2013年6月アーカイブ

食の安全と食品添加物(2)

〜新しい食の文化と多様性を作った食品添加物〜
(無添加商品を要望が底堅い消費者心理)


私が食品添加物と始めて出合ったのは、確か小学校入学前の頃でしょう。

もっともその品物が、食品添加物だとの認識はもちろんありません。

「これを味噌汁に入れると味が良くなるだよ」

それが食品添加物の代表「味の素」でした。

母親が小さな瓶のなかに入った白い粉の結晶を大事そうに私の味噌汁椀にパラパラと落としたことを記憶しています。

この「味の素」がタンパクアミノ酸のひとつ、グルタミン酸を原料にして作られ、大正末期に製品化されていると知ったのは、戦後しばらくたってからです。

さらにこの「味の素」が食品添加物の代表のひとつと知ったのは、さらに年を経過し、同じ食品添加物の合成甘味料「ズルチン」や「チクロ」が発癌性物質として使用禁止の処置がとられた、1960年の終わりごろです。

その時、いままで安くて重宝していた人口甘味料が、一夜にして毒物に変わったのですから驚いたと同時に、人工的に作った添加物の中に、かなり危険なものが多くあることが、社会的に論議の対象になったことも知りました。

同じ甘味料の仲間には砂糖が貴重品であった終戦後、甘さに飢えた人々を救った「サッカリン」も発癌の危険性がある物質と使用禁止処置がとられましたが、現在は再度許可になって使われていると聞きました。

しかし、アメリカ、カナダなどではいまだに使用禁止になっているようで、日本がなぜOKなのか分かりません。

もっともその逆に、諸外国で許可になっているのに、日本では使用禁止の添加物もたくさんあります。

そのように、安全性を最も重要視する食品添加物でも、国々よって許可基準と検査認定は違いがあり、国によってはかなり危ないと思われるものもあります。

こんなこともあって、添加物の功罪に関心と興味がわいてきたことも確かです。

昔から良く知った「味の素」も沢山摂りすぎると、頭痛や痺れ、呼吸困難など症状が現れる恐れが指摘され、化学調味料を多く使って、うまさを強調する中華料理が危険の槍玉に挙げられ、中華料理症候群などありがたくないレッテルが貼られたのは、そんな遠い昔の話ではありません。

ことに化学合成されたものは、素材の原料が石油や石炭などであることも多く、そんな物質を化学変化させて作ったものが本当に大丈夫なのか、一般消費者は疑いたくもなります。

それゆえ使用認可基準はかなり厳密を極めます。

天然素材を使った食品添加物も多くありますが、天然だから安心だはありません。

天然を活用した添加物に対しても、その安全基準と検査内容は厳しいものがあります。

まず安全性評価は、使われている化学物質の同定、規格の設定、純度、不純物の検出、実験動物など使用しての毒性検査、一日の摂取量の設定(ADI)、このADIを越えない使用基準の設定など、念入りです。

このような規則にのっとった安全テストは、研究室段階のテストで、市場に流通してからの使用量は、必ずしも規定通りかどうか分からないところがあるのではないか、そこが疑念の種です。

食品添加物に限ったことではないでしょうが、食べ物から来る人体への危害には消費者は敏感です。

農薬や抗生物質などの薬品の残留、ダイオキシン、カドニウム、水銀、鉛などの重金属、病原性バクテリアの汚染、遺伝子組み換え食品などにはことに神経質です。

食品添加物にしても、化学合成された薬品的働きをする抗菌剤、防カビ剤、抗酸化剤、漂白剤、発色剤、着色剤、香料、保存料などの中には、危険物質が隠れているのではないか、あるいは使用期間が長ければ異常が出るのではないか?との心配の向きも多いです。

いずれにしろ体に入れるものですし、本来食品ではなかった化学合成剤が、どのように反応するかは人それぞれの遺伝子(DNA)によって異なるでしょうが、まったく大丈夫と言い切れるかどうか、判断の分かれるところでしょう。

ことに添加剤で問題になる反応の第一番は、発ガン性とアレルギー発症で、それに加えて長期間使用による遺伝子への影響ですが、これは何代かにわたって検証が必要ですから、確定が難しいです。

同じことが染色体への影響で、遺伝子毒性や損傷と同じく、世代を超えて生殖細胞に変異を起こすことも心配されます、もしそれに影響されますと、添加物使用と少子化問題がシンクロされます。

