2014年11月アーカイブ

人畜共通感染症の恐ろしさ(その2)

〜可愛い愛犬や猫ちゃん、小鳥が危険宿主〜
(怖いカビ毒は生活環境の周りにたくさん)


小学6年生の頃「田んぼや山の中に「ツツガムシ」と言う小さな虫がいて、
刺されると病気になるから気を付ける」と担任の先生から教えられました。

この「ツツガムシ」という虫の存在が、
農作業中や山林原野を歩いているときふと気になり、
ここは大丈夫なのかと心配もしたものです。

そんなこともあり「つつがなくお過ごしですか」と手紙で安否を尋ねる常套句は、
このツツガムシに侵されないでいることが語源と思い込んでいましたが、
安否を気遣う言葉は「ツツガムシ」とはまったく関係なく、
丈夫で病気をしない状態を日本語で「恙無く(つつがなく)」と表現することと後に知り赤面しました。

しかし実際は「ツツガムシ病」は列記として存在しているのです。

野ネズミに寄生しているダニが持っているウイルスと細菌との中間のサイズの「リケッチア」菌で、
そのダニが人間に寄生、咬まれると感染する、
多分に風土病的色彩が強く、日本でも過去は東北地方に多く発症が見られた病気のようです。

高熱が出て全身に紅斑ができ、重症感染者は臓器不全に陥る危険もあります。

ところが最近はペットのイヌ、ネコ、プレーリードックなどにもこのダニが寄生し、
それを通じ日本だけでなく東南アジア、オーストラリアなど外国を含めこの感染症の発病があるようです。

このリケッチアによる感染症はほとんどがダニなどの吸血昆虫が媒介し、
これがペットに寄生し、ペットを介在して人間に感染するようです。

ことに今のペットは家族の仲間、飼い主と濃密な接触が日常の行為、
室内で飼育されている状態が多いので危険がいっぱいです。

口移しで餌を与えたり、一緒に寝たり、抱きしめて頬すりしたりは、
ダニやノミを介さなくても、ペットが持っている病毒菌はたやすく飼い主を感染します。

また糞や尿の処理が悪く部屋を汚染させていると、部屋中が感染媒体にもなります。

実際、真菌の「イヌ、ネコ糸状菌症」イヌ、ネコの線虫による「回虫症」
イヌ、ネコにも罹病する「結核」「黄色ブドウ状球菌感染症」「連鎖球菌感染」
などペットに感染する細菌や寄生虫は、たやすく人間にも感染します。

ネコの爪のひっかき傷で感染する「猫ひっかき病」も、
ネコに寄生するダニによっても感染しますがこれもリケッチアです。

ひっかかれたところ、ダニに咬まれたところは、
赤く腫れ熱が出て全身倦怠などの症状も出ます。

同じようネコからの感染が目立つものにリケッチアの「Q熱」があります。

ネコは無症状ですが人間に感染しますと、発熱、疲労感、
関節痛などインフルエンザと見間違う症状が出ます。

「日本紅斑熱」もマダニで、イヌ、ウサギ、ネズミなど媒介して感染、高熱、
頭痛、赤い斑点が皮膚に発生する病気です。

人に感染すると脱毛になったり、皮膚にはかゆみが発症する「疥癬症(かいせん)」
もイヌ、ネコが脱毛を起こし、かゆみを発症し毛並みが乱れる症状です。

これもダニを通じて感染したもので、
ペットと飼い主の強度接触がもたらした双方に発症する疥癬症です。

それやこれやで、可愛い愛玩動物があなたの命を奪う危険動物に変身しないよう、
日ごろのペットの状態観察が大切で、
またペットの飼育環境を清潔にすることが重要です。

ダニではないが同じ吸血昆虫のシラミ(虱)によって伝染するリケッチアの
怖い病気に「発疹チブス」があります。

第二次大戦が終わり、戦場から引き揚げてきた復員兵がこのシラミを日本に持ち込み、
衛生状態の悪い戦災浮浪者など風呂にも入らず、
汚れたままの生活を余儀なくさせられていた人たちに、大量発生した記憶があります。

このシラミが保菌した「発疹チブス」菌に感染しますと、
高熱と全身に赤い発疹ができ、最悪は死亡することも多く、
シラミ対策にいまは使われませんが有機塩素系殺虫剤「DDT粉剤」を
頭からかけられた浮浪者をずいぶん見ました。

わたしも中学生のころ駅前で、駐留軍のアメリカ兵に強制的にこの粉剤を
あっという間に掛けられた経験があります。

有機塩素系は危険薬物で発がん性があり、今は製造も流通もしていませんが、
そんなことを知らない当時、シラミ退治の特効殺虫剤で有難がられました。

ただしこの発疹チブスは、イヌ、ネコ、ネズミなどを中間宿主にしないで、
人間そのものが宿主で、シラミが媒介昆虫となり、人から人へ感染を拡大させただけに、
終戦直後の混乱した世情を一層困惑混乱させました。

