ロコモにならない数か条(その2)

〜女性ホルモンエストロゲンの喪失と骨粗しょう症〜
(イソフラボン エクオールによる骨対策と美しさの継続)
中高年齢の女性のロコモ症候群の代表に「骨粗しょう症」があります。

「骨粗しょう症」とは、骨の細胞を構成しているカルシウムが抜け出し、骨が脆くなってしまい、曲がりやすくまた骨折しやすい状態になった骨の症状です。

もちろん女性に限らず、男性も加齢になると骨もだいぶ脆くなっていますので「骨粗しょう症」発症は女性だけではありませんが、圧倒的に女性が多いのも事実です。

その理由は「骨粗しょう症」と女性ホルモン(エストロゲン)との関係から来ています。

女性ホルモンのエストロゲンはご承知のよう生殖のためのホルモンで、排卵を促進し受胎妊娠可能な生理的条件を作るホルモンです。

それがため適切な排卵周期で受胎可能な年齢の女性は、このホルモンにより基本的に生理機能を健全に維持されている優位性があります。

血圧、コレステロール、糖尿、尿酸値のコントロールはじめ、肌のみずみずしさ、声の艶やかさ、体型の適正な美しさ、などエストロゲンによるところが大きいです。

勿論、骨格や筋肉の強さも、子供を産むための大切な要素として、新陳代謝が正しく行われ、問題が起きにくいのもこの女性ホルモンのエストロゲンのおかげです。

それが更年期を過ぎ、閉経を迎えエストロゲンホルモンの生産排出が順調でなくなった途端、ホルモンが支えた優位性が無くなり、更年期障害、高血圧、高コレステロール、高血糖、肥満などで悩むようになります。

さらに骨格や筋肉の劣化に伴い、ロコモ症候群の膝痛、腰痛、脊柱歪曲などが現れ、それらの原因となる「骨粗しょう症」が発症、知らない間に骨を軟弱にしています。

日本の推定患者数は、1000万人とも1300万人とも言われ、50歳を過ぎると4人に1人は骨に異常があり、さらに予備軍を含めると2000万人と推定されます。

変形性膝関節症なども同じ患者数がありますが、双方の病状が合併している患者も多く、この二つの症候群で、ロコモの大部分を占めます。
「骨粗しょう症」の疑いは、日ごろの生活の中で自分自身で自覚できます。

1)身長が縮んで低くなった
2)背骨や腰が曲がってきた
3)腰や背中が時々痛む
4)動作がのろのろ鈍くなった
5)片足立ちで靴下が履けない
6)15分以上続けて歩けなくなった
7)外出が嫌いになった
8)重い荷物が持てない
9)家事がおっくになった

こんな症状が出てきたら「骨粗しょう症」の疑いを持って、病院で診察が必要でしょう。

ことに女性の場合、出産育児などを経験し、更年期過ぎの50歳代から、骨密度は急激に低下します。

統計数字によりますと、60歳代の2人に1人、70歳代の10人中7人、80歳以上ですとほとんど100%の人が、骨粗しょう症の患者か予備軍とも言われます。

ご存知のよう、私たちの骨は、カルシウムを主体にマグネシウム、ケイ素、リン、接着剤としてコラーゲン(タンパク質)などで構成され、これらを骨に形成するのにビタミンK、ビタミンC、ビタミンDの働きで骨密度が充実します。

ところで骨は絶えず新陳代謝し、古いものは壊され、新しいものに入れ替わります。

この働きをする細胞が「骨芽細胞(骨を作る)」と「破骨細胞(骨を壊す)」で、このバランスが均等であれば骨は丈夫で弱くなりません。

ところが女性ホルモンが無くなる更年期以降、骨芽細胞の働きより破骨細胞の働きが活発になり、骨の主成分カルシウムが血液に溶出しやすくなり、余分なカルシウムは尿として体外に排泄します。

その結果、骨のカルシウムが無くなり、骨はスカスカで脆くなり、歩行や運動に支障をきたし、骨折しやすく、骨折したため寝たきりになる経過をたどります。

そこで大切なのは、骨を作る骨芽細胞の働きを促進し、骨を壊す破骨細胞の活動を抑えることですです。

骨芽細胞も破骨細胞もエストロゲンホルモンの影響で働きますので、このエストロゲンを摂取し、骨芽細胞を稼働させ、破骨細胞の活動抑制が「骨粗しょう症」を予防治療する一つの方法です。

それゆえ「骨粗しょう症」の治療予防薬には、これらのホルモンを人工的に特化したものが多く使われますが、副作用も心配されます。

そこでがぜん注目されるのが、植物性エストロゲン様と言われる「大豆イソフラボン」です。

大豆は昔から私たちの食材として親しまれ、畑のお肉とも言われるタンパク質豊富な栄養食品で、さらに抗酸化力の高いポリフェノール、イソフラボンはじめ、サポニン、レシチンなど含む機能性豊かな食材です。