その他、急性慢性の毒性反応は、過剰摂取、長期間使用などで表面化するかも分かりません。

台湾で問題になった、無許可の無水マレイン酸も、長期間の使用で腎臓障害を起こすことが検知されていますから、添加剤に認可されていませんでした。

無水マレイン酸だけでなく、腎臓、肝臓に危険があると思われる添加物には、ことに実名は挙げませんが、防カビ剤のいくつか、化学合成した香料の中にもあるようです。

発ガン性とアレルギー発症が疑われている添加物はそれより多く、ことに化学合成の香料や着色料あるいは酸化防止剤、防カビ剤など、細かく問題点を洗い出したら、キリがありません。

こんな食品添加物ですが、今日現在の私たちの食生活には、切っても切れない物質となっています。

ご存知のように、あらゆる食品のなかに添加物が使用されています。

前号で話題にしたコンビ二弁当にしても、10種類前後の添加物が入っていました。

家庭で調理する食材から調味料や食用油、ハム、ソーセージ、チクワやカマボコ、魚の干物や加工品、固形カレールウ、パンや麺類、豆腐から油揚げ、菓子類から飲料、酒からビールワインまで、これら添加物のおかげで、商品イメージが定着しているものもかなりあります。

それぞれの食材にどんな添加物が入っているかの詳細は省きますが、長期保存や酸化を防ぐためには、農産物生鮮素材にも添加物を使う場合があります。

ことに輸入食材の果実、野菜、肉類、魚類、乳製品などは、場合により日本では認可されてない添加物が使用され、問題を提起したケースが過去にかなりありました。

それに関連して考えさせられるのは、自由貿易協定が話題のTPPです。

もし締結されたとしたら、たちまち食料も加工食品もフリータックスで、日本の市場に殺到するでしょうが、それが問題になってしまいます。

自由貿易の長所と弊害の論議はいろいろありますが、そのなかで食品添加物の国よる認可基準の相違は深刻です。

ちなみにアメリカのFDA(食品薬品局)が認可している食品添加物は600種類、同じFDAがGRAS(一般に安全と認められる食品)の規定で認可されているものも1000種類あります。

日本が認可しているものは352品目、アメリカは日本の倍近い添加物が認可され、加えて安全と証明されているものまで含めると、1000種類になってしまいます。

もしTPPが発足されれば、これら日本では認められていない食品添加物使用食品の、安全基準のすり合わせは、かなり微妙な関係を作ります。

ことに食の安全は、国民の健康の健全化と相対する問題ですから、自由化の定義は別物としても、軽々に基準の変更は国民の同意を得られませんし、不利益となります。

話題の中国からの農作物や畜産物の食品については、2005年から発足した日本のポジティブリスト制度の基準にそって、農薬、動物薬、食品添加物の基準設定項目の797品目をクリアーしなければならず、この基準はかなり厳しく、中国政府が問題無いとしたものでも、安易に日本の市場には出回りません。

ちなみに中国は、訳の分からない添加物を含め、2200種類が使用されているようですが、そのうち60%以上は安全基準が設定されて無いものを含んでいると聞きます。

なぜならば、中国にしても2200種類の添加物は食品製造者が作ったものではなく、食品の付加価値を高める、長期間保存も出来る、飲食店の味や見た目を簡単に高められ、商売がやりやすくなると言う目的で、化学会社や食品関連業者が開発したものです。

その原料や、触媒後の化学合成物が、どのように人体に影響するかの検証はどうしても後回しになります。

市場の要求と添加物製造業者の利潤追求が優先するので、後で問題が発生します。

日本やアメリカはじめ、科学技術が発達した国々も、有機化学を専門としている会社が、食品をターゲットにいろいろな用途の添加物製品を開発したことは確かです。

ただ少し違うところは、その物質が安全かどうかの科学的検証をしっかり行い、動物実験から場合によっては人体へのリアクションまで検査し、政府の責任において、使用できるか出来ないかを判断していることです。

といってそれが絶対安全とはいえません。

過去にも一度許可された物質が、危険性が発見され、取り消しになった事件がいくつもあります。

そのように安全性に対する基準は、国の威信にもかかわりますから慎重です。

その安全性基準を満たした食品添加物が、食の多様化と食の文化を変えました。

またその流れが驚くほど多くの食品加工の開発を生み、また食糧、食品の国際化と貿易量の拡大をもたらしました。

そんな食品添加物も、いまだに消費者の間では胡散臭い物質とみなされている傾向は強いです。

「食品添加物一切使用なし」「無添加食品」「化学物質はいっさい使いません」との宣伝広告を良く見ますし、食品加工品にも無添加をうたうものがかなり見受けられます。

食品添加物を使用しないことが、商売になり付加価値となるのも面白い現象で、そもそも添加物は、付加価値をつける目的で作られたものが多いはずなのに、それが逆になるとは皮肉な話です。

