができず、そのもどかしさからうつ病になり、人との面会はもとより、自殺願望に性格が変わったようです。

彼の奥さんからは、気の置けない昔の友人には、心を開くので積極的に誘ってくださいと頼まれ、折に触れ誘い出して、居酒屋で一杯やるようになり、最近はかなりしゃべれるように改善し、そうなると心なしか元気になったように見えます。

「こんな状態では生きていても仕方ないと、首をつろうと何回も思った」そのときの気持ちを、真情こめて話す中身は迫真があり、脳梗塞の恐ろしさを垣間見た気がします。

深刻なのは、鎌倉にいるこれも古い友人ですが、70歳前夫婦で熟年世界旅行に出かけ、ヨーロッパで発病、手当てもままならないまま帰国、そのまま重度の後遺症で寝たきり、言葉も発することができず、ご夫人の懸命な看護があってようやく生きながられている状態のようです。

先日も他の友人が見舞ったとき、「がんばれよ」との励ましに、ただ目にいっぱい涙をためて、見返すだけで言葉は勿論、頷くこともできない状態を見て、見舞った友人も、それ以上の言葉が出なかった、との報告を受けました。

この例は、典型的な重度の後遺症で、昏睡している植物状態ではなく、介護を受けながらの食事もし、意識もしっかり、生きている感情もあるだけに、かえって可愛そうな状態です。

このように、脳梗塞だけでなく、脳血管障害の、脳溢血、くも膜下出血などは、一命を取り留めてもその後遺症の中気、中風状態で、生活条件を狭められ、思うように生きられないもどかしさの中で、一生呻吟するようになります。

よく友人たちとの会話で「もし血管障害が発生するとしたら脳の出血は御免だ、心臓がいい。

心臓は瞬間的に死ぬし、手当てがよく直れば普通人として過ごせる。

脳障害は治っても、後遺症で何年も苦しむ」

この会話は、多くの高齢者が持っている気持ちを代弁しているのでしょう。

さてさて、脳の血管を大事にする日々の生活を心がけるのには、どうしたらいいか、まず血管を脆くする動脈硬化にならないこと、それには高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満にどう対処するか、次回はそんなこと考えましょう。

脳梗塞(1)

  ~友人達におこった一過性脳虚血症~
  (加齢から来る動脈の硬さともろさと血栓)


昨年の11月終りと12月はじめ、私の同年代のゴルフ仲間二人が、同じような症状の「脳梗塞」の発症で緊急入院しました。

多くの方はご存知と思いますが、脳梗塞とは脳細胞に張りめぐっているどこかの血管が、血栓などにより詰まり、血流が停止し、血液が届かない脳細胞が壊死し、機能不全となり、最悪はその原因で致死に至るか、もし一命を取り留めても重大な後遺症が残り、運動機能や言語機能に障害が起る恐ろしい病気です。

発祥の原因はさまざまですが、高血圧、高いコレステロールなどですが、多くは加齢による血管の傷みや硬化、さらに血管内にたまった脂質と血栓(プラーク)が原因となります。

ことに硬い塊となった血栓が動脈を詰まらせ、脳障害による独特な症状を呈しますので、脳梗塞の発症はそれとなく素人にも分かるような病気です。

私の母親を含め私の一族には、脳溢血、脳梗塞の発症者が多くいますので、血統的に脳疾患病に対し注意しなければと、血圧、コレステロール、動脈硬化予防には関心が強いです。

それと言うのも、卒中、中気、などの症状を子供の頃から見ていて、怖くいやな病気とのイメージが今でも残っているからです。

それゆえに、なぜ血栓ができるか、脳梗塞発症の前兆はあるのか、発症したらどう対処するか、また発症しない方法はどうするか、これらのことに気を使います、今回はそんなことを意識しながら、具体例を混ぜながら考えてみましょう。

今回発症した一人、81歳のIさんは、年齢的には立派な後期高齢者、血管年齢もそれだけ歳をとっているので、血栓発生もがあっても不思議ではなく、発症した直後その知らせを聞いて、やはり彼も歳だなと妙に納得しました。

私とは古い友人でかれこれ60年以上、現在は仕事の付き合いもあり、2~3年前までは毎週の土曜日、ゴルフを一緒に堪能した好敵手です。

たまたま11月下旬、私の会社が参加出展した農業関係の展示会に彼は出かけようとし、自家用車の運転席に乗った時発症したようです。

しかしその瞬間、彼自身は体の変調を意識せず、車の発進をしようとしましたが、その様子のあまりの異常さを見抜いた彼の奥さんが、慌てて運転を止めさせ、大事故にいたらなっか幸運を得ました。

一般的に脳梗塞という病気のイメージは、脳血管障害の症状として卒倒、運動機能停止、言語障害、意識障害と連想しますが、彼の場合意識も運動適応力もあり、まして本質的な身体機能には異常がなかったようです。

もっともこの話は、見舞いに行った私に、病院のベットのなかで本人が語ったことで、実際は体はふらふら、発進した車は蛇行し、あちこちにぶっつけて、傷だらけにし、話している言葉もろれつが回らない状態で、それでいながら本人は「体は悪くない、どうしても出かけると」むちゃくちゃな意地を張るため、それを思いとどめるのに言い争い、まるで喧嘩でしたと、それはそれは大変だった話を、奥さんからすでに聞かされていましたから、病気になった本人は気楽なもんだと苦笑しました。