タンパク質は大豆のほかに肉、魚、卵、牛乳など動物性タンパク質がありますが、肉類に代表される動物性食品は同時に脂肪も多く含みます。

これ等の脂肪を消化吸収するため、多くのミネラルビタミンが消耗され、さらに肉を摂りすぎると、骨からカルシウムを血液中に溶出させる、脱灰が起こり、骨のカルシウム量がことに減少すると、言われています。

何れにしろ、動物タンパク質の摂りすぎは、体を酸性化し血液が酸性になります、それを中和するため骨の中のカルシウムを排出させます。

また肉食は血液中のリンが過剰になり、それを排出するため、カルシウムが一緒に放出されます。

血液中のカルシウムが減少しますと、破骨細胞が働き、骨からカルシウムをどんどん血液の中に溶出させ、血中カルシウムのバランスをとります、その繰り返しで骨密度が低下し骨がスカスカになります。

2011年にアメリカのある研究所が発表した、65歳から80歳までの女性1000人に動物タンパク質と植物タンパク質の摂取の比較試験を参考にしましょう。

この試験で分かったことは、動物タンパク質をだけを多く摂取した人の問題です。

動物タンパク摂取の人の骨量の減少は、植物タンパクの人に比べ約3倍多く、股関節と膝関節に問題を起こした人は約4倍と言う数字になりました。

エストロゲンが消滅した加齢女性の動物タンパク質過剰摂取と骨との関係を示唆するデータとしては、参考になります。

勿論、動物タンパク質が悪者というわけではなく、植物タンパク質摂取はじめビタミン、ミネラルなどバランスが必要ということです。

ただし肉食が多い欧米では、日本より生活習慣病と骨の脆弱症が多いことも事実です。

それだけでなく、肉食偏重の食事は、どうしても血管内は脂質過剰になり、またカルシウムが多く放出され、血管を石灰化し血管を硬くし、血液はドロドロとなり血栓や動脈硬化の原因となります。

この不正常な代謝が、閉経後の女性の体の内で、本人が知らない間に起こっているのです。

そこで勧めたいのが大豆食品を多くとることです。

大豆のイソフラボンとタンパク質は「骨粗しょう症」対策だけだけでなく、

肥満予防、
コラーゲンでの美肌、
内臓機能活性、
快眠、
快便、
血液循環とサラサラ、
脳細胞の活性、ボケ予防
自律神経の安定、
がん予防、
心臓病予防
高コレステロール予防、
高尿酸値抑制、
動脈硬化予防、
活性酸素除去の強い抗酸化力、
シミ シワの除去、
更年期症状の緩和、
美しいスタイル

など、健康食品としての優位性が高いです。

これ等、大豆タンパク質が持つ効果と、イソフラボンの機能に対しての研究成果は、日本はじめ世界各国の研究者から多く発表されています。

アメリカのFDAでは、大豆タンパク質の適正摂取は、心臓病の改善に役立つとしていますし、日本の国立栄養研究所からも、大豆タンパク質のコレステロール正常化への働きや、乳がん発生率の低下の発表があります。

また大豆イソフラボンについては、1日の摂取量を75mgを上限に、適切の摂取することによる健康効果話が認められて、食品安全委員会より、特定保健食品として認可されているものもあります。

ところでイソフラボンの機能性は高いですが、そのままでは配糖体物質で消化吸収できないので、糖分を切り離したアグリコン状態にしなければいけません、アグリコンとなったイソフラボンの主成分がゲニスティン、ダイゼイン、グリシティンと言います。

このアグリコンイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと構造が類似し、体内のエストロゲンレセプター(受容体)に受け入れられ、ホルモン的働きを行い、骨芽細胞を活性したり、肌を美しくもします。

これは植物由来でありながら、代替エストロゲンとして、女性の生理に活性を与えたことになります。

さらにイソフラボンのダイゼインは、特定の腸内細菌で「エクオール」という物質を腸内で生産、このエクオールは健康度を上げ、シミやシワを除去し、骨のスカスカを防ぐ優れた物質で、このエクオールを生産する特殊細菌は、欧米人と比較して、日本人が多く持っていることも最近の研究でわかりました。

と言っても多くても40%の人が特殊細菌の持ち主で、その他の人はエクオールの働きはありません。

しかし、どの人が持っているのか、またいないのかの判断はできません。

エクオールを作れる人もそうでない人も、特殊細菌を持つ人も持たない人も誰もわからず、感覚的には平等です。

ただ年齢より肌も髪の毛も若く、姿勢もしっかり若々しいく、行動も運動能力もはつらつとし、声もよく、聴覚、視覚も問題ない高齢者は、腸内エクオールの恩恵にあずかっている人かもしれません。

さてこのような優れた物質エクオールを、バイオ技術でダイゼインから生産し、抗酸化力が強く吸収の良いバイオゲニスティンなどと配合、吸収と機能性を高めたペプチド大豆タンパク質を一緒にした、夢のような製剤が私たちグループで完成しました。

さてさて、エクオール生産の特殊細菌を腸内に持つ人も持たない人も、このような製剤を継続的に摂取すれば、骨粗しょう症予防だけでなく、いつまでも美しい肌と肉体を維持することも可能となります。
次回は骨粗しょう症を防ぐ生活習慣と、エクオールを中心としたイソフラボン効果に言及しましょう。