リケッチアではありませんが小さな細菌のクラミジアよる「オウム病」もあります。

これの媒介者はオウムだけでなく小鳥など鳥類が感染する病気で、
これも人に感染しますと、インフルエンザ症状の肺炎、
気管支炎の症状が顕著で発熱倦怠感など、厄介な病気です。

カビの仲間の真菌(糸状菌)も非常に危険な病原菌です。

病原性の危険な真菌の代表は「アスペルギルス」「ガンジダ」「クリプトコッカス」「白癬菌」などですが、
これらのカビ菌がペットに寄生しダニを通して感染する病気に「皮膚糸状菌症」があります。

「かいせん症」と違い、イヌ、ネコにはあまり症状が出ず、
人の皮膚に円形の紅斑ができてかゆみを発生させます。

この夏私の脇腹にできたかゆみを伴った赤い発疹を医者は、
この真菌症の「白癬菌のたむし」ではないかと診断し、皮膚を採取して培養、
顕微鏡検査を2回にわたって行ったが、菌が検出されなかったようです。

しかし、真菌対応の塗り薬で治ったのですから、
カビ性の皮膚炎だったのでしょう。

ただし、我が家はペットもいないし、
接触した記憶もないので感染原因がわかりません。

ちなみに、この白癬菌は「水虫」、頭に出る「しらくも」、
股間にかゆみを起こす「いんきんたむし」などがあります。

「クリプトコッカス」もカビ細菌により鳥類(ハト)や、
イヌ、ネコに感染保菌が多く、この動物を通して人に感染しますと、
鼻炎、肺炎から最後は脳炎にまで進行するので注意がいります。

「アスペルギルス」のカビ毒も困ります。

私も養鶏場を経営していた昔、同業養鶏場でこのカビ菌で鶏が呼吸器病を発生し、
大きな被害を出した現状を見ています。

この同業の友人は、飼料タンクに発生したこのカビ菌が鶏に感染したことも知らず、
鶏の管理を続けたので、いつの間にか彼の肺に浸潤し、
気管支炎からカビ性肺炎になってで長期間通院するようになりました。

餌に発生するアスペルギルスのカビの恐ろしさの代表が、
青カビの「マイコトキシン」の毒素です。

これを食べた家畜や鶏は、消化器官臓器に大きなダメージを起こし死亡しますが、
人間にもこのカビ毒は死亡事故を引き起こします。

このようなカビ菌は私たちの周りにたくさん存在し、酒を造ったり、
醤油や味噌の発酵に役立つ善玉有能カビもアスペルギルスの仲間で、
また青カビから発見された抗生物質「ペニシリン」はことに有名です。

ところが巷に跋扈する真菌類のカビは、肺炎や皮膚炎を起こす悪玉が多く、
免疫力や抵抗力が低下した人や、乳幼児などには容易に感染、アレルギー症状を含め、しつこく病状を発生させます。

また生息場所も土の表面や土壌中、あるいは植物や動物と食物、
そして建物から部屋の中、風呂場からキッチンなど湿気の多いところは大好きであらゆる所に生存します。

またカビはダニの好物で、それを餌にダニは増殖、
そのダニはカビ菌を持ったままペットを経過しなくても、
あらゆる機会に直接的に人間に被害を与えます。

土壌と言えば土壌菌の中にも怖い菌が潜んでいます。
代表的なのは「炭疽菌」と「破傷風菌」で、
ともに人畜共通感染症で同時に家畜の法定伝染病として届け出を必要とする伝染病です。

「炭疽菌」は空気の好きな芽胞菌の「バチルス属」で強い菌です。

草原の中で芽胞(カプセル)の中で長期間生存も可能で、
牛や羊などの草食動物のお腹の中で繁殖し、
排泄物で土壌と草むらなどに循環されています。

「炭疽菌」が動物に感染しますと、敗血症を起こし死亡率が高く、
さらに動物を通して人間が感染しますと、まず皮膚に炭疽菌が付着し炎症を起こし、
リンパ腫瘍から最後は敗血症で生命の危機にもなります。