消費者の食品選択の基準を、あるアンケートで見ますと、賞味期限のチェックが47.7%と1位ですが、それに続いて原材料名、産地明記があり4番目に無添加無着色が40.9%と高いです。

無農薬、無薬品、遺伝子組み換えがその後となりますので、添加物を使用しない食品希望は強いことになります。

このように無添加食品を消費者は望んでいるようにアンケートは語りますが、いまマーケットで食品選択をする場合、添加物を使用していないものを選ぶほうが難しいく、あえて言えば無理なのではないかと思います。

それほどまでに食品添加物は、私たちの食生活の中には知らないうちに浸透し、言い方を換えれば、すっかり慣らされてしまった、また旨みも甘味も風味も歯ざわりも、さらに色も光沢も形状までも人工的な添加物によって作られていることに、多くの人が抵抗がなくなってしまったと言えます。

ただし安全性が担保されているからと言って、野放図に使用してよいものではなく、節度ある使用を関係者にお願いすることで、消費者の一人の意見として終わります。

食の安全と添加物

 〜台湾で発生した違法添加物使用食品の波紋〜
(人工的添加物に慣らされてしまった私たちの食感)


「いま台湾は、違法添加物使用の食品と料理の話題で大変です」

5月の末、台北の松山飛行場に到着した私に、私どもの台湾子会社の総経理である黄重進さんが、真っ先に伝えたのは、台湾で発生した最近のトピックでした。

この黄さんは元来、食品添加物の販売を長く手がけたその道のベテランで、食品に使われるさまざまの添加物の種類から特性、また使用に際し充分注意をしなければいけない物質など、経験から来る知識が豊富です。

そんな彼が「この違法添加物を使用した食べ物を多く食べた人は、やがて腎臓機能に問題を起こし、腎臓透析患者が台湾で多くなる」

かなりはっきりとその毒性を看破しますので「そんな危険な添加物が台湾で使われているんですか?」当然そんな質問になります。

「そうです、でんぷんを使用した食品のモチモチ感を出したり、料理にかけるあんかけのトロミ感を出すため、使用が禁止されている「無水マレイン酸」が使われている、それも台湾中の餐庁(食堂)やスイーツのタピオカ製造やでんぷん菓子など、たくさんあるからあぶないですね」

無水マレイン酸(Maleic acid anhydride)とは私もはじめて聞く名前で、調べてみますと、勿論食品の添加物でも食品でもなく、塗料や合成樹脂、農薬製造などの合成原料となる有機化合物のひとつのようです。

ただこれをでんぷんに混ぜると、料理のトロッとした食感が増したり、タピオカの粒などがモチモチした感触がしたり、肉団子やでんぷん使用の練り物など歯ごたえが良くなるなど、舌に馴染みやすい効果があるようです。

ですから、でんぷんの製造者か、菓子メーカーか、あるいは食堂か、誰が混ぜたか分かりませんが、台湾中のでんぷん食品のなかに、かなり混ぜられていたのが現実のようです。

以前中国の乳児用の粉ミルクに、タンパク質の表示を安定させるために化学合成のメラミンを添加、多くの乳幼児に被害を及ぼした事件とよく似た面があります。

ただ台湾では、これまで無水マレイン酸による消費者被害の届けはないようですが、黄さんが心配したよう、長期間食べ続ければ、腎臓障害が懸念されることは確かなようです。

台湾ではこの無水マレイン酸事件をきっかけに、食品安全問題がクローズアップされ、政府が食品原料使用の実態調査を綿密に行った結果、賞味期間が過ぎた原料、品質変化の食品など、行政機関が指示した規則を無視して使用している現実が暴き出されて、食品業界に大きな波紋が起きているようです。

もちろんこれらは、食品取り扱い業者の食品に対する安全認識と品質管理、順法精神の欠如、消費者に対する責任とマナーの欠落です。

これは消費者を侮り、馬鹿にした行為で、食品業界全体の信頼の低下にもなります。

規則を守る精神の無頓着だけでなく、自分の心にも違反したことにもなります。

ただ問題を起こした業者がどれだけ反省しているのかどうかは分かりません。

さてこの違法商品は、台湾国内だけでなく輸出されているケースも考えられ、その処理と今後の対策に厳重な調査を行うことが決められたようで、政府としては国内だけの問題で収めたい意向です。

と言ってもいまは国際化の時代、台湾を訪問するビジネスや観光目的の外国人が食べる美味しい台湾料理とスイーツが、違法添加物で汚染されていたのでは、国家の面子にかかわりますし、国際的にも大きな汚点になります。

金儲けのためなら、誰にも分からないのなら、少しぐらい使用しても問題ないなら、構いません「メイクアンシ(没関係)」では困ります。

さて、そもそも食品の添加物とは何でしょう。

定義はよく分かりませんが、食品が本来持っている性質を人工的に、人間の五感の感触を一見欺いてしまう物質で、色彩、匂い、甘味、トロ味、旨み、酸味、歯ごたえ、光沢など、マジックのように向上させる食品のアクセサリーで、食卓の演出者ともいえます。

中には、食品の腐敗、酸化、カビ防止など、危害を未然に防ぐ目的の食品添加物もありますが、その目的のために使われる物質が、化学合成物である場合、その物質から危険が生ずるものもあるようです。

ただ人間の食生活の中で昔より使われていた天然調味料の、塩味、甘味、辛味、酸味、苦味などの五味と何処が違うかの論議もあります。

ただ昔から使用されたものには、長い歴史の中で自然と安全性が担保され、また化学合成や有機合成など人工的なものは少なく、天然、自然の動植物、鉱物を利用したものが多いです。

しかし目的としては、食品保存のための塩漬け、酢漬け、肉の臭みをなくしたり腐敗を防ぐ目的の香辛料、豆乳を固め豆腐にするニガリ、たくあん漬けで黄色を出すクチナシの実、梅干の紫色の赤シソの葉、などなど自然物を利用した、天然の添加物はかなりの歴史があります。

この同じ目的を達成するため、人間の英知で人工的に作り出したものが、食品の添加物なのでしょう。

人工的作業の中には、原料を天然のものから採取したものと、動植物、鉱物資源などを利用した合成物、化学合成した製剤などさまざまですが、すべて食品としての厳しい安全基準をクリアーしたもので、使用にいろいろ条件がつけられている物質です。

それでは実際どんなものか、また私たちの生活の中で日頃知らずの内に、摂取しているものがどんなものがあるか、皆さんはご存知ですか。

私はコンビニエンスストアーでおにぎりと、助六寿司を買って、添加物表示を調べてみますと、

【アミノ酸調味料、PH調整剤、乳化剤、増粘剤(加工デンプン)、グリシン、着色料(カラメル、カロチロイド)、ソルビット、リン酸塩、酒精、香料など】

たかが握り飯とお寿司なのに、原材料以外にこれだけさまざまな添加物が使われています。

それだけ私たちが日常食べている食品は、数々の食品添加物で脚色演出され化粧された、人工的な味と食感、匂いと外見のよさなどで、作られていることになります。

ただし、こんなたくさんのものが添加されていることを、意識している人は何人いるでしょうか?

なかには、これらの人工的添加物を嫌う人々もいますが、多くの人たちは抵抗なく知らない間に受け入れています。

さらに甘味、旨み、歯ごたえなど、長年のあいだ添加物に慣らされた舌は、それが使われないとき逆に抵抗感が出てしまいます。

食品添加物の旨味で作られた味が、旨さの基準になり、人工甘味料で作られた甘味が、甘さの基準となり、人工増粘剤で作られた食感が、舌触り、歯ごたえの実感になり、人工着色料で作られた色が、食品の色基準になってしまっているかもしれません。

それらの良し悪しはともかく、食品添加物にすっかり慣らされていると言っても過言ではありません。

そんな背景が、台湾での違法添加物を使っても、消費者に美味しい食感を与えることが、商品の価値と人気に繋がると確信した業者の、違法行為に繋がる原因だったのでしょう。

言い換えれば、本物の持っている本質を曲げてまで、本物以上にすることが消費者に受け入れられていたから出来たことだと思います。

食品添加物に慣らされた食感が、招いた不幸ともいえます。

幸いこの事件で生命にまで及んだ被害が出なかったことが幸いでしたが、人工的食味の中に思わぬ落とし穴があることをわれわれは注意しなければなりません。

このことは、消費者よりも食品添加物を生産する立場の人、それを使用して商品を作る人たちの感性とモラルに委ねるしかありません。

食の安全と添加物は、次回にも続けます。

月別 アーカイブ

ウェブページ

商品ラインナップ

バイオアスリートP3アサイー バイオアスリートP3 バイオアスリートP3(顆粒) バイオアスリートスーパージュニア バイタリンZ60個 バイタリンZ120個 エストリーゼ エミューナイナイクリーム