当の本人は、奥さんとのやり取りのいきさつをすっかり忘れているようで、やはり脳梗塞の典型的な意識と認知の障害が出ていて、その間の記憶が飛んでしまって、言い争ったことなど忘れています。

無理やり近くの医院で診断、すぐに設備の完備している大病院に入院、大事に至りませんでした。

手当てが早かったので、非常に恵まれたケースです。

医者の診断は「一過性脳虚血症(TIA)」と言うことでしたが、入院時には梗塞を起こした血管に血栓がなくなり、正常になりつつあったようで、本人の意識も奥さんと言い争ったことなどケロッと忘れ、おとなしく入院し、脳梗塞発症の老人患者となったようです。

MRI検査の結果でも梗塞を起こした血栓の存在が認められず、後遺症も皆無でしたが、なぜ突然に一過性にしろ脳虚血症が起きたか、医者に質問したところ、彼には本来心臓に不整脈があり、おそらく心房細動による心臓からの血栓が、脳血管を詰まらせたのだろう、との意見を聞かされたようです。

というのも、一過性の梗塞といっても、それは重大な脳梗塞の発症前兆かも知れず、その後の適切な治療処置と、入院による経過観察の必要があり、約20日間ほど病院に滞在、退院後暮れの12月26日に私の家に退院の挨拶に来まして、入院前よりも元気な顔を見ることができました。

もう一人の友人A君は、高校時代の同級生、横浜で開業している内科の医者で、私たちが定例で行う同級生ゴルフコンペの常連でした。

医者は時間と金があるのか、ゴルフの経歴も実力も高く、ハンデもそれなりでしたが、昨年10月に同じ組で回り、彼のゴルフにいつもの冴えがなく、不安定なスイングとミスショット、パットも入らず、どうしたのか体調が悪いか懸念したほどでした。

結果私が優勝、スコアが悪い彼がブービーで、彼と私が次回幹事になる予定でしたが、他の友人から暮れに「A君が脳梗塞で倒れたので代わりに私が幹事を君と一緒にやる」とのメールが入り驚きましたが、その兆候が秋のゴルフのプレーに、現れていたのではないかと気がつきました。

正月になり彼からの年賀状が到着し「脳梗塞であの世行きの一歩手前まで行きましたが、処置が早かったので助かりました、後遺症もなく元気ですが、ゴルフはしばらく休ませてください」とありました。

新幹事の友人のメールには「彼は医者、息子も医者なので、症状が出たときすぐに手を尽くし応急処置をしたので、大事にならなかった」との情報が送られてきました。

詳しくは分かりませんが、彼も「一過性脳虚血症」だったかもしれません。

もしかすると本格的な脳梗塞だったが、血栓溶解剤の早期投与あるいは血栓除去手術など、周囲に卓越した医師たちがいて対応出来た恵まれた環境が、年賀状の文面になったのでしょう。

また何時の日か、元気になった彼とゴルフを楽しみ機会があったら、詳しくあの世からの生還状況を聞いてみたいです。

さて、IさんもA君も私と同世代の81歳と80歳、決して若くはありません。

ことに加齢による肉体の機能と細胞は、かなりの疲れと傷みが生じてきています。

ことに血管はその代表で、老化は血管から始まると言えるくらい、年中無休の働きを続けていただけに、もろくもなっています。

だから、何かきっかけがあると、血液を循環させる心臓や血管に必要以上の負担がかかり、肉体的に生命にかかわる問題を起こします。

今回の脳梗塞発症も、これから本格的な冬を迎えようとした時期に、発作が起きたのは偶然ではなく、朝晩の冷え込みと日中の温かさの温度差を調節をするため、心臓と血管に若干の負担が掛かったことが原因の一つでしょう。

なお困ることは、これら循環器に傷みや疲れが生じても、痛くも痒くもなく日常生活に支障もきたしません。

ことに血管がもろくなる原因の一つ動脈硬化などはその代表で、サイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ばれ、無症状です。

もし不幸にして動脈硬化原因の病気発生となると、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、動脈瘤破裂など血液循環に支障をきたす重大な疾患のケースが多く、発症後のすばやい治療処置がないと、生命の危険が最も多い病気です。

そのなかで、血管が詰まるか細くなるかして、血液の流れが止まるか、流れが少なくなり脳細胞に、酸素や栄養が行き届かなくなったが病気が、脳梗塞と脳血栓症、脳塞栓症、一過性の虚血症などと呼ばれる疾患です。

その原因はいろいろありますが、最も気をつけることは生活習慣から来る症状の「高血圧」「高脂血症」「糖尿病」「肥満」などで、「死の四重奏」と比喩される危険因子です。

それらの症状をさらに悪化させるのは、生活習慣と環境で「喫煙」「過食」「飲みすぎ」「アンバランス食事」「運動不足」「ストレス」「睡眠不足」「不規則な生活」などがあり、そのほか「遺伝体質」「性格」「感染症」「住居環境」などが関連し、さらに「加齢」が加わりますと、危険因子は広がります。

この中で、加齢と体質は変えることができませんが、生活習慣病といわれる死の四重奏は努力次第で解決できます。

それだけに「転ばぬ先の杖」ではありませんが、日ごろの生活習慣にもっと関心を払い、老後の寝たきりを防ぐ手立てを考えましょう。

さて次回は、脳梗塞の原因と予防治療について、私の友人たちのケースも題材にして探っていきたいと思います。

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