「破傷風」は「クロストリディウム テタニ菌」による毒素で、
強烈な症状が起きる感染症です。

この菌は空気の嫌いな芽胞菌で土壌の中にかなりの割合で生息し、
環境変化にも強い菌です。

ことにこの菌は傷口などから感染しますと、発熱から脳、脊髄の神経を犯し、
筋肉の緊張、顔面硬直麻痺を起こす神経毒素により到死率が高いです。

家畜も同様な感染経路と症状で、死亡率が高いのが特徴です。

「破傷風菌」の仲間には「ポツリヌス」「ウエルシュ菌」など毒性の強い菌が多く、
鶏の腸管に発生するウエルシュ菌は壊疽性腸炎を引き起こし
多大な損害を与えます。

私もブロイラー鳥の原種農場を経営しているとき、このウエルシュ菌、
クロストリディウム パアフェリンゲンスに感染し、高価な原種系の鶏を多数死なせ、大損害を被りました。

これらの真菌と土壌菌は、動物と人間の生活圏の間近に存在し、環境変化にも強く繁殖能力も旺盛で、
隙あらば動物と人間にいつでも危害を加える共通の感染菌で、
撲滅が難しい菌です。

次回は細菌による感染症と特殊な人畜共通の感染病に触れましょう。




人畜共通感染症の恐ろしさ(その1)

〜エボラ出血熱から鳥インフルエンザまで〜
(ペット、家畜、吸血昆虫からの感染症)


「人畜共通伝染病(Zoonosisズーノーシス)」と言う言葉は、前回、我が家の
ハクビシン騒動顛末のなかで使いました。

動物から人間へ感染する伝染性の病気の総称です。

犬、猫、小鳥などのペット、牛、豚、鶏などの家畜、ネズミ、サル、ハクビシン、蝙蝠等の野生動物、蚊、蚤、ダニなどの身近に生息する吸血昆虫などが持つ病原菌が宿主となって人間に感染し、深刻な病気を発生させることを「人畜共通感染症」とか「動物由来感染症」といいます。

ハクビシンも11年前中国で発生した恐ろしいSARS(重症急性呼吸器症候群)発症の中間宿主として、ウイルスを伝播(でんぱ)させた「動物由来感染症」の張本人として処置された過去があります。

ご承知のよう、地球上には私たちの目に見えない微生物や微小動物がたくさん存在し、その中には病原性を持ったウイルスや細菌、原虫、寄生虫などが、自分たちのコロニーを増やすため、適当な動物や植物に寄生し繁殖しています。

その病原体は機会があるごとに、繁殖条件の良い宿主動物に乗り換えることが生業で、最終的に恒温動物で免疫力の弱い人間に寄生することで大繁殖し暴れます。

その前の感染保菌宿主がペットだったり家畜だったり昆虫だったり人間の身近に存在、その動物を介してたやすく感染するのです。

いま世界で大問題になっている「エボラ出血熱」も蝙蝠のウイルスがサルに感染、宿主になったサルから何かの機会に人間に感染、そして人から人へと容易にウイルスが伝播し、完全な予防法と治療法がないまま、患者が増え死亡者が続出する所から、世界の保険機構を悩ましています。

まして、ウイルスの感染速度と拡大は、人間の移動の速さと行動範囲の大きさに比例します。

たとえば西アフリカで発生した「エボラ出血熱」にしても、アフリカはもとより欧米諸国からアジア、中東、中南米、オセアニアまで、人間の往来がある以上は感染の危険度はどの地域も同じです。

これと同じ潜在的に恐怖をもたらしている「人畜共通伝染病」のひとつが「鳥インフルエンザ」ではないでしょうか。

ご存知のよう、ここ数年前から世界の養鶏産業に多大な損害を与え、ことにアジア地区では、多くの人命が、このウイルス感染症で失われています。

10年前大問題になった「SARS」は終息し、ウイルスの影も見えませんが「鳥インフルエンザ」は現在でも、いろいろな形を変たウイルスとして残存、世界各地で鶏や水禽に被害をもたらしています。

ことに最近中国などで発生しているH7N9タイプのウイルスは、過去流行した強力なH5N1と異なり、鶏には顕著な症状が発生せず、いつの間にか人間に感染する忍者のようなウイルスで、もしこのウイルスが人に感染し、人型ウイルスに変わった時、人から人への感染が容易になり大発生となり、世界中をパンデミック(Pandemic)の恐怖に陥れるか分かりません。

ウイルスの発生原が鶏で、世界中には何百億羽と飼育されているだけに防ぎようがなく、さらに困ることは、渡り鳥はじめ各地方に常住している野鳥がウイルスの伝搬役割をするので、この病気の解決はますます困難です。

鶏の法定伝染病のひとつ、ウイルス病の「ニューカッスル」があります。

鶏にはインフルエンザと同じよう呼吸器障害で死亡率が高いですが、人間は呼吸器感染はなく目にウイルスが入ると結膜炎を引き起こします。

ウイルスの怖い伝染病のひとつに「HIV エイズ」があります。

この病原体もチンバンジーのウイルスが、人間に伝播したものと伝えられています。

この病気もアフリカの風土病的色彩が強かったものが、動物の生存地域まで開発という名のもとに人間が侵略し、容易にこのウイルスに感染、さらに人間交流の拡大により、世界的に感染を広めました。

ことにこの病気は、人間同士の生殖と生理的欲望の行為が、感染拡大と伝播の元凶ですから深刻です。

これらは代表的なウイルス病ですが、古典的なウイルス病に「狂犬病」があります。

この病気は犬と人間に同じような症状が発生、犬は狂い昏睡して死に、人間も神経症になり昏睡状態で死にます。

しかし日本では、飼育犬の狂犬病予防のワクチン摂取徹底で、この病気の心配はありませんが、開発途上国などへの旅行ではまだまだ注意が必要です。

そのほか蚊から伝染する「西ナイル熱」同じ蚊からの「日本脳炎(ポリオ)」1999年マレーシアで話題になった豚からの感染の「二パウイルス」は人間に脳炎を発生させます。

この夏、東京の代々木公園散策で発症した「デング熱」も蚊が媒介し、秋になっても蚊取り線香がよく売れて話題になりましたが、これは熱帯病のひとつで、赤道に近いところでの発症が常識でしたが、近年の温暖化により、亜熱帯以北の国々でも発生が多くなっています。

熱帯病で有名な蚊から伝播する病気に「マラリア」がありますが、これはウイルスでなく原虫病です。

原虫が血管に入り、赤血球を破壊し高熱に侵されますが、困ることにマラリア原虫は患者の中に定着し、媒介の宿主になることです。

このように人畜共通伝染病の中には、原虫や寄生虫などによる疾病もかなりあります。

家畜と関係の深い疾患に「トキソプラズマ」と「クリプトスポロジューム」があります。

この二つとも原虫によるもので、「トキソプラズマ」は妊婦に感染した場合、流産や胎児に先天的障害が起きますので危険です。

豚肉や牛肉の生肉からの感染が話題にされますが、猫なども中間宿主で糞の中にこの原虫のオーシスト(卵)が排泄され、その感染危険度は生肉より高いでしょう。

「クリプトスポロジューム」は5ミクロンくらいの極小の原虫で、ネズミなども宿主ですが、牛、鶏などの糞便を通じ土壌や飲水が汚染され、地域住民に下痢などの集団中毒を起こした事件が各国にあります。

現在でも日本の乳牛と肥育牛の畜産農場ではこの病気に悩まされています。

ことに鶏や牛などに感染するもう一つのコクシジュームという原虫病や、クロストリジューム菌などと合併し発病しますと、血便と下痢便発生で死亡事故も含め被害が大きくなります。

「クリプトスポロジューム」には特効薬がありません。

唯一この3種類の原虫と細菌を殺し治療できるのは、私どもが取り扱っている生菌剤と酵素で、ことに仔牛の斃死を防ぐ実績では世界一で、日本でも予防治療に使われます。

ちなみにこの生菌剤は安全で、人畜共通伝染病の代表、サルモネラ菌、大腸菌O157、カンピロバクターなどの食中毒菌にも効果があり、薬事法で薬剤が使えない鶏卵生産農場では、産卵期間中の病気対策に多く使われていますので、日本産の卵は生で食べても安心です。

さて寄生虫の感染に「エキノコックス」があります。

キタキツネが中間宿主で、それゆえ北海道に発病者が多くいます。

もとより犬にも寄生する条虫の仲間で肝臓障害を起こします。

有名な犬の病気「フィラリア」も原虫病で、蚊などによって伝播しますが、人間にも感染して下痢症状や胃腸炎を起こします。

「アニサキス」は淡水魚から感染する線虫の回虫症です。

魚類からの感染はほかに「肺吸虫症、肺ジストマ」「肝吸虫症、肝ジストマ」鮭や鱒から感染する条虫の「サナダ虫」など、動物以外の魚の生肉(刺身)からの感染も注意が必要です。

日本人は生ものが好きで、生卵から魚の刺身や魚卵、はては牛や豚の肝臓の刺身や鳥や鹿の生肉、スッポンや蛇の生血など、私も過去にこれらの食品を喜んで食べていました。

今でも生卵と魚の刺身は大好物ですが、いずれにしろ絶対安心はないと思います。

ことに動物の生肉と血液や内臓は危険度が高く、寄生虫、原虫の感染だけでなく細菌性の病気の感染はもっと深刻です。

ですから加熱しない生肉や血液は食べないことです。

今回はその危険度の高いウイルスの感染症と、吸血昆虫などの蚊と原虫、寄生虫の感染症を紹介しましたがまだすべてではないです。

また動物由来の病原菌には細菌、真菌(カビ)、リケッチア、プリオンタンパクの狂牛病など沢山ありますが、これらは後半に紹介しましょう。


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