感染症に悩むアジアの畜産

〜VIV ASIA畜産展示会に出展3月9日バンコク〜
(抗酸化飼料と悪臭防止が強い免疫力)

来週、3月9日から11日まで、タイのバンコクで開催される、畜産、水産の産業展示会(VIV ASIA 2011年)に、私どもの会社が出展します。

私も約1週間バンコクに滞在することになります。

私個人とタイ国との関係は25年前にさかのぼります。

その頃タイの畜産、ことに鶏肉生産が大きなブームとなり、その生産物を日本へ輸出する企業がかなり排出していました。

ことに生肉を加工し、そのまま調理できるレディークック商品がタイ産鶏肉の特徴で、その代表が焼き鳥、私の関係した会社も、大勢の女工さんを採用し、毎日毎日串刺しの鶏肉製品を作らせ、日本へ輸出していました。

その鶏肉の元になるブロイラー生産の指導で、少なくとも月に1回、7日から10日ぐらいバンコクに滞在し、農場巡回や食鶏処理場あるいは飼料生産、雛生産に関与していました。

それが足掛け4年ぐらい続きました。

それだけにタイには、ひとしお思い入れが強く、またタイの畜産業に対する関心と愛着が強いです。

今日現在は、タイのブロイラー生産は発展し、日本の生産量より倍近い羽数を生産する一大生産輸出国となり、ヨーロッパ初め中東諸国そうして日本へもかなりの数量を輸出しています。

ただしそのほとんどは加工調理した商品となり、かつて輸出の大部分を占めていた生肉はすっかりなくなっています。

その要因は、数年前からのこの国で発生した鳥インフルエンザによるものです。

日本もヨーロッパも同じように鳥インフルエンザの被害があるのに、他の感染国からの生肉と生きた鳥類の輸入は禁止されているからです。

このように、家畜伝染病の発生国からの畜肉と家禽肉の輸入は原則禁止され、もし輸出を認めてもらう場合は、ウイルスが完全に死滅する熱処理による調理したものしか許可されません。

鳥インフルエンザだけでなく口蹄疫の発生や、他の伝染性感染症で国際的に法定伝染病に指定された病気が発生した国からは、原則全て輸入禁止になります。

畜産生産物の自由化はすでに行われていますが、畜産業への打撃が起きないよう輸入関税を高くする政策がよく取られます、しかし実際は法定伝染病で輸入制限する防疫上の阻止のほうが多いです。

それゆえ、日本はタイをはじめ中国、台湾などからの豚肉、牛肉の輸入は一切禁止されています、その国々は必ずしも口蹄疫が発生しているわけではありませんが、ワクチン使用の実態が汚染国との認定になっています。

このように、タイはじめ東南アジアおよび東アジアの畜産を語るとき、この法定伝染病の感染が長期間にわたって、産業の発展を阻害していることは事実です。

現在、アジア圏で鳥インフルエンザ発生のない国はありません。

さらに口蹄疫発生の国もないのではないでしょうか。

口蹄疫の場合、発生しても迅速に対応し、ワクチンも使用せずにそのウイルスを撲滅し、清浄国として認めてもらっている国は、日本だけになったのではないかと思います。

韓国が一昨年まで清浄国として、その矜持を保っていましたが、昨年から今年にかけて大発生し、ついにワクチン接種に踏み切り、被害拡大を防ぐ処置を取りましたので、しばらくの間、汚染国としての立場を取らざるを得ません。

鳥インフルエンザもワクチン許可の国が増え、この病気が野外の渡り鳥、野鳥など人工的に防御が不可能な感染源と認めた現在、各国の対応がどのようになるか、関心のあるところです。

さて今回、そのようなアジアの衛生環境のなかで開かれる畜産の展示会だけに、どれだけの畜産人が集合するか私には検討できません。

文字どうり各国から畜産人が来訪しますと、入り混じったウイルスの集合場所になりうる危険性も心配されなくはありませんが、それ以上に各国が独自の対策で、これらの疾病に対処しているかの方策を聞きだすのも大切だと思います。

なかにはワクチンの許可もままならない国、さらに許可された国でも、ワクチンの効果が不安定な面があるように聞きますと、この病気対策も非常に難しく、暗礁に乗り上げた感があります。

そしてこれらのウイルスは潜在的となり、野外の鳥類や動物、昆虫などが媒体となり、終りのない感染ベクトルのマルチ化がおきますと、エンドレスの被害が永遠に続く危険性を想像します。

私はこれらの感染症を防ぐには、畜産動物と家禽類の基礎免疫力を高く強くして、まず初期感染を防ぐことを第一番にすることが大事だと思っています。

過去私は、自分の養鶏場の経営と、原種農場の経営、さらに技術コンサルタントととして、日本やアジア圏を指導し、この免疫力を高くしてあらゆる病気を防ぐことが、畜産経営の根幹との認識を持っています。

それは経験から来ることです。

健康で免疫力の強い動物を育て、隣の農場で発生した病気を防いだ、防がせた経験がいくつもあります。それは病原菌を防いだのではなく、病原菌が入っても発病させなかった経験です。

私たち人間でも、風邪がはやっていても感染発病する人と、発病しない人がいます。

同じウイルスに暴露感染しながら、発病したりしなかったりは、風邪の菌に対する抗体力すなわち免疫力の相違が、そうさせるのではないでしょうか。

如何に免疫力、抗体力が大切かが分かります。

これは生まれながらの体質もありますが、後天的な環境整備と機能性の高い栄養によるものが大きいのです。

畜産で言えば、大事なのは新鮮な空気と室内の清掃です。

新鮮な空気とはアンモニアやメタンガスなどの少ない畜舎の環境です。

アンモニアは毒性が強く、動物の呼吸器障害の最大原因にもなり、免疫力低下に繋がります。

それを防ぐにはアンモニアを即時に分解し、畜舎内の悪臭を除去することです。

次に免疫力を挙げる飼料です。

私たちは、この両方に効果がある物質を、今回の展示会で紹介します。

一つは抗酸化力と免疫力を高くする大豆ペプチドの生菌剤飼料、さらに天然の抗酸化剤のフルボ酸とフミン酸です。

ことにフルボ、フミンは畜舎と、畜糞のにおいを消去し、アンモニアを分解する能力が高いため、使用しますと畜産の臭い公害をなくし、家畜に美味しい空気を吸わせることに役立ちます。

畜糞のにおいが強く、空気が汚れている畜舎で飼育された肉は、その汚臭が肉の脂の中に溶け込み、肉質を低下させますので、畜産農家はそれだけでも清浄な空気管理に神経を使わなければいけません。

フルボ酸、フミン酸の特徴の一つに、病原菌やウイルスへの抑制力があるという文献が、世界のフミン酸研究者から多く発表されています。

自然界が作った多機能な電解質物質であるフミン酸のイオンバランス調整機能が、動物の健康管理と免疫力向上に役立っているのでしょう。

いずれにしろ、アジア圏の人口は世界の三分の二、牛、豚、鶏の飼育量も同じように三分の二以上、このアジアの畜産がもっとも生産に支障をきたす感染症で被害が継続されますと、それでなくとも不足が心配される穀物の無駄な消費が倍加することになります。

19世紀、20世紀と世界をリードしてきた、ヨーロッパ、アメリカから、人口も、経済も、畜産もアジア圏に移ってしまった現在、畜産だけが遅れをとり、感染症に悩まされていてはいけません。

日本を含めてアジアの発展のために私たちも微力を尽くしたいと思い、この展示会に参